「ドクターG+」〜上手な医者のかかり方

先週土曜(7月14日)にオンエアされた「総合診療医ドクターG+(プラス)」(NHK総合)。「ドクターG」は昨年第8シリーズが終わっているので、今回は単発のイレギュラー番組のようです。

最後のほうしか見られなかったが、興味を覚えたので思わず録画ボタンを押してしまいました。

五つのポイント「あいしめせ」

出題者のドクターGは、福井大学医学部附属病院の林寛之医師。マスコミへの露出も多い有名人のようです(私は初めて知った)。

この林医師が、「上手な医者のかかり方」として、患者さんに「あい(愛)しめせ」を実行するよう勧めていた。

「あ」相づちを打つ(医師の話に大きくうなずくと、医師はだんだんいい気持ちになる)

「い」いいところを褒める(医師のいいところを褒める。感謝の言葉は医師にとって一番のご褒美。褒め方は質問形式がいい。「どうして先生はそんなに優しくしてくれるんですか」など)

「し」診断名を言わない(患者は自分から診断名を言わないこと。医師のプライドが傷付く。「風邪です」ではなく「風邪が心配です」などと言う)

「め」メモを取る(1:病気の症状はバラバラに出てくるので、時系列に沿った症状のメモを持っていく。2:医師の話はメモを取りながら聞く。医師はいい加減なことを言えなくなる)

「せ」生活史を語る(医師は臓器だけを見ていることが多い。患者が、病気になると生活や仕事でこんな困った影響が出ますと言うと、医師は放っておけなくなる)

これらを実行すれば、主治医をいい気にさせ、自分の人生に医師を巻き込むことができるそうだ。

心にもないことを言えない

番組を見ているときは「なるほど! 私も実行しよう」と思ったが、文章に起こしているうちに「自分にはハードルが高そう」と不安になってきた。

「あ」「し」「め」はこれまでも実行してきたが、「い」と「せ」は難しい。

本当にありがたいと思っているときは感謝の言葉もすらすら出てくるが、「どうして先生はそんなに腕がいいんですか」みたいな歯の浮くような言葉は気恥ずかしくて言えない。何か下心があるみたいではないですか。

また、生活史は外来の短い時間では説明しきれず、言葉足らずで終わってしまいそう。

コミュニケーションの問題

そもそも心身に不調があるときに、医師にこんなに気を使えるものか。そう、「あいしめせ」とは、患者は医師に気を使え、褒めておだてろということではないか。

しかし、ここでハタと気付く。そうか、これって仕事で相手を持ち上げるのと一緒。交渉でいい条件を引き出すためなら、口べたな私でも多少のおべんちゃらは言います。

同じように、医師からいい治療を受けたかったら多少オーバーにほめましょう、ということでしょうか。

と結論付けると、要はコミュニケーションの問題という点に帰着する。しかし、医師はいろいろ。林医師のように物わかりのいい医師ばかりではない。

医師から嫌われるのが怖い

患者は医師から嫌われたら怖い。好かれたいと思っている。

久坂部羊の「糾弾」(朝日文庫)に、「医療ミスは、医師が患者を嫌っているときにより高率に起こります。(略)医師は嫌いな患者に向き合うとき、無意識に反感を抱き、集中力を低下させてしまう。」とあってゾッとしたことを覚えている。→「久坂部羊「糾弾」─医療ミスと医療事故調査制度

タレントの竹原慎二はテレビで、膀胱がんの治療中、医師から高圧的な言動を取られ、医師に逆らったら殺されるのではないかと不安になった。質問しても満足に答えてもらえず、医師に不信感を抱いたと話していた。→「「クローズアップ現代+」〜“最先端”がん治療トラブル

医師から強気に出られ、頭ごなしにものを言われたら、患者はそれが嫌でも従うか(命に関わるから)、逃げるかしかない。

信頼感があってこそ

私は2015年、C病院で肺がんと診断されたが、標準治療ではない放射線治療を受けたいと言い張ったため、手術を勧める複数の医師たちを怒らせてしまった。その過程で医師に対して徐々に不信感が募り、C病院の医師から治療を受けるのが不安で怖くなっていった。→「2015年8月-5 (12日-2)私、問題患者だったの?-担当医を変えられる」「2015年8月-7 (12日-4)放射線科の二人目の医師

そのためサードオピニオンを受けた病院で放射線治療を受けることが決まったときは、心底ホッとした。

医師に上手にかかるには、まず大前提として目の前の医師を信頼できること。その上で良好なコミュニケーションが成り立つのだと思う(信頼できる医師なら、どれだけでもヨイショしますよー)。

2018年7月19日(木曜)

〇体重 50.3 〇BMI 19.0 〇体脂肪率 26.6

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

焼きビーフン(タマネギ、人参、シメジ、小松菜、エビ、カマボコ)、スープ(ワカメ、マイタケ、ネギ)、甘酢和え(ブロッコリー、金時豆、パプリカ)、じゃこおろし

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

雑穀入りご飯100グラム、カレー鍋(タマネギ、人参、シメジ、小松菜、イカ、カマボコ)、焼きもの(ナス、ズッキーニ、カボチャ、エリンギ。甘味噌)、レンジ卵(ブロッコリー)

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コメント

  1. tonton より:

    「糾弾」を読んだときもゾッとしましたけれど、この記事も色々思い出して冷や汗です。

    私は主治医に「先生、どうしてそんなに怖そうなんですか?」と言って、絶句されたことを思い出しました。(初対面の印象がヤッチャンに見えたことを思い出し)つい口が滑って…見た目は怖いけれど、本当に優しい先生でよかった。

    >まず大前提として目の前の医師を信頼できること

    そうですよ!不信感を持ちながら、嫌われたくなくておべんちゃらが言えるもんですか!患者はただでさえ不安でいっぱいなんですから。

    • クロエサト より:

      主治医の先生、大人物ですねー。tontonさんに邪気がないのを見て取って、おおらかに接してくださったんですよ、きっと。
      そういう医師ばかりならいいけど、そうじゃない人も多い。
      どんな医師に当たるかは、患者にとって賭けみたいなものですよね。
      でも、医師も患者を選べない。
      患者と医師の相性みたいなものがピピッと分かるといいのに。