11月20日
放射線治療4日目。今日から再び豊橋へ。
電車に乗ると車酔いのような吐き気に襲われる。手元で何か読んだりしようものなら、胃の中で吐瀉物の生成が活発になってくるため、窓から遠くを見てやり過ごすことにする。
帰りの電車にニット帽を忘れてしまう。帰宅後、名鉄に問い合わせると、帽子は犬山まで行ってしまったことが分かり、着払いで送ってもらうことにした。
11月21日
放射線治療5日目。この日の治療は午前中で、お昼を作るのが面倒だったのと、さっぱりしたものが食べたくて、帰りにスーパーで助六を買って帰宅。
翌日は初めてのハイパーサーミア。替えのショーツ、タオル、ペットボトルのお茶を用意する。いつも通院にはラーケンのアルミボトルにお茶を詰めていくが、それとは別に500ccのペットボトルを用意した。
ハイパーサーミア外来で治療の説明
11月22日
この日はH病院での予定が午前中から夕方まで詰まっている。
午前中はハイパーサーミア外来とオリエンテーション、午後から担当医の診察、トモセラピーで放射線治療、夕方からハイパーサーミアで温熱療法というスケジュール。
まずハイパーサーミア外来で治療の説明を受ける。
がん細胞は熱に弱いため、体の外から高周波電流を流して患部の温度を上げ、がん細胞だけを死滅させるというのが温熱療法。放射線治療や抗がん剤の感度を上げるために行う。
患部に水分の入ったパックを上から乗せて徐々に温度を上げ、トータルで40分加温する。がん細胞は42度で死滅するため、43度まで加温するのが目標。
副作用としては痛みややけどがある。乳房は脂肪組織が多く熱に弱いため、痛みが出て脂肪硬結というしこり、固まりを作ってしまうことがある。脂肪硬結ができる可能性は20〜30%などの説明を受けた。
久々に担当医の診察
午後は帰国した担当医の診察。
私は14日、G病院の乳腺外科の医師から手術の代替治療となる薬物療法(抗がん剤と免疫チェックポイント阻害剤)を勧められたが、担当医は放射線治療が終わった後、その薬物療法を試してみないかと提案してきた。
現在行っている放射線治療治だけでは心許ないから、別の治療で補強したいということだろうか。以前言われた「楽観はできない」という言葉がよみがえる。
でもTS-1でこんなに気持ち悪いのに、もっと強い抗がん剤なんて考えられなかった。TS-1も軽いほうにしてほしいくらいと言ったら、現在服用している25mgから20mgの錠剤に変更してもらえることになった。
残った25mgの錠剤は、20mgを飲み終わった後に服用したため、処方された薬は最終的に全て飲みきったことになる(その頃には吐き気もほとんどなくなっていた)。
薬物療法を回避したことを後で後悔することにならないといいのだけど。
放射線治療は6日目。特に変わりはなし。
初のハイパーサーミア治療
その後、初めてのハイパーサーミア。外来の診察室とは別のフロアに温熱療法を受ける部屋がある。
まず看護師に体温、血圧、脈拍、酸素飽和度等を測ってもらった後、検査着に着替え、装置(治療台)の置かれた部屋へ。
台の上に仰向けに乗って検査着を取り、治療を行わない部分はバスタオルで覆ってもらう。患部(私の場合は腫瘍の大きい左胸だけ)にゼリーを塗ってもらい、水分の入ったパックが下りてくる。パックは大体20分かけて徐々に温度を上げていき、40度以上になったらそのまま20分キープという形。
目標は43度と聞いていたが、冬場のお風呂は43〜44度に設定しているので、ハイパーサーミアの43度というのはそれほど高い温度という気はしなかったが、40度以上のパックがずっと密着していると、結構熱い。
治療室には常時、3人の看護師がいるので、熱いと訴えると、パックの温度を下げてくれたり、小さな扇風機を顔に当ててくれたり、タオルをずらして体に熱がこもらないようにするなど、細かく調整してくれた。
私は元々汗っかきで、バケツの水を頭からかