先週(5月29日)、「がんに効く映画?」という記事をアップしました。抗がん剤治療中のアメリカ女性25人にディズニー映画を見せたところ、見せなかった25人に比べて、感情(緊張や不安など)と疲労感が改善したという研究を紹介したものです。
書いている途中、頭に浮かんだことがある。それは、「改善した理由は、映画の鑑賞の有無じゃなくて、見た女性たちが研究スタッフから特別に扱われたからではないか」ということ。
被験者を2つに分け、「あなた方には映画を見てもらいます。作品はこれ。昔見た? 50年ぶり? 懐かしいですね。モニターの使い方は……」などと扱われるのと、「あなた方はいつもどおりに治療を受けてください。終わったらアンケートを取ります」とだけ言われるのとでは、扱われ方に大きな差があると思う。
つまり、特別扱いしてもらっているという優越感、プライドが気分を良くするのではないか。
優しくされると気分が良くなる
先日読んだ「代替医療解剖」(以前紹介しています。→「代替医療解剖」とプラセボ」)に同じようなことが書いてあったと見直したら、名前が付いていました。「ホーソン効果」。
人は期待されている(注目されている)と思うと、期待に応えようとして知らず知らずいい結果を出してしまうそうだ。これがホーソン効果で、そのため比較試験をする場合には注意が必要だという。
試験(治療)を受ける群と受けない群は全く同等に扱われなければならない。研究者(医師)に期待されている(目をかけられている)と思うと、試験を受ける群は「状態(病気、症状)が改善した(改善したように感じる)」と言いがちなのだそうです。
だからディズニー映画を見た女性たちも、特別扱いしてもらった気分の良さから、緊張や不安が改善したと言ったのかもしれない。
イギリスBBCのドキュメンタリー「プラシーボ ニセ薬のホントの話」でも、医師から思いやりのある態度で対応されるだけで、62%の患者の症状が緩和されたという話があった(以前紹介しています。→「プラシーボ」)
どう扱われるかで人は変わる。人の心の何と単純明快であることか。
京アニ事件の容疑者「優しくされて」
そう、どう扱われるかで人は変わる。劣等感はときにとんでもない事件を引き起こす。
京都アニメーション放火事件の青葉真司容疑者が5月27日に逮捕されたが、治療に当たった医師は大量殺人を犯した容疑者を救命することに葛藤があったそうだ(医師としての使命感と嫌悪感の間で揺れ動くのはうなずける)。しかし容疑者が回復するにつれ無邪気な言葉を聞くことがあり、どう捉えていいのか混乱することもあったという。
容疑者は昨年11月、病院を転院するとき医療スタッフに「人からこんなに優しくしてもらったことは、今までなかった」と感謝したというが、事件前、周囲に優しい人がいたら彼は事件を起こさなかっただろうか。
自業自得で大やけどを負ったことにより、常に誰かに見守られ、世話をしてもらえる状態となり、孤独とも無縁となり、劣等感から解放された容疑者。周囲からの扱われ方が変わったことで、彼はどう変わっていくのか。優しさを知ったことで、自らの罪の大きさを自覚するのでしょうか。
※「京アニ事件容疑者「こんなに優しくされたことなかった」 医療スタッフに感謝、転院前の病院で」(京都新聞 2019年11月5日)※記事は削除されたようです。2020年12月追記。
2020年6月2日(火曜)
〇体重 51.3 〇BMI 19.4 〇体脂肪率 27.7
■朝
豆乳、野菜ジュース
■お昼
天丼(雑穀入りご飯。かき揚げ、ネギ、卵)、味噌汁(人参、ワカメ、シメジ、小松菜)、サーモンのカルパッチョ(タマネギ、ブロッコリー。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)、ブドウ
サーモン、脂がのっています
■お八つ
コーヒー、飴
■夕飯
お好み焼き(小麦粉、山芋、卵、削り節、ニラ、マイタケ、エノキダケ、イカ、天かす)、吸い物(インスタント。ネギ、かまぼこ)、サラダ(ブロッコリー、パプリカ、アスパラガス、オリーブ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)
小麦粉をちょっと控えめにして作りました