2017年4月-2 経過観察-7 胸部CTに新たな影

4月25日、名古屋市立大学病院の放射線科で定例の検査。結果を聞きに診察室に入ると、いつものように担当医の笑顔はなかった。

初めて異常が見つかった。

胸部CTの画像に影。そして腫瘍マーカーのCEAが基準値を超えていた。

とうとう転移か。あるいは別物か。

当日までのことを振り返ります。

肺がん1期の転移は2割程度

私の肺がんは、いずれ私自身の命を奪う「本物のがん」なのか、害のない「がんもどき」なのか。近藤誠医師の本にはこうある。

「肺がん、胃がん等、固形がんの多くは、原発病巣を治療してから三年間転移が見られなければ、その後も転移が生じることはまずないと考えられます。(略)では治療前に、「本物」と「もどき」を見分けられないか。(略)たとえば肺がん1期を例にとると、転移して死亡するのは二割程度なので、全体の八割は「もどき」であろう、という程度の事前予測はつきます。」近藤誠著「何度でも言う がんとは決して闘うな」(文春文庫)

肺がん1期(ステージ1B)の私には肺がん特有のばち指の症状があったので、おそらく本物のがん(2割)の可能性が高い。とすれば3年以内に転移をするのか。できれば違っていてほしいが・・・、とずっと願っていた。

それと並行して気になっていたのが、経過観察のたびに受けるCT検査の放射線被ばくだった。前回の経過観察の「2017年1月 経過観察-6 &CTと被ばく量」にそのことを書いたら、tontonさん(肺腺がん1期。手術で治療)から、こんなコメントをいただいた(ありがとうございました)。

「国立がんセンターでは最初の半年は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と検診がありましたが、以降はずっと半年に1回だけ。胸のレントゲンと血液検査、1年目に肝臓のエコーのみで、CTは一度もありません。

理由は早く見つけても意味がないとしか聞いてませんが、実際は肺腺がんは再発転移したら治らないというのが定説みたいですね。すごくショックでした。」

いろんな意味で私もショック。

CTを全く撮っていない病院があるの? しかも国立がん研究センターが? なのに、どうして私の受診している病院では毎回CTの検査があるんだろう。放射線科だから?

CTを受けたくない、せめて回数を減らしたい、あるいはレントゲンにしてほしいと頼んでいいものか。うーん。悩んだ末、担当医に率直な気持ちを(角が立たないように)ぶつけようと決意し、この日の診察に臨んだのだった。

肺がん再発のピークは治療後2年目

血液検査のあと胸部CTの予約時間まで間があったので、病院の図書コーナー(患者情報ライブラリー)で肺がんの本を物色。「国立がん研究センターのがんの本『肺がん』」(小学館)という本を見つけて手に取った。

「国立がん研究センターの場合、治療後しばらくすると、再発の発見が定期検査の目標となり、3か月に1度程度、症状や体調の問診、リンパ節の触診、血液検査(腫瘍マーカー)、胸部X線検査などが行われます。(略)そして年に1度程度、胸部CT検査が行われます。(略)いずれも原発巣周辺のがんの再発を発見するためのものです。」

やはりCTはほとんど行われていないようだ。さらにページをめくると、

「肺がんの再発のピークは治療後2年目で、多くは2年以内に再発し、5年を過ぎると、肺がんの再発は急に減少します。」

という記述を見つけ、どっと気分が重くなる。私はまさに放射線治療後の2年目だ。

ここではコピーを無料で10枚まで取ってもらえるので、あとで読み返したいページのコピーをお願いした。

CT画像に3か所の影

CTの時間になったので撮ってもらい、放射線科の待合室へ。予約時間より1時間遅れで名前を呼ばれる。診察室に入ると、担当医はモニターを凝視している。いつもの柔らかな表情はない。

「様子はどうですか」と聞かれ、

「手のしびれがあるくらいで」といつもの報告。

「腫瘍は小さくなってるんでしょうか。本で見たんですが、治療後の2年目に再発が多いとあって、ちょっと不安で」

医師は手元の紙資料を見て、「長径10ミリ、短径7ミリ」との返事。これまではモニターの画像をマウスで丁寧に測ってくれていたのに、いつもと対応が違う(あとから2016年10月より腫瘍のサイズが大きくなっていると気付いたが、誤差の範囲か)。

