3月8日(火)
新しい病院へ3回目の通院。
今回も血液検査と診察のみ。CT検査は2020年9月が最後で、1年半受けていないことになる。
採血受付から診察まで1時間半
病院に着き、1階のホールに設置された再来受付機に診察券を通し、出てきた外来受診票(A4用紙)を受け取って採血室へ。採血室の受付機で外来受診票のバーコードを読み取ってもらい番号札を受け取るが、自分の番号はかなり先になる。
実際に採血されるまでに20〜30分。さらに採血後、血液検査の結果が出るまで1時間は見てほしいと言われている。そのため、診察の予約時間の1時間半前には病院に着くようにしている。
採血後、2階に上がり、連絡通路を通って別館の名古屋陽子線治療センターへ。それから1階に下り、陽子線治療科の受付へ向かう。病棟から別館へ2階に上がらず行けるのかもしれないが、今のところ分からない。
陽子線治療科の受付で診察券、健康保険証、外来受診票を見せて、診察の順番が来るのを待つ。待合室の患者は中高年の男性が多く、妻を伴った男性も見かける。
診察を待つまでのこの時間は、いつも落ち着かない。
また肺がんが肺内転移していたら。あるいは別の臓器に遠隔転移していたら。いやいや、体重も減っていないし大丈夫、と自分を落ち着かせようとするが、自分の「大丈夫」は当てにならないことは、自分が一番よく知っている。
本の文字を追っていても何も頭に入ってこない。そわそわしているうちに、予約時間よりも早く診察室に呼ばれた。
CEAが3.0前後なら、まあ安心
腫瘍マーカーのCEAは3.5だった。前回の2.6より上昇。昨年3月の値に戻ってしまった。気落ちしていると、
「3をはさんで行ったり来たりしている。3前後なら、まあ安心」と、担当医。いつもの柔和な表情に慰められる。
ただ、CEAの基準値は5.0以下だが、以前、担当医から「4.0になったら嫌な感じ」と言われているので、4.0に近づいていくと気が気ではない。
がん患者は腫瘍マーカーの数値のわずかな上下にも振り回されるというが、私はまさにその典型だと自嘲する。
–CT検査はしなくていいですか。
「もし、次にCEAが上がったらCTを撮りましょう」
–次の診察は、また5カ月後?
「ちょっと長いかな。3カ月後か4カ月後」
ということで、4カ月後になった。
陽子線治療科の安い患者
診察が終わり、陽子線治療科の受付で外来受診票を渡すと、すぐに計算して料金を教えてくれる。支払いのために自動精算機(1台だけ。患者が少ないので待つことはない)へ向かい、財布からクレジットカードを出していると、背後から「治療費は288万3,000円になります」という受付の女性スタッフの声が聞こえてきた。
思わずこっそり振り向くと、説明を受けていたのは年配の男性患者。
近年、陽子線治療は保険適用となったがん種も増えているが、まだ保険適用外も多い。その場合、先進医療として全額自己負担となる(施設によって異なるが、300万円前後。名古屋陽子線治療センターは288万3,000円)。
この人も先進医療を受けるのか。どこのがんだろう。民間の保険(先進医療特約など)には入っているんだろうか……。
私のこの日の支払いは3,530円。陽子線治療科の中では一番安い患者だろうなと思ったことだった。
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