3日前の深夜、テレビを付けると面白そうな番組をやっていた。NHK BS世界のドキュメンタリー「プラシーボ ニセ薬のホントの話」(イギリス BBC制作 2014年)(16日午前0時〜)。
鎮痛剤だと言われてビタミン剤を飲んだのに痛みが治まった、などという話を聞く。薬効成分が入っていないのに、プラシーボ(偽薬)で症状が緩和されるのはなぜか。
その仕組みを科学的に解き明かし、現在欧米で行われている研究を紹介していました。
痛みのある患者を2グループに分け、一方には本物の薬、もう一方には偽薬を処方する比較検査。偽薬なのに痛みが緩和する患者がいるが、それは偽薬が鎮痛剤のように作用するからだそうだ。人間の脳は無数の化学物質を作り出すことができるため、本物の薬だと勘違いして、脳が鎮静作用のある化学物質を生み出すとのこと(脳ってすごい)。
偽薬と分かっていても62%に効果が
ということは、薬を本物だと信じていなければ効果がない、ということになるが、実はそうでもないらしい。
ハーバード大学の実験で、「これは偽薬だが、あなたの自然治癒力で治るかもしれない」と薬を処方された80人のうち、62%の患者の痛みが軽減したという。
IBS(過敏性腸症候群)の中年女性は、偽薬を飲んで、痛み、症状が全て消えた。そのため実験後も偽薬を飲み続けたいと願ったが(害がないから)、叶わなかった。偽薬の処方が大学の倫理委員会から3週間しか許可されなかったため。偽薬は店には売っていないので、彼女はもとの薬を服用するしかなかった。笑い話のような、変な話だ。
62%の患者の痛みが軽減した理由だけど、実験を行った研究者は、患者が研究チームの医師たちの診察を受けたり、薬を飲むことで体が何かを認識したのかもしれないと言う。
「何か」はまだ分からないけど、人は優しくされたり大切に扱われたりすると、いい気分になる。そういうことと関係しているんだろうか。
医師の対応で患者の症状が緩和
番組では、医師が患者への接し方を変えるだけでもプラシーボ効果をもたらせるかもしれないという実験を紹介していた。医師から思いやりのある態度で対応されるだけで、62%の患者の症状が緩和されたそうだ。
医師の力って偉大! お医者さんは患者にもっと優しく、思いやりを持って接してほしいものです。
そういえば、里見清一医師が「医者と患者のコミュニケーション論」(新潮新書)で、患者と仲良くなる方法として患者に抱きつくことを挙げていた。確かに普段ハグなんてする機会のない世代は、医師に対して一気に親しみが増して、距離がグッと縮まると思う。
うーん、何か医療って、ぐるっと回って「手当て」に回帰しているんでしょうか。サイエンスの最先端がプリミティブな地平に帰着する、円環構造になってるって、何かSFみたい。
ところで、プラシーボ効果が期待できるのは、痛み以外に、うつ、不眠症、吐き気、注意欠陥障害など。どちらかというと、患者の主観に作用される症状のようです。
偽薬には、骨折を治したり、腫瘍を小さくすることは不可能。つまりがんには効かないようで、残念至極。がんだって自分の細胞なのになー。
6月23日(金)、26日(月)午後5時から再放送されました。
※関連する記事です。
→「ホーソン効果」
→「VRで痛みを軽減」
2017年6月18日(日曜)
〇体重 49.4 〇BMI 18.7 〇体脂肪率 26.2
■朝
豆乳、野菜ジュース
■お昼
焼きそば(タマネギ、キャベツ、シメジ、イカ、目玉焼き)、味噌汁(シイタケ、油揚げ、ネギ)、カボチャ煮
※一昨日、目玉焼きがうまく焼けなかったのでリベンジしてみました。ちょっとよくなったかも。
■お八つ
飴
■夕飯
ご飯(雑穀入り100グラム)、アサリの味噌汁(ネギ)、かき揚げの卵とじ(ネギ)、根菜の煮物(ゴボウ、人参、タケノコ、コンニャク、丸天、昆布)、豆腐とインゲン(甘味噌)
※昨晩揚げたかき揚げが大きすぎたので、卵でとじて別皿に。
コメント
私も録画してあったのを見ました。
面白いですね。プラシーボ効果は脳内に様々な化学物質を作り出すとか。
パーキンソン病のような難しい病気さえ、プラシーボで(短時間だが)効果があったり。
>何か医療って、ぐるっと回って「手当て」に回帰しているんでしょうか。サイエンスの最先端がプリミティブな地平に帰着する、円環構造になってるって、何かSFみたい。
ほんと、そうですね(笑)
子供の頃の「痛いの痛いの飛んでけ〜」は効果ありましたが、ちゃんと理にかなってたんですね。
医学って100%科学とは言い切れない気がするんですよ。
機械を直すのと人間を治すのはやっぱり違うというか、不確定要素が多すぎて、理論から漏れる部分が多いというか。
だから医師は優秀なだけじゃなく、人間力も必要ですよね。
>私も録画してあったのを見ました。
海外のドキュメンタリーって面白いですよね。日本のドキュメンタリーとはテンポや映像の作り方などが全然違って。すごく新鮮に感じることがあります。
>子供の頃の「痛いの痛いの飛んでけ〜」は効果ありましたが、ちゃんと理にかなってたんですね。
本当にそうですね。病は気から、というのは、きっと半分くらい当たっているんでしょうね。
>だから医師は優秀なだけじゃなく、人間力も必要ですよね。
本当なら医師には医療だけに専念してもらいたいと思いますが(ほかのことに気を取られて治療がおろそかになったら怖い)。何か役割分担とかできるといいのに、と思ったりします。