2015年8月-10 セカンドオピニオン、何科で聞く?

私は呼吸器内科の事務へ電話で「セカンドオピニオンを聞きたい」旨を連絡したけど、あとから考えると、これってちょっとレアケース。普通は担当医に直接、言うと思う。

担当医に別の病院でセカンドオピニオン(第二の意見)を聞きたいと切り出すとき、患者はどんな心中なのか。

「(担当医に)嫌な顔されるかな。でも、もっといい治療法があるかもしれないし、別の先生の意見も聞いてみたい」だろうか。患者はやっぱり担当医の顔色をうかがってしまいますよね。

では、別の病院でセカンドオピニオンを聞きたいと切り出された医師自身はどう思うのか。

2015年8月-4 (12日-1)ステージ確定」で紹介した国立がん研究センターがん対策情報センター発行の小冊子「肺がん」には、

「担当医との関係が悪くならないかと心配になるかもしれませんが、多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料をつくってくれるはずです。」

とある。「多くの医師は」って何? 少数の医師は、やっぱり嫌だと思ってるってこと?

長尾和宏医師は正直に書いてくれています。

「本音をいえば、医者だって人間ですから、少なからずショックを受けます。『あ、自分の治療を信用していないのかな』と。よっぽど人間ができた医者だったら、別かもしれませんが。(略)セカンドオピニオンを切り出されるのは、主治医にとって快いものではないということです」

長尾和宏著「抗がん剤が効く人、効かない人」(PHP新書)より

自分ではずっといい感じで進めて来たと思っていた案件を、クライアントから急に「ちょっと別の業者の案も見たいから」とペンディングされた感じ?(違いますか)確かに嫌な感じ。

長尾医師はさらに、

「ちなみに、『セカンドオピニオンを聞きに来ました』と言われたほうの医者にとっても、実はあまり快いものではありません。なぜかというと、主治医が別にいる状況では、差しさわりのないことしか言えないから。自分の患者さんであれば、あれこれ話せますが、初めて会ってまた元の病院に帰っていく〝通りすがり〟の患者さんには、どこまで話していいのか、医者も悩むのです。」

と同書に書いている。

大枚はたいて(セカンドオピニオンは健康保険の効かない自由診療。10割負担)、わらにもすがる思いでセカンドオピニオンを受けたのに、「差しさわりのないこと」しか聞けないなんてショック。セカンドオピニオンに期待しすぎてはいけないということか。でも、それじゃあ聞きに行く意味がないのでは?

がん研の「肺がん」は改訂版が出ています。

→「肺がん」改訂版

→どう変わったか記事にしています。「がん研の冊子「肺がん」

肺がんはどの診療科で診られているか

ところで、そもそも肺がん患者さんは、どの診療科で診てもらっているのだろう。呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍内科(主に抗がん剤治療を行う診療科)、放射線科ぐらいしか思い浮かばないが、ほかにもあるのだろうか。ちょっとネットで見てみたら、放射線腫瘍科とか、肺がんセンター(という診療科)とか、病院独自の診療科もあるようだけど、こういうのは少数のようだ。

肺がん患者がセカンドオピニオンを求める場合、眼科とか皮膚科っていうのはないと思うから、やっぱり上に挙げた四つの科の中から選ぶということになるのか。

私は今回、近藤誠医師のところへセカンドオピニオンを聞きに行くことにしたのだが、その理由は父が肺がんにかかった15年ほど前、近藤医師の著書を読んでいたため。手術を勧められた患者が放射線科医である近藤医師のところへ相談に訪れるというのを読んで、「セカンドオピニオンを聞きに行くなら放射線科」と刷り込みされ、それ以外の選択を考えることもなかった。

近藤医師はその頃から、「セカンドオピニオンは違う病院の別の診療科へ」行くように推奨していて、近著でもこう書いている。

「がんと告げられたとき別の医者に意見を聞く人が増えてきました。しかし勘三郎さんの一件で知れるように、チーム医療は幻想なので、同じ病院で意見を求めるのは危険です。また病院を変えても、同じ診療科目の医者だと、金太郎アメに似て、初診医と同じ意見しか聞けないことになります。大学の系列が違う病院の、別の診療科目の医者を訪ねることが肝腎です。」

近藤誠著「がん治療で殺されない七つの秘訣」(文春新書)より

※勘三郎さんとは、歌舞伎役者の中村勘三郎。2012年6月に食道がんが見つかり、7月に食道の全摘術を受けるも12月に死去。同書では勘三郎の死までの経緯や、手術、治療の是非を問うている。

診療科別のシミュレーション

さて、ここでシミュレーション。

呼吸器内科で肺腺がんステージ1Bの診断を受けて手術を勧められている私が、別の病院へセカンドオピニオンへ行ったら、どんな意見が聞けるか(治療法を勧められるか)。

・呼吸器内科 → C病院の医師と出身大学の同じ医師のいる病院なら、手術。出身大学の異なる医師のいる病院なら、手術か放射線治療か。

・呼吸器外科 → ここは多分、どこも手術。

・腫瘍内科 → 手術のあと抗がん剤をやりましょうと提案されるのかな?

・放射線科 → 基本的に放射線治療。内科や外科の力の強いところだと、(私のように)手術。

・診療科といえるかどうか分からないけど、近藤医師のところのようにセカンドオピニオンを専門に行うクリニック。開業医(長尾医師は一般外来、診察という形でセカンドオピニオンを行っているそうだ) → ケース・バイ・ケースの話が聞けそう。

普通は上の四つの診療科ということになると思うが、別の意見を聞きに行ったつもりが、結局、今の病院と同じ意見しか聞けなかったなんて、無駄足そのもの、意味がない。

セカンドオピニオンを受ける病院と診療科選びが大切なことは分かった。でも、実際のところ、どう選べばいいのか。

近藤医師は、「大学の系列が違う病院の、別の診療科目の医者を訪ねることが肝腎」と書いているが、どの病院がどの大学の系列か、なんて知ってますか?(世間の人は知ってるの? 私が知らないだけ?)

それに、大都市圏には複数の医大、医学部を持つ大学があるから、どこにしようと選ぶこともできるだろうが、県に一つしかないところもある(たとえば愛知県は4大学あるが、近隣の岐阜県や三重県、滋賀県は1大学ずつ)。そういう地域に住む患者は、隣の県の病院に行くしかないのか(違うか。隣の県の医大から医師が送り込まれているということもありますね)。

また、たとえばその患者さんが、まだ幼い子どもがいるとか、寝たきりの家族の面倒を見ているとか、金銭的に余裕がないといった場合、いくら命がかかっているとはいえ、思い願うような理想的なセカンドオピニオンを得るのは難しいかも(時間もお金もかかるから)。

これも一つの医療格差なのかもしれない。何だかなーって感じですが。

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