担当医は、腫瘍のサイズなどより気になることがあるようで、

「ここ、見えますか?」

とCT画像の一か所を示した。右肺の下部。1センチくらいの白い影がある。マウスで画面をスクロールすると、別の影も。

「ここと、ここにも」

「腫瘍ですか。転移したんでしょうか」

何だか他人事のように聞く。ついに私も来たか。

「まだ分からない。腫瘍ではないと思う。形が丸くない」

「じゃあ何でしょう」

「炎症性腫瘤かもしれない」

「炎症性・・・?」

急いでメモを取る。

CTの用語だそうだ。普通の肺がんの形ではない。影の一つには中に血管があるそうだ。

「がんじゃない?」

「違うと思う。違うといいんだけど・・・」

断定はできない。今の段階では分からない。

CEAも上昇していた

「ただ気になることがある。腫瘍マーカーのCEAが上がっている」

放射線治療後、ずっと基準値内だった数字が、5.6(基準値は5.0以下)になっている。去年は2か3程度だったのが、1月に4.2となり、4月で5.6。そんなに高い数字ではないが、だんだんと上がってきているのが気になるそうだ。

「(影は)次の検査で消えていることもよくあります」

そうであってほしい。次の検査は2か月後の6月になった。

診察が1時間遅れたのは、CTの画像診断に時間がかかったせいかもしれない。CTの放射線被ばくが怖い、などと言っていられない事態になってしまった。大きな手で首の前をぐーっと押さえつけられている気分。

さっきの「国立がん研究センターのがんの本『肺がん』」にはこんな記述もあった。

「肺がんの場合は再発の約80%が遠隔転移による再発といわれています。(略)しかし、遠隔再発を発見しようと思っても、どの部位に再発しているのかはわかりません。(略)それを探し出すために検査を繰り返せば、患者さんに肉体的にも経済的にも大きな負担がかかります。そのため遠隔転移の有無を知る検査は、腫瘍マーカーや血液検査などで異常が見つかった場合(略)に行います。」

CEAが上昇しているのは、別の臓器に転移したがんに反応している可能性もあるということだ。

良性か悪性か

それにしても、1月のCTには何も写っていなかった。炎症性腫瘤として3か月でこんなに大きくなるものだろうか。

結構量が多いと指摘を受ける食事を摂っていても、それほど体重が増えないのは、がん細胞が再び活発になっているせいだったのか。肺がんを告知される前年(2014年)みたいにがくんと体重が下がっていないので、安心していたのだが。

本当に単なる良性の腫瘍だったらいいが、もしこれが本物のがんだったら。今見えている腫瘍は3つだが、きっと次々に出てくるだろう。放射線で治療できるんだろうか。定位放射線治療は原発性で腫瘍が5㎝以内、3個までなら健康保険内で受けられる。でも今回の場合は転移ならダメか。とすると通常の放射線治療? それとも手術か抗がん剤を勧められるのだろうか。

6月まで待っているしかない。なすすべもなく手をこまねいて待つしかない、この所在なさ。そう、今の段階で自分にできることは何もない、身体面では。また本を読んだりネットで情報収集するかな、不安を呼び込まない程度に(これがなかなか難しいのだけれど)。

→続きです。

2017年6月-1 肺がんの患者会-5
先週、肺がんの患者会に参加した(名古屋市がん相談情報サロン「ピアネット」の患者会)。 ピアネットは6月から上前津(
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コメント

  1. tonton より:

    う〜〜〜ん、なんといったらいいのか…私もショックです。
    しかし、素人考えで無責任なことを言ってしまいますが、なんか違うような気もするんです。
    本当に素人がこんなこと言っていいのか分かりませんが、いろいろうちの夫のケースと似ているんです。
    うちの夫も肺に影があり、呼吸器系に強い病院(以前肺炎で入院したことがあるため)で検査を続けているのですが、前回影が少し大きくなったのと、腫瘍マーカーが6.0だったので、pet-ctをやったのですが、結果はシロで、結局経過観察を続けることになったのです。
    しかしpetもこちらからうるさく言って、やっとという感じで、その時の先生のお話が、影の拡大図を指し、「影の真ん中に血管があるのが(ガンと)違う」と言ってました。
    クロエさんとその辺りも似ているな〜と。
    腫瘍マーカーに関しては「肺がんフォーラム」の國頭先生の話では「全く当てにならないので、早くやめたほうがいい」とまで言ってましたし。
    ただ画像からは決定的な診断がつかないのが「肺がん」という病気なので、夫も専門病院でセカンドオピニオンも考えています。
    何はともあれ、再発でないことを私も祈っています。

    • クロエサト より:

      ご主人の症状、確かに私のと似ていますね。そして結果がシロということで、すごく希望がわいてきました。腫瘤の中に血管が通っているというの、あまり見聞きしたことはないのですが、よくあるケースなのかもしれません。
      腫瘍マーカーに一喜一憂するのは無駄というのは、よく聞きますね。とはいえ、数字が上がったと聞いていい気分になるものでもなくて。もういっそ検査を受けるのをやめて、何か症状が出たら病院へ行こうかと考えたり。

      >何はともあれ、再発でないことを私も祈っています。

      ありがとうございます。それにしてもtontonさん、ご夫婦で肺がんの心配をされているのも気がかりかと思います。この先ずっと大事のないことを祈ります。