2015年12月-2 保険金と高額療養費制度

6月にレントゲンで胸に影が見つかり、がんかもしれないと思ったとき、まさかという不安の次に考えたのは、お金のことだ。

「がんの治療っていくらぐらいかかるの? がん保険、入ってないけど大丈夫だろうか」

そして、悪事がひらめく。

「がん保険、今から入れるかな」

まだ、がんと診断を受けたわけではない。健康診断のレントゲンで引っかかっただけ。この状態で保険に加入できないか。

多分ダメですね。私なんかが思いつくくらいだから、きっと保険会社はこういうケースにちゃんと門前払い対策をしているはず(調べたら、やはりそうでした。加入後、約90日⦅責任開始日⦆以内に診断されても保障されないそうです)。ということで、この猿知恵はさっさと頭から払いのけて。

三つの保険に入っていた

私が入っていた保険は三つ。でも二つは共済で、しかも似たようなタイプ。死亡、障害が残ったとき、入院したときなど、広く総合的に保障するもの。どちらかだけでも保障内容が違うもの(入院保障重視とか)に見直そう見直そうと思っていたのに、ずるずると入り続けていた。というのも、30代のときに三叉神経痛で40日間入院したとき、仕事のギャラと同じくらいの保険金が下りたため。この成功体験(?)があったので、まぁそのままでもいいか、と見直すことなく、今まで来ていたのだった。

三つ目は民間の生命保険会社だが、種類は個人年金タイプ。20代で加入したときは(自発的にではなく、母親の友人の保険外交員から勧められて)、よく分からないまま養老保険に入った。30代になって、自分が死んでもお金を残したい人なんていないし、保障が途中で終わることを知って、全然自分に合っていないタイプの保険だということを知り、愕然。

ちょうど会社を辞めて独立したころだったので、個人年金に掛け替えた。数年勤めただけで厚生年金はスズメの涙、でも基礎年金だけでは将来とても暮らしていけない、と思って。これも入院保障はあって、三叉神経痛のときに保険金が出た。

(共済の死亡保障は、自分の葬式代にしてもらうつもりで加入し続けていたというのもある。いろんなことを心配して、手を打ったつもりでいる、20代のころからチマチマしていましたね、自分)

ということで、現在の保険料は、共済二つで月6700円。生保はすでに払い終えています。

高額療養費制度

どうしてがん保険の加入を考えなかったのか。それは、まさか自分ががんになるとは思っていなかったから、に尽きますが、保険は共済だけで十分とか、日本では高額療養費制度があるから大丈夫、という話を聞いていたので、油断していたというのもある。

高額療養費制度というのは、医療費が一定の金額を超えると、国がお金を戻してくれる制度。一定の金額というのは収入によって異なるため、人によって違う。すごくありがたい制度だ。ただ、その一定の金額というのは、1か月単位で計算される。1日から月末までの1か月にかかった金額というのがミソ。

もともとは、手術などで一時的に高額の治療費が必要となった人を救済するために作られた制度だったが、今は高価な薬を長く必要とする人などが増えて、その分、国の負担が跳ね上がって大変なことになっていると聞くが、それはここでは触れません。

それでは、名古屋市立大学病院でセカンドオピニオンを聞いた翌日から、時系列でどうぞ。

保険金が下りるのは一つだけ

9月15日午前中

前日、名市大病院で放射線治療を受けられることが決定。これで保険の話も前に進められる。がん保険なら、がんと診断された時点でお金が下りたのかもしれないが、私はここからがスタートとなる。

「通院で放射線治療を受けますが、保険金は出ますか?」を電話で問合せ。

・共済1は、基本的に出ない。通院の放射線治療では出ないそうだ。

・共済2も、基本的に出ない。ただし例外があって、通院で放射線治療を受けたとき、治療に長時間かかり、病院からの領収書の入院料の項目にチェックがあれば、入院扱いとなることもあるという。→あとで私には該当しないと判明。

・民間生保も、基本的に出ない。ただし放射線量が50グレイ(5000ラド)以上だと手術扱いになって出る。→これ、私は当てはまるかも。

ということで、午後、病院へ。決定したばかりの治療のプランを聞く。64グレイ。保険の対象になる! と、帰宅後すぐに生保へ連絡。でも金額はわずか5万円とのこと。

9月17日

生保から給付金請求のための資料が届く。早い。

9月28日

区役所の保険年金課に電話して、高額療養費の申請方法を聞く。保険年金課から送られてくるハガキと病院の領収書などを区役所に持参し、手続きを行うのだそうだ。

10月7日

放射線治療は10月9日で終了するので、もう持っていってもいいかなと、生保から届いた給付金請求のための資料を、病院の受付へ提出。医師に必要事項を書いてもらって、生保へ送り返すという手順。でも書類を病院から受け取れるのは2週間先だそうだ。「(受け取りに来るのは)次の診察のときでもいいですよ」と言われるが、2か月後になってしまう。暇を見つけて来ないといけない。

11月5日

仕事の都合で、病院へ行けたのは、ほぼ1か月後。書類の発行手数料は3780円。保険金が5万円なので、交通費なども考えると、ホントに微々たるものかと。

11月9日

生保へ申込書を投函。

11月17日

生保から封書が届く。保険金が13日に入金されたとの連絡。投函後、4日目に振り込まれた。対応が早い。それだけ医療費で緊急にお金を必要としている人が多いということなのかも。

12月14日

病院の領収書を整理し、高額療養費を申請するための資料を持って、区役所の保険年金課へ(区役所からいつハガキが届いたかは記録しておらず)。1月下旬に約15万円戻ってくることに。ありがたい。でも、医療費が一定額を超した月は、放射線治療費を一括で払った9月の1か月のみ。C病院でいろんな検査をしたけど、まとめてしておけば、もう1か月分追加できたのにと後悔。まぁそのときは、こんな制度があることを知らなかったから仕方ありませんが。

ということで、私が受け取った保険金と高額療養費を合わせると約20万円。入院と手術をしていない分、金額は伸びません。

6月に健診を受けてから12月に経過観察の検査を受けるまで、肺がんにかかった費用は、検査、治療費からセカンドオピニオン料金、交通費、資料のコピーまで全部含めて40万円ちょっと。その半分がまかなえたことになる。保険で全額カバーできた、という人に比べたら、さみしい収支だ。

しかし、知人で、がん保険や生保の医療特約などを合わせて一千数百万円の保険金を受け取ったという人がいるが、その金額は入院、手術や抗がん剤治療の対価、代償なのですね。そしてその金額を得るため、彼は毎月どれくらいの保険料を払っていたのか。私は手術も抗がん剤も嫌で放射線治療を選んだのに、金額だけを聞いて一瞬でも「うらやましい」と思ったことを恥じました。

→続きです。

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