2023年11月-5 放射線治療、いよいよ開始

トモセラピーで治療

放射線治療(IMRT=強度変調放射線治療)は計23回で、3段階に分けて行われる。

第1段階(最初の8回)は機器を回しながら乳房全体に放射線を照射する。第2段階(次の8回)は左右別々に固定して当てる。第3段階(最後の7回)は病変へピンポイントで当てるという計画で、照射の方法によってメリット、デメリットがあるそうだ。

11月15日

放射線治療初日。放射線治療は基本的に午後からだが、トモセラピー(IMRT=強度変調放射線治療専用の放射線治療装置。CTに似ている)の空き具合によって午前中に予定されていることがある。

この日は初日のため、病院へは余裕を持って早めに到着したが、トモセラピーはびっしり予約が入っているようで、ずいぶんと待たされた。ただ2回目以降はそれほどでもなかったので、日によって混み具合が違うようだ。

放射線治療室に入ると、部屋の中央にトモセラピーが鎮座している。壁沿いにカーテンで仕切れる着替え用の小さなスペースがあるので、そこで上半身脱いで胸をタオルで覆い、トモセラピーの上に用意された型(9日に作ってもらった)の中に横たわり(ここでタオルははがされる)、両腕を上げる。

この時点で、看護師か放射線技師から右手に緊急用のブザーを持たされる。何かあった時のためにスタッフを呼び出すためだ(治療が全て終わるまで一度も押したことはなかった)。

次にCTの位置合わせ(放射線の照射位置とマジックで書かれた皮膚マークが合うかをチェック)のためにドーム型の装置に送られて5分。いったん外に出されて調整に5分。OKなら再度ドームに入って放射線治療を10分行う。

ドームの中では遠くで海鳥が鳴いているような音が聞こえてくる。しばらくすると、金網のフェンスを落ち葉掃除に使う竹の熊手でガリガリと引っかいているような音に代わる。ガリガリ音は不規則に回転し続け、機器が回転しながら乳房全体に放射線を当てている音なのかと思う。

治療自体は装置の上に横になっているだけなので、痛みもなくスムーズに終わった。

治療後に吐き気

2015年に肺がんで初めてSRT(定位放射線治療)を受けた時、治療後に体がギシギシときしみ、全身がバラバラになりそうで、すごくしんどかった。今回のIMRT(強度変調放射線治療)でもそんなことになったらどうしようと心配していたが、取り越し苦労だった。

ただ、治療途中から右腕がしびれてきて、腕を動かしてしびれない体勢を取りたいのに、じっとしていなければならないのがつらかった。原因は、型を作った時にもうこれでいいかと安易に妥協したせいだが、こんなことでブザーを押して治療を中断するわけにはいかない。じんじんとしたしびれは治療後もしばらく残った。2回以降、治療前にはどうすればしびれない体勢を取るかばかり考えていた。

この1点を除けば、SRTよりIMRTのほうが体は楽だった。と思っていたら、異変は時間を置いて現れた。帰りの電車の中で急に吐き気に襲われたのだ。

放射線治療のせいか、TS-1の副作用か、電車で文庫本を読んでいたので車酔いしたのか、朝軽く食べたきりのため空腹のせいで気持ち悪くなったのか。

酸っぱいものがこみ上げてくるのを何とかこらえ、駅に着くやトイレに駆け込んだが、吐くまでには至らなかった。帰宅後ソファに横になったら眠ってしまったが、起きた後も胃腸のむかむかした感じは続いていた。

TS-1のパンフレットを見ると「腸の粘膜が薬により傷害を受け、下痢が起こることがあります」とある。吐き気がするならやめてもいいとは書いていないが、このまま薬を飲み続けていいものか。

取りあえずこの夜と翌朝の分は服用して、翌日、病院で聞くことにする。食後に薬を飲まなければならないと思うと、食べることが憂うつになってくる。

この日の治療費はトモセラピー初日のためだろう、3万160円と高めだった。

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