「クリフトン年代記」─2人のヒロイン

ハリーとエマとジャイルズ

イギリスの作家、ジェフリー・アーチャーの長編「クリフトン年代記」(新潮文庫)をようやく読了しました(図書館で借りました)。全7部でそれぞれ1部が上下巻あるので、計14冊。写真は後半5〜7部の6冊です。

3年前に4部まで読んだきりなので、話を忘れてやしないかと心配したが、ページを開いたとたん懐かしい世界に一気に引き戻された。

主人公は1920年生まれのハリー・クリフトン。貧しいが正義感が強く賢いハリーは、母親の骨折りと本人の努力で進学校に入り、名家出身の親友(ジャイルズ。後に政治家)を得、ジャイルズの妹エマと結ばれ生涯にわたって愛を育むことになる。ハリーは世界的なベストセラー作家に、エマは親から譲られた会社の経営に携わったのち政界入りし、マーガレット・サッチャーの右腕となる。

もちろん敵も多く、事故を装って殺されかけたり、会社を乗っ取られそうになったり、社会的に失脚させられそうになったりと、さまざまな策略や陰謀に巻き込まれる。息もつけない面白さは、まさにアーチャーの独擅場。他の作家の追随を許しません。

最愛の妻が死を望んだら

ここから最終巻についての感想を書きます。これから本を読まれる方はご注意ください。

ハリーと美しく才気煥発なエマは、互いを信頼し尊敬し合う理想的な夫婦。70歳になっても2人は作家と政治家として第一線で活躍していたが、ある日エマが、運動ニューロン疾患で余命は1年〜1年半と告げられる。運動ニューロン疾患というのは、脳の運動神経が侵される病気でALS(筋萎縮性側索硬化症)などが含まれるようです。

エマは徐々に体が動かなくなり、話せなくなり、最後は目(まばたきの回数)でしか意思を表せなくなる。エマが病の告知をされて以来、一切の仕事をやめてつきっきりで世話をしてきたハリーも、エマの容体と歩を合わせるように憔悴していく。

自宅のベッドに横たわり、痛みに耐えながら死を待ち続けるだけのエマは、まばたきでハリーに最後の頼みごとをする。ハリーはそれに応え、エマの顔に枕を押し当てる…。

え? これいいの? 自殺幇助、いや殺人じゃないのか、とびっくりしました。枕を持ち上げたとき、エマはほほ笑んでいたとあったけど、読んでいるときはすんなり受け入れられなかった。

究極の愛?

それがしばらくして、あれは究極の愛の形なのかもしれないと思うようになった。ハリーはどんな形であれエマに生きてもらいたかったはず。でもエマが苦しみ、延命を望まないなら、その希望をかなえるべきだと。

それから、ふと考えた。昔は、死に瀕して苦痛を訴える肉親に対し、家族の誰かが手を下すことはよくあったのかもしれない…。あくまで想像ですが。

さて、エマが死んで9日後、ハリーも息を引き取る。実はハリー自身も前立腺がんに冒されていて手術の予定があったのだが、エマの闘病を優先し、自らの治療を後回しにしていた。そのせいでがんが全身に転移したというのだが、もちろん死因はエマの死による絶望としか思えない。まるで後追い自殺のようです。

勝手な希望だけど、愛妻家の作家なら、ハリーには城山三郎の「そうか、もう君はいないのか」のような本を残してほしかった。

レディ・ヴァージニア

エマが真正のヒロインだとしたら、影のヒロインはレディ・ヴァージニアでしょう。

貴族の娘で気位が高く、贅沢三昧の暮らしを維持するためには他人をだますのもいとわない希代の悪女。ヴァージニアの美貌に目のくらんだジャイルズ(エマの兄)の最初の妻だけど、じきに離婚してくれてほっとします。でもそれを逆恨みして、ジャイルズやハリー夫妻に晩年まで奸計をめぐらす。執念深くてぞっとします。

ヴァージニアは、ジャイルズとの離婚後も上流階級にとどまり続けるため、人をだまし、利用し、運命を狂わせてゆく。これだけ腹黒いと顔が卑しくなってもよさそうなのに、ヴァージニアは最後まで美しく上品な貴婦人として描かれる。

クリフトン年代記には悪人がたくさん出てくるが、男の悪者はどんどん舞台から姿を消していく。殺されたり、自殺に追い込まれたり、イギリスから国外退去を命じられたり。

アーチャーは、人でなしのレディ・ヴァージニアを一体どんな方法で葬り去るのかと期待(?)していたのだが、予想外なことに彼女は最後まで生き延びる。ヴァージニアはエマの合わせ鏡だから、最後まで舞台に残す必要があったのかもしれません。

2019年7月11日(木曜)

〇体重 50.9 〇BMI 19.3 〇体脂肪率 27.3

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

カレーうどん(乾麺80グラム。タマネギ、ニンジン、ブナピー、イカ、オクラ、かまぼこ)、サラダ(ブロッコリー、パプリカ、トマト。甘酢)

※この日の最高気温は22.5度。朝、薄着だったのだけど、手足が冷えてきたので、長袖のリネンシャツとフルレングスのチノパンに着替え、靴下を履いた。7月とは思えない涼しさ。思わずカレーうどんを作ってしまいました。

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

マグロの漬け丼(酢飯100グラム。ネギ)、味噌汁(ワカメ、カボチャ、ブナピー、ズッキーニ)、煮物(大根、ニンジン、コンニャク、がんもどき、ゆで卵)、キムチ納豆(ネギ)、ブドウ

2019年7月12日(金曜)

〇体重 51.2 〇BMI 19.4 〇体脂肪率 27.7

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

冷やし中華(キュウリ、錦糸卵、カニかまぼこ、ミョウガ。甘酢だれ)、焼きもの(ナス、ブナピー、厚揚げ。甘味噌)

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

キムチ炒飯(ご飯100グラム。ネギ、マイタケ、イカ、卵)、ワンタンスープ(シメジ、ニラ)、ゴボウとニンジンのきんぴら(白ごま)、トウモロコシ

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