2023年11月-4 左はステージ2A、右はステージ0

右胸の腫瘍のサブタイプ判明、二次がんの可能性

11月14日

G病院の乳腺外科へ、右胸の腫瘍のサブタイプの検査結果を聞きに行く。

結果は、トリプルネガティブに近い非浸潤がん。HER2の評価なしのため、いずれにしても通常の薬物療法はできないそうだ。この時点でのまとめ。

左胸の腫瘍は2.7㎝でステージ2A。転移なし。浸潤がんでトリプルネガティブ。

右胸の腫瘍は1.6㎝でステージ0。転移なし。トリプルネガティブに近い非浸潤がん。

ただ、左はもし他臓器に転移していたらステージ4になり手術はできない。今後、転移する可能性は10%弱ある。右は転移の可能性は2%。

乳がんはステージ3までが初期だという。肺がんの場合ステージ3というとかなり進行しているので、乳がんと肺がんとはずいぶん違う。

私は過去に肺がんの放射線治療で64と66グレイ、合計130グレイ照射している。さらにCT検査も何度もしており、放射線はたくさん浴びている。そのせいで乳がんになった可能性はあるかと聞くと、

「二次がんになる可能性は2〜3%と多くない。また二次がんの場合でも治療法は変わらない」そうだ。

薬物だけの治療

G病院のがん相談支援センターでもらってきた国立がん研究センターのパンフレット「乳がん」と、乳腺クリニックで受け取った乳がんのパンフレットを見ながら質問していたら、医師は「こういうのもある」とわざわざ3冊の薬のパンフレットを持って来て、最初から薬物だけで治療する薬物療法について教えてくれた。

持参していった2冊。右の「乳がん」は、国立がん研究センターがん情報サービス「乳がん」の情報をコンパクトにまとめたもの。

左は乳腺クリニックでもらったパンフレット。製薬会社のアストラゼネカ発行。最初のほうに遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の解説が7ページにわたって載っていて、すごい違和感がある。

こんな初歩的な2冊でも、医師にはちゃんと勉強していると思われたのかも。

医師がくれた3冊。

その薬物療法は、抗がん剤のカルボプラチンとパクリタキセル、そして免疫チェックポイント阻害剤のキイトルーダを交互に投与し、トータルで半年かかる治療で、どうしても手術を受けたくないという乳がん患者に勧めているという。トリネガでも60〜80%は治癒するため、最近は結構取り入れられている治療法だそうだ。

驚いた。乳がんを最初から薬物療法で治療する方法があったなんて。

肺がんの時も、治療はまず手術ありきで、放射線治療という選択肢があることを医師は教えてくれなかった。乳がんもまず手術ありきで、患者が自ら希望を言い募らなければ、ベルトコンベアに乗せられてしまうのか。

思わず、病院って外科の力が強いですねと皮肉めいた言葉が口をついて出た。医師は私も外科ですけどねと苦笑いした後、切らずにすむならそれに越したことはない。治療法はこれから変わっていくかもしれないと話してくれた。

帰りの地下鉄の中でもらった薬のパンフレットを見たら、副作用がてんこ盛りで怖かった。

がんの治療は結局どれも(薬物も手術も放射線も)毒をもって毒を制すばかりだと改めて実感した。光免疫療法だけは別だと思いたいが(治療の対象となるがん種がもっと増えることを祈る)。

初めて抗がん剤のTS-1を服用

翌日からの放射線治療のため、初めてTS-1を2錠服用する。食後に水で一気に流し込んだが、甘くてお菓子のよう。抗がん剤の毒性を甘味でカモフラージュしているという印象。

最初から色眼鏡で見ているものだから、すぐに胃がむかむかしてきて、お腹が下るような感触がある。おそらくTS-1のパンフレットの副作用のページばかり読んでいるせいで、精神的なものだと思うが。

薬は朝と夜の食後に服用する。私は長年、朝食は飲み物(豆乳と野菜ジュース)だけで固形物を食べる習慣がなかったが、体重減少が気になって10月下旬辺りからできるだけ朝ご飯を取るようになった。TS-1を服用する限り、朝食は習慣化しなければ。

最初はサンドイッチなどをこしらえていたが、手間がかかるしだんだんと味に飽きてきたので、バナナを食べるようになった。

TS-1を飲み終えてからも、朝にバナナを食べる習慣は続いている。

マスクのこと

この年(2023年)3月13日から、新型コロナウイルスの流行が落ち着いたため、マスクの着用は原則個人の自主的な判断に任せるという厚労省のお達しが出た。

しかし医療機関では依然マスク着用が義務だったので、検査や治療で通院したクリニックや病院では常にマスクを付けていた。

怖いのは人ごみだ。駅や電車の中でもマスクを外している人が多くなった。遠方まで通院するために、そんな人たちと同じ空間にいなければならないのは不安だった。

抗がん剤を飲み始めると免疫力が落ちると聞く。さらに以前の放射線治療では倦怠感が強く出て、体力が落ちた。本格的に治療が始まったら、自分の体がどう反応するか予想が付かなかった。外出する時はマスクを外せなかった。

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