右胸の腫瘍は非浸潤がん
11月9日、豊橋のH病院から帰宅後、名古屋のG病院乳腺外科の医師から自宅に電話がかかってきた。右胸の腫瘍の組織診の検査結果が出たので、わざわざ連絡してくれたという。
結果は非浸潤がん。両胸揃って乳がん確定か。何の因果でと思ったが、浸潤がんじゃなかっただけ、せめてもの救いか。
翌週の14日にサブタイプの結果が出るので、聞きに行くことにする。
夜、入浴前に鏡を見ると、左腕の肘の内側に採血の注射跡(今日と2日前の分2つ)、右腕の前腕にMRIの造影剤の注射跡、右胸に組織診の針の跡のシール、そして右胸と右半身の広範囲にうっすらと皮下出血。まだ治療は始まっていないのに、すでに満身創痍の様相だ。
しかし皮下出血はこの後さらにひどくなった。皮下出血は重力によって下がるため、立っていると下、寝ていると体の後ろのほうに流れていくそうで、乳房の下方、右腋からその下一帯が赤紫色に変色した。体の中でこんなに出血しているのかと思うと怖かった。
11月10日
H病院のハイパーサーミア外来から電話。治療は11月23日の午前中に外来、夕方に治療。以降同じ曜日に計4回治療を行うという。
大量に汗をかくため、タオル、替えの下着(ショーツ)、水分(500ccのペットボトル1本)を持ってくるよう言われる。
ハイパーサーミアは近藤誠医師やロシア語通訳で作家の米原万里(卵巣がんで2006年に死去)が否定的なことを書いていたので、できれば受けたくなかったが、放射線治療の効果が上がると言われたら、きっぱりと断るだけの勇気はなかった。患者の立場は弱いと実感する。受け入れるしかないかと諦めの境地。
体重減少と体の変化
組織診をしたためか、右胸が腫れてきて左胸と同じくらいの大きさになった。また、右腕を上げると組織診の注射をした辺りが痛んだ。
長年、入浴前に軽いストレッチをするのを習慣にしているが、痛みのせいで腕立て伏せとアームレッグクロスレイズができない。
今年は体重減少が著しく、1カ月に500グラム程度の割合で減っていた。腕(肘窩から二の腕の内側)やお腹、太もも内側の皮膚がたるんで、しわしわになってきた。これまで通りちゃんと食べているつもりなのにやせていく。
以前、バセドウ病で急激に体重が落ちた時と似ているが、今は甲状腺は腫れていない。乳がんではやせないと言われたが、では一体何が原因なのか。
実はもう乳がん末期で、やせたのは悪液質のせいではないか。
川島なお美(肝内胆管がんで2017年に死去)が死の数週間前、悪液質のためがりがりにやせているのにドレスアップしていた姿を思い出す。頬がそげ、目が落ちくぼみ、むき出しの腕は棒のよう。このまま体重が落ち続けたら、私もいずれはあんなやせ細った体になるのか。
肺がんの時も体重が減ってやせたが、減り方は今より緩やかだった。そして放射線治療を受けたら、徐々に体重は戻っていった。今回も乳がんの治療を受ければ、徐々に戻るのだろうか。乳がんでは体重減少はないため、あまり期待しないほうがいいのか。
疑問と不安ばかりが募る。