NHKドラマ「幸運なひと」再放送

主人公は30代、肺腺がんステージ4

3月6日に放送されたNHKドラマ「幸運なひと」が再放送されます。

主人公は肺腺がんステージ4と診断された36歳の中学校体育教師(生田斗真)。34歳の妻(多部未華子)と共に、治療はどうするのか、子どもを作るのかどうか(妊孕性を温存するかどうか)など、さまざまな選択を迫られます。

3月の放送直後にはドラマ制作に協力したがん患者さんを交えた「制作舞台裏」も放送されました。私はドラマの冒頭数分とこの制作舞台裏を見ていないのですが、再放送では新たな編集が加わるそうなので、私が3月に見た範囲の中で抱いた感想(違和感と疑問点も)を書いておきたいと思います。

※ドラマは明日4月4日と11日(夜10時〜)の2回に分けて、制作舞台裏は14日にNHK総合で再放送されます。

セカンドオピニオンは聞かないの?

主人公は呼吸器内科で肺腺がん(肝臓に転移、胸水あり。HER2遺伝子変異陽性)と診断された後、腫瘍内科に移ります。主人公たちはその前に、別の病院へセカンドオピニオンを聞きに行くという発想はなかったのか。腫瘍内科にかかったら薬物療法しか受けられないんじゃないでしょうか。

というのも、同じ非小細胞肺がん(腺がんか扁平上皮がん)ステージ4で余命1〜2年と診断された俳優の小倉一郎が、別の病院で放射線治療を受けたら脳と骨に転移した腫瘍が消え、肺の原発巣は抗がん剤で縮小したという。チャンピオンケースかもしれないけれど、こういうこともあるのです。

ドラマの主人公は腫瘍内科医から、治療した場合の余命の中央値は19.2カ月と言われていたので、がんの進行は小倉一郎と同程度でしょう。主人公ももっと別の病院や医師、治療法を探しても良かったのではないかと思ってしまう。

→今日アップされた記事。「小倉一郎さん肺がんとの闘い「子供たちに伝えたとき、ガマンしていた涙がワーッと」」(4月3日 日刊ゲンダイDIGITAL)

患者会

夫は医師に勧められて患者会に参加しますが、その患者会は全てのがん種が対象のようでした。普通、肺がん患者だったら肺がんの患者会に参加しないでしょうか。肺がんだけでもステージや遺伝子変異等が異なると、同じ肺がん患者といえども分かり合えることは少なくなります。

それともAYA世代の患者会だったのか。でも中年の参加者もいましたが……。

ただ、それまで抗がん剤治療を拒んでいた主人公が、がん患者でも積極的に子どもを持った人の話を聞いて一気に治療に前向きになるため、この患者会は設定上必要だったと思いますが。

代替療法

その後、夫婦はニンジンジュースを飲み始めます。何かせずにはいられない気持ちは分かるけれども、わざわざ代替療法を出す必要があるのかちょっと疑問でした。

担当医の腫瘍内科医は、医学的な意味はないが患者の気持ちが明るくなるなら意味があると容認しますが、この辺って曖昧。高価で怪しげな健康食品とか漢方薬とかを医師に隠れて服用している患者って多いと思うが、それを容認することになりはしないか、と老婆心ながら憂えてしまったのでした(担当医に隠れて服用するのはやめましょう。本来の薬の作用を悪化させる可能性もあります)。

脱毛

ドラマの主人公は抗がん剤の影響で脱毛することをすごく気にしていた。脱毛は女性だけでなく男性も同じように抵抗感を持つが、まだ若い30代だったらなおさらでしょう。

主人公は実際に抗がん剤の副作用で脱毛するが、それは脱毛が起こる程度が大きい抗がん剤(ドラマではパクリタキセルとカルボプラチン)を投与されたため。全ての肺がん患者が脱毛すると思われないかと、ひやりとしました。

実際、小倉一郎が受けた抗がん剤では、脱毛も吐き気もなかったとあります。

肺がんの生存率

そして肺腺がんステージ4でも5年生存率はゼロではないのに、主人公が死ぬ前提で夫婦が会話しているシーン。以前「医療ドラマで描かれる生存率の低そうな病気」にも書きましたが、生存率が伸びているとはいえ、肺がんは今もドラマの中で登場人物を死なせても違和感を持たれないがん種と目されているのでしょうね。

などなど、肺がんサバイバーとしては思うところの多いドラマでした。

共感と違和感

夫婦が初めて腫瘍内科の診察を受けた時、医師が薬の名称を立て板に水のごとく話すのを見て、私もそうだった、今も変わってないんだなと、苦々しく、そして懐かしく思い出しました。一方、違和感を感じることも多かった。

何でだろうと考えると、おそらくがん患者は自分の経験と比較しながらドラマを見ているため、見た人の数だけ違和感があるんじゃないか。このドラマは多くのがん患者の声が反映されているようなので、いろんな人の意見を薄く取り入れると、全ての人の満足度は高くならないということの典型なのかもしれないと思ったのでした。

とはいえ、がんの診断後、多くの患者が直面するであろうさまざまな事柄(小見出し参照)を盛り込んであるのには感心しました。

明日の再放送が3月の放送とどう変わっているのか。楽しみに見たいと思います。

2023年4月3日(月曜)

〇体重 50.1 〇BMI 19.0 〇体脂肪率 26.5

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ラーメン(生麺100グラム。ネギ、かまぼこ、メンマ)、厚揚げとズッキーニ(甘味噌)、根菜の煮物(ゴボウ、人参、タケノコ、コンニャク、野菜天、昆布)、はっさく

久々に味噌田楽を食べたくなりました

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

雑穀入りご飯100グラム、中華スープ(人参、タマネギ、シメジ、ニラ)、麻婆豆腐(タケノコ、シメジ、ネギ、イカ、豆腐半丁)、サツマイモのレモン煮、リンゴ

麻婆豆腐にも赤味噌を使っています

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