翌日の6月9日、紹介状と胸部CTのデータを持って、C病院の呼吸器内科へ。
担当は30くらいの小柄な女医さんだった。
(後日、医者になって5年と聞いた)
マスクをしているのは、呼吸器という科ゆえ、ウイルスがうつったり、うつしたりしないための予防かな。
(その後もずっとマスクを付けていたので、以後はマスク先生と呼びます)
CTの画像を見てもらうと、
「影の周囲がギザギザになってますよね。私たちは、あまり良くない評価をしています」
私たちというのは、呼吸器内科の医師たちのことだろうか。
良くない評価。悪性腫瘍=がんということか。
「がんだとして、原発性ですか、転移ですか」
と聞くと、
「転移なら周囲がすべすべしています」
あとで調べると、ギザギザというのは「スピキュラ(星芒状(せいぼうじょう)陰影」というものらしい。
「去年のレントゲンには何も写ってなかったんですが、1年でこんなに大きくなるものなんでしょうか」
「そういうこともあります。おかしいことではありませんね」
「咳も血痰も出てないんですが」
「そういうこともあります」
肺がんではないという言葉を引き出したいがため粘るが、もちろんこちらの期待する台詞など聞くことはできない。
診察後、採血と、胸部のレントゲンとCTを撮られる。
またCT?
被爆が気になるけど、そんなこと言ってられないか。
気管支鏡検査は9日後の18日、結果は26日に聞きに行くことになる。
マスク先生の診察のローテーションで、そんな日取りになるらしい。
その結果次第で、PETなどほかの検査に入るそうだ。
「結果はご家族も一緒に聞いてもらっています」
と家族を連れてくるように言われたが、一人暮らしなので、
「自分一人で大丈夫です」
と言ったら、すんなり受け入れてもらえた。
私のような人は増えているのではないだろうか。
(ちなみに母は病気で入退院を繰り返しているし、弟も他県で暮らしており、このためだけに来てもらうのは忍びなかった)