「肺がんの入門書-1」と「2」にtontonさんからコメントをいただきました。
tontonさんは東京在住の50代女性。2015年秋に肺腺がん1期で手術を受けられています。
(以下、tontonさんのコメント)
「手術を受けたくない患者がどのくらいいるか?の前に、手術以外の方法があること自体、クロエさんのブログを見るまで知りませんでした。」
「(略)放射線療法はもっと知られてもいいはずですね。放射線の設備がないなら分かるけれど、「実績のある主な医療機関リスト」にもたくさん載ってるようですし。「肺がん入門書1」で、「手術で完全切除が可能な人に対して、積極的には放射線治療がすすめられることはありません。」と言う根拠は何なのか?」
放射線という選択肢があることを知らせない
初期の肺がんに放射線治療が積極的に勧められないのは、手術が標準治療とされているから。そしてそれを決めたのは外科医だから、ではないでしょうか。
外科や内科は自分のところの患者を放射線科に回したくないということだと思います。手術と放射線の治療成績はそれほど変わらないか、放射線治療は患者の身体的な負担が少ない分、優れていると分かっていても、自分の仕事を減らして食いっぱぐれるわけにはいかない、という市場原理(保身?)が働いているんじゃないかと思います。
だから初期の肺がんの患者には、放射線治療があることを知らせない。教えたら患者が放射線科に逃げてしまうから。教えるにしても、マイナス面ばっかり強調する。手術のほうがずっとずっと優れていると。
肺がんになった人がまず最初に手に取るであろう、国立がん研究センターが出している冊子「肺がん」からしてそうです。放射線治療の副作用は10行にわたって書かかれているのに、手術の副作用は1行もなし。副作用が多いと世間で認知されている抗がん剤でさえ8行なのに(これも一種の印象操作では?)。
内科と外科に気を使う放射線科
「2015年8月-14 近藤誠セカンドオピニオン外来へ行く-2」でも書きましたが(近藤医師も言っていましたが)、放射線科の医師は呼吸器内科と呼吸器外科にものすごく気を使っています(患者を回してもらえなくなるから)。
私は呼吸器内科から院内紹介で放射線科に移ったのですが、放射線科の医師は迷惑そうで、できるなら私の放射線療法を受けたいという希望を翻意させ、呼吸器内科に戻したいと思っているようでした。
医師から「他科(呼吸器内科)と軋轢を起こさないで」と言われたほど。放射線科医は私(患者)じゃなくて呼吸器内科のほうを向いているんだ、ということを実感した瞬間です。でも、あとから思えば、それだけ放射線科は虐げられてきた歴史が長かったんでしょうねー。
そんなの昔の話かと思っていたのに、実際に肺がん患者になったら、まさに今現在の話。全然進歩していないようで驚きました。
初めから放射線科にかかりましょう
だから放射線治療を希望する患者さんは、最初にどの診療科で診てもらうかが重要。そうじゃないと病院内の診療科の力関係に翻弄されてしまいます。
・初診から放射線科にかかるなら大丈夫。放射線科の医師は他科に遠慮することなく治療に入れるはず(放射線治療が可能な肺がんの場合)。
・初診で呼吸器内科にかかると、なかなか放射線科に回してもらえない(私は手術可能だったので、呼吸器外科に送られそうになった)。
そしていろいろと言葉を尽くして「手術を受けるように」説得されます。その場合の医師はたいてい「自分のことを親身になって考えてくれる、いい先生」です。
(ひどいこといっぱい書いてますね。自分の経験がほとんどですが、いろんな本やネットからの受け売りも混ざってますよー)
続きます。
2017年6月8日(木曜)
〇体重 49.1 〇BMI 18.6 〇体脂肪率 25.7
■朝
豆乳、野菜ジュース
■お昼
チャンポン(ショウガ、タマネギ、人参、エリンギ、小松菜、イカ、ちくわ)、サツマイモのグレープフルーツジュース煮と大納言小豆、ゴーヤーのお浸し(削り節)
■お八つ
飴
■夕飯
卵かけご飯(雑穀入り100グラム、卵)、アサリの味噌汁(ネギ)、塩鮭(ブロッコリー)、根菜の煮物(ゴボウ、人参、タケノコ、コンニャク、丸天、昆布)、セロリの浅漬け(カニかま)、海苔
コメント
病院内の診療科の力関係?
もしあるとしても、それは医師同士の政治的な力関係であって、患者の治療方法にまで影響するものなんでしょうか?
だって国立がんセンターなんて少しでも治癒率あげることが使命だと思うし…
「忖度」ばやりの今日この頃ですが、まさか治療法の選択にまで影響している!?
…にわかには考えたくないものです。
ところで私は近藤医師の著作はちゃんと読んでいないので、意見を言う権利はないのですが、主治医とは何度か話題にしたことがあります。書いてあること(ガンは米粒位の時に転移が始まっている説など)はおそらくそういうことはあるだろうと医師たちは見ていること。ただしあくまで「傾向」を証明された理論のように言ってしまうことは問題、というようなことを言ってました。ガンは個人差が大きく例外もたくさんあることなどを考えると、私もそう感じます。
著作本はタイトルなど、わざと断定的な表現を使っているのでしょうが、その表現方法に少々疑問もあります。断定的だと一種の洗脳効果があると思うので、逆に近藤医師の説以外を聞く耳持たなくなりそうで危険を感じるのです。
ただし放射線治療のメリットは大きいと思うので、それぞれの治療法の長短は公平に説明してほしいですよね。
とはいえ、患者に治療法を選択させることはいいことだと思うものの、あなたが選べ、と言われても正直難しいなぁ〜というのが本音です。
tontonさん、また返事を書こうとすると長くなりそうな、重要な内容を含んだコメントをありがとうございました(笑)。
自分の頭を整理するためにも、別の人の声を聞けることは、すごくありがたく思います。
少し考えてからブログのほうで返事を書きますね(ノロノロしててすみませ〜ん。打てば響くとか当意即妙とか、ホントにあこがれます!)。