2016年9月 肺がんの患者会-3

2度目の患者会

初めてピアネットの肺がんの患者会(2016年4月)に出てから半年後。9月下旬に開かれた患者会に出た。

参加者は4月のときより5人ほど多く、女性が半数以上。夫婦での出席が二組、親子が一組いた。

やはりステージや症状はさまざまで、手術が終わったばかりで抗がん剤治療を受けている人、手術後、痛みが取れない人、しびれが続く人、肺から脳に転移してガンマナイフを受けている人などなど。今回は最初に自己紹介をした人が治療を受けている病院名を言ったため、ほかの人も病院名を話すことが多かった。同じような病期でも、病院によって治療方法に違いがあることが意外だった。

今回は、自己紹介で「放射線治療を受けたくて、近藤誠セカンドオピニオン外来へ相談に行った」ことを話せた。治療後ほぼ1年経過したが順調に回復しているし、やはり同じように積極的に放射線治療を選んだ人がいたら話を聞きたかったので。

自己紹介のあと、それぞれが抱える疑問や問題について、別の患者が情報を提供していく。自己紹介で、

「肺がんと診断されたが、ステージはこれから確定する。放射線治療を受けたいと考えている」

と話した女性(仮でSさん)がいた。私が放射線治療を受けたと話したので、その経緯を聞きたいと言われ、定位放射線治療について話し始めたが、話が一区切りしたところでさえぎられた。夫婦で来ていた70代の妻のほうが、

「何で手術しないの? 近藤誠っていい加減なことばっかり言ってる人でしょう。がんは放っておけばいいとか、手術したり薬飲まないほうがいいとか」

場が剣呑な雰囲気になりかけた。するとSさんが、「今は手術しない人が増えている」と援護してくれ、私も「手術と放射線の治療成績は大差ない」と説明した。70代妻から反論はなかったので、「近藤誠、読んだことありますか?」と聞くと、「読んでない」とのこと。

きっと誰も彼も親切心で言っているのだと思う。自分の選んだ治療法は正しい。何でこのヒトはそれを選ばないの? 何で別の方法を選ぶの? 座して死を待つだけの変な人なのかも。正しい道に戻してあげないと・・・。

それとも、自分(家族)が受けた治療法を否定されたような気になるのかもしれない。そんなつもりは毛頭ないとはいえ、不愉快になったら申し訳なく思いますが。

あるいは、70代妻は、女同士の気楽な世間話のつもりだったのかもしれない。「テレビでこんなこと言ってたわよ。おたく、だまされてるんじゃない?」程度のニュアンスで。もし発言したのが自分より年長の男性だったら、彼女はこんなふうに口をはさんだだろうか。

患者会の理想と現実

患者会は情報交換の場であるべきで、意見交換の場であってはいけないと思う。

同じ肺がんでも、ステージが違い、受けた治療法が異なると、分かり合うのは難しい。予後も違う。

たとえば私は3期で開胸手術を受けた患者さんの痛みが分からない。喉が詰まって息が苦しいという患者さんにアドバイスする言葉を持たない。

そういう患者さんも私をどう思っているのか。放射線治療を受けて経過は順調? 何でここに来てるの? と、目障りな存在かも(被害妄想全開?)。

理想を言えば、肺がんの種別(肺腺がんだけ、小細胞肺がんだけ等)とか、ステージ1の人限定とか、胸腔鏡下手術をした人限定とか、抗がん剤の中でも〇〇で治療している人限定とかにしないと、本当に分かり合うなんてできないだろう。でも現実的ではない。

友人からのまた聞きだが、ある病院の患者会は、あらゆる種類のがん患者を一緒くたにするのだそうだ。でも乳房がんの女性が前立腺がんの男性の前で悩みを吐露できるだろうか(逆もしかり)。肺がんの私だって、こんな会には出たくない。

最初は、同じ肺がん患者の声が聞けると期待して参加した患者会だが、いろいろ考えさせられることが多かった。がんとはこうまで個人差があるものか。肺がん患者と一言で言っても、それぞれが抱える苦しみや悩みは似ているものもあれば全くの別物もあり、分かち合うことは難しい。到底一括りにできるものではない。

でも、また出ますが。やっぱり自分と同じような治療を選んだ人に話を聞きたいから。

放射線治療に関心を持つ人も

ちなみに2回目の患者会が終わったあと、二人の患者さんと親しくなって連絡先を交換した。

1人は前回(「2016年4月-3 肺がんの患者会-2」)、「何で切らないの? 全部切った方がすっきりするのに」と言ってきたRさんだった(帰宅後、前回のメモを見てようやく気付いた)。

彼はどの人にもこういう話し方をするようで、現在受けている治療と医師に疑問があって、解決の糸口になればと私にああいう質問をしてきたようだった。もう1人は私と同年配の女性で、やはり放射線治療に関心を抱いたようだった。

それから、放射線治療について、「今は手術しない人が増えている」と援護してくれたSさん。私は彼女の「放射線治療を希望しているが、情報がほしくてここに来た」という言葉を聞いて、このブログを書こうと思い立った(「はじめに」)。Sさんとはこのとき以来会っていないが、その後どうしているか話を聞いてみたい気がする。

※「ピアネット」では3月15日(水)に肺がんの患者会があります。電話、ファクス、メールなどで申し込めます。参加費無料。

→続きです。

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