右腕が痛い
11月16日
放射線治療2日目。放射線治療中からまた右腕がしびれ始め、終わる頃には感覚がなくなっていた。治療後、H病院の主治医につらさを訴える。
–右腕が痛くて我慢できず、治療中に腕を動かしたくなってくる。型を作り替えることはできないか。
「放射線の位置がずれてくるので、できたらこのまま続けてほしい」
確かに軽々に受け入れた私の自業自得です……。
「また型を新たに作っていたら、時間がかかって治療が遅れる。トモセラピーは年明けに入れ替えるため、年内中に治療を終わらせたい」
だからG病院の担当医は治療のスケジュールを早めに組んだんですねと納得していると、
「そうではなく、左胸の腫瘍の顔つきが良くないため、少しでも早く治療した方がいいと判断して予定を組んだ」そうだ。
私はそもそもトリネガだし、腫瘍の悪性度は高いのに、スムーズに治療に入れて慢心してしまったのかもしれない。改めてがんの深刻さを突きつけられた心持ちだ。
腕のしびれについては、「神経障害が残ると怖い」とショッキングなことを言われた。ビタミンBを摂取するといいと勧められたが、サプリメントはできるだけ服用したくないので、食事から取りますと言って薬の処方は断った。
この日の請求額は約1万円だが、実際に支払ったのは約3500円だった。H病院での私の医療費が自己負担限度額に達して、高額療養費制度が適用されたためだ。明日から月末まで支払いはゼロになる。月が改まって12月になったら、また限度額に達するまで払うことになる。
翌日のことになるが、支払いがゼロのため、精算の窓口で診療明細書と領収書は必要かと聞かれたが、出してほしいと頼んだ。保険請求や医療費控除を申請する時に必要になるかもしれないし、何より記録魔の私は資料はできるだけ多く揃えておきたい性分のためだ。
TS-1、最初の休薬
11月17日
放射線治療3日目。朝、目覚めると吐き気。我慢して朝食後にTS-1を服用する。
吐き気がひどいので、出張中の担当医にメールで相談すると、TS-1の服用と両側乳房の放射線治療を同時に行っていることが影響しているのかもしれない。週末は休薬となるので楽になるはず。できるだけ頑張って飲み続けてくださいと返信が来た。
H病院の看護師にも相談したが、やはり頑張ってと励まされるばかり。TS-1を途中でやめるという選択肢はないようだ。
途中でやめてしまうと、TS-1が本当に放射線治療の効果を上げているのか比較ができなくなるため? そのデータのために励まされているのではないかと勘ぐってしまった。治療に必要だと頭では分かっていても、体調が悪いので何に対しても懐疑的になってしまう。
電車の中で吐き気がしたら途中下車したくなるかもしれないと、行きは予定より1本早めの電車に乗ったが、終着駅まで乗り続けることができた。
今日は金曜なので、今日の夜から日曜朝まで休薬となる。嬉しい。
11月18日
土曜で治療は休日。朝、思ったほど薬は抜けていない気がする。胃の下の辺りに違和感、不快感。下痢の予兆のような感覚は終日続いた。
この日は1週間ぶりのバイトで、動き回ったせいか、さらに気持ちが悪くなり、めまいがしてくる。倒れるんじゃないか、このまま続けることはできるだろうかと心配になる。
土日はTS-1を飲まなくていいとはいえ、すでに薬の毒性は体内に蓄積して、異変を引き起こしているような感覚がある。食欲が落ちて、体重は45キロ台が続く。
11月19日
休薬2日目。従来の仕事(在宅ワーク)を終えてからバイトへ。帰宅後、再びTS-1を服用。気持ち悪くなるのが分かっていて服用しなければならないと思うと、憂うつでしかない。