久坂部羊「無痛」と「第五番」

新たな疫病が発生〜まるで現在を予見しているよう

ずっと以前から読みたかった久坂部羊著「無痛」と「第五番」(共に幻冬舎)をようやく図書館で借りてきました。「無痛」は2006年発行、続編の「第五番」は2012年発行です。

患者を観察するだけで病名や余命が分かる2人の天災医師(イギリスBBC制作のテレビドラマ「シャーロック」で、ベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロックが人物を一瞥しただけで、その人の癖や嗜好、来歴までも瞬時に読み取る能力に近いものを感じます)。

医師の1人は正義感にあふれているが(妻をがんで亡くしている)、もう1人は野心家で狂信的で、痛覚を持たない青年(描写から想像するにビリケンみたいな感じ?)に治療と称して薬を飲ませ、殺人を犯させる。

2冊はこの3人をメインに話が進むが、「第五番」は新型コロナウイルスが感染拡大している現在の日本を予見しているような内容でうなってしまった。

新たな病は「新型カポジ肉腫」。患者は散発的に発症し、ウイルス感染しているわけではなさそうだが、不安に駆られた日本人は、「道行く人はマスクやゴーグルを着用し、電車のつり革や手すりを持つ人はおらず、エレベーターのボタンもボールペンやティッシュで押す人が増えた。」(本文より)

2020年の日本の風景といってもおかしくない描写で驚きです(さすがにゴーグルはいないが)。

2020年、新型コロナは「第六番」?

タイトルの「第五番」というのは、オーストリア医学界の重鎮が好きなベートーヴェンの交響曲「第5番」(運命)と、5番目の疫病(感染症)のこと。

エボラ出血熱(1967年ドイツ)、エイズ(1981年アメリカ)、狂牛病(1993年イギリス)、サーズ(2002年中国)に続き、小説では5番目が「新型カポジ肉腫」(201X年日本)という設定。この5つはウィーンに本部のある医師の地下組織が、医師の地位向上を目的に、人為的に作ったウイルスを流行させたとする。

現実では、2012年にはマーズ(サウジアラビア)が発生し、2019年には中国で見つかった新型コロナウイルス(COVID-19)が今年2020年、世界的なパンデミックを引き起こしていることを考えると、さしずめ「第五番」はマーズで、「第六番」は新型コロナといったところか。

本を読んでいると、新型コロナも、地下組織の陰謀とまでいわないにしろ、人為的に作られたものだとしても全然不思議じゃない気がしてきます。

2020年11月17日(火曜)

〇体重 51.3 〇BMI 19.4 〇体脂肪率 27.8

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

山菜そば(乾麺80グラム。干しシイタケ、ワカメ、山菜、かまぼこ)、サツマイモのレモン煮、酢ばす、みかん

そばは伸びやすいので、表示時間より短くゆでています

■お八つ

昆布茶

■夕飯

お好み焼き(小麦粉50グラム、鰹節、卵、山芋、ニラ、マイタケ、イカ、天かす。醤油と酢、ソースとマヨネーズ)、味噌汁(ワカメ、エノキダケ、油揚げ、ネギ)、酢ばす、柿

ニラは1/2把、マイタケは1/2パック使用

2020年11月18日(水曜)

〇体重 51.6 〇BMI 19.5 〇体脂肪率 27.9

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

カップ麺(ネギ)、アヒージョ(カリフラワー、エリンギ、ちりめん。ガーリックオイル)、根菜の煮物(ゴボウ、レンコン、人参、コンニャク、丸天、昆布)、みかん

■お八つ

コーヒー、飴。柿ピー

■夕飯

雑穀入りご飯100グラム、ニラと卵の吸い物、厚揚げのキノコあんかけ(シメジ、シイタケ、エノキダケ、ネギ)、サツマイモのレモン煮、酢ばす、柿、梅干し、海苔

サツマイモはこれで終了。また何か煮なくちゃ

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コメント

  1. tonton より:

    コロナますます感染者が増えて、この冬は冬ごもりするしかないかな〜と思っています。
    この2冊、私も読みました。
    「第5番」は今読むと現在の状況を予測したような怖さがありますね。
    小説の方は食品を介した人為的な感染だったんでしたっけ。
    これを読んだ時は、いくらなんでも荒唐無稽すぎると感じましたが、コロナが武漢の研究所から漏れたという説はもちろん否定されましたが、よりによって武漢にウィルス研究所があるって出来過ぎの偶然でモヤモヤが残りました。
    この小説で「医療は疫病が流行り人々が恐怖を感じるときに、最もその社会的地位が高まる、という本質的な矛盾」を語るところが久坂部洋さんの皮肉屋な性格が出てるなぁ〜と(笑)当時は面白く読みました。でも今読んだら、以前読んだ時以上にホラーに感じてしまいそうです。

    • クロエサト より:

      確かにホラーでした。
      最初に患者を診察した皮膚科の医師が自らも感染し、転移を取り除くために次々と手足を切り落とす描写なんかにも、ぞぞぞっとしました。
      今読むとタイムリーですよね。
      新型コロナに続いて、今後新たなウイルスが出てきても不思議じゃないと思わせる怖さがあります。

      >小説の方は食品を介した人為的な感染だったんでしたっけ。
      そうです。ウィーンにある医師の地下組織が作ったウイルスが混入されたヨーグルトでした。

      >久坂部洋さんの皮肉屋な性格が出てる
      随所に出ていましたね(笑)。
      新型カポジ肉腫は、何もせず様子を見ているのが一番。治療をすればするほど全身に転移していくという設定だったし、主人公の医師はがんで死んだ妻に積極的な治療を受けさせなかった(妻も同意していた)。
      作者の現在の過剰ながん治療、医療行為への不信感(?)が出てるなーと思いながら読んでいました。