もう10年以上前のこと、ある舞台を見に行ったら学生時代のバイト仲間とばったり会った。同世代の女子大生が多かったバイト先で、彼女はひときわ目立つ美人だった。
20年以上たってもその美貌は衰えず、華やぎの中に年相応の品の良さと落ち着きが加わっていた。
アイナメの煮魚定食
久しぶり、元気だった? せっかくだから食事でもと、劇場近くの魚の専門店へ入った。注文したのは確かアイナメの煮魚定食。薄口で汁が吸いもののように飲めるとあって、二人とも同じメニューに決めた。
夕食には少し遅い時間だったせいか、
「二人分あるかどうか聞いてきます」
と店員が厨房へ確かめにいったところ、最後の二尾が残っているという。
ラッキーと言い合いながら、近況を報告し合ったり昔話に花を咲かせたりして待つこと十数分。
まず一人分のトレイが運ばれてきて、私の前に置かれた。ご飯、味噌汁、煮魚、小鉢、香の物。
あれ、魚の煮汁が濃い。魚の身も煮詰まっているみたい。
次に彼女の分が運ばれてきた。煮汁の色が薄い。身もふんわりしている。
見るからに違う。何これ。
きっと私のはあらかじめ煮ておいたもので、注文が入るたび火を通して出していたのだろう。そして彼女の分は注文が入ってから煮始めた。
何? この差。
「これ、一緒に煮てないよね。ひどくない?」などとは口にしなかった。彼女は気付いているのかいないのか、一目見れば違いが分かると思うのだが、魚の煮えかたの違いなどまるで関心がないようで、舞台の感想を言いながら箸を動かし続けている。
この感覚、以前にも味わったことがある。
美人は死ぬまで得をする
学生時代、彼女と連れだって出かけると、いろんなところで小さな差別を受けた。何でも彼女が優先。熱を帯びた瞳で優しい言葉をかけられ、彼女だけ特別にいいものが渡される。
店員はおそらく無意識に差別をしたのだと思う。美人には煮えたばかりのおいしい魚を、そうじゃないほう(私です)には煮詰まった魚を。
美人は得だ。20代はもちろん40代でもそうなんだから、きっと彼女は死ぬまで得をし続けるんだろう(おそらくそれを当然のこととして、疑問にも思わず)。
今晩の煮魚がちょっと辛くなってしまって、思い出した話。
2018年3月15日(木曜)
〇体重 50.2 〇BMI 19.0 〇体脂肪率 27.2
■朝
豆乳、野菜ジュース
■お昼
2種類の味で食べるお好み焼き(小麦粉、削り節、卵、山芋、ニラ、シメジ、アサリ、イカ、天かす。醤油と酢。ソースとマヨネーズ)、味噌汁(サツマイモ、シメジ、ネギ)、サラダ(カリーノケール、玉ネギ、人参、小豆、チリメン、パプリカ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル、バルサミコビネガー)
■お八つ
ココア。コーヒー、コーンフレーク
■夕飯
雑穀入りご飯(100グラム)、吸い物(ワカメ、人参、豆腐、卵、ネギ)、メバルの煮付け(ショウガ、タケノコ、マイタケ)、根菜の煮物(ゴボウ、レンコン、人参、コンニャク、ちくわ、練り物、昆布)
コメント
あははは、すみません。ちょっと笑ってしまいました。
笑ったのは分かるわ〜ていうのと、もう一つはメバルの顔が先日見た映画の半魚人に似てて(笑)
私も高校時代の友人で、すっごい美人と妙に色気があってモテモテな美人の2人を思い出しました。すっごい美人は人目をひくので、一緒にいると周囲がチラチラ見るんですよ。その程度ならいいのですが、寿司屋のカウンターで2人で話しているのに、板さんが話に割り込んできたり。
もう一人の彼女は同性から見るとちょいデブなんですが、いく先々で男の人が寄ってきて、寝台車で旅行行くときなんか、今から国体に出るというマッチョな一団に取り囲まれ閉口しました。
どちらもそういう時は周りの人が美人しか見てないので、一緒にいる私は透明人間にでもなったような気がしたもんです。
美人は確かに得だけど、知らない人々にまで注目されて面倒くさそう。私が言うと、負け惜しみにしか聞こえませんけどね(笑)
>もう一つはメバルの顔が先日見た映画の半魚人に似てて(笑)
「シェイプ・オブ・ウォーター」を見るとき、注意してみますね(笑)。
>一緒にいる私は透明人間にでもなったような気がしたもんです。
透明人間ならいいんですけど、明らかに容姿で差別されると、ちょっと落ち込むんですよね。
でも容姿にコンプレックスのない人は、こちらの落胆にまるで気付いていない。どうすれば心が平らかになるのか。
>美人は確かに得だけど、知らない人々にまで注目されて面倒くさそう。
なるほど! 今度、街で美人を見かけたらジロジロと見て、溜飲を下げたいと思います(笑)。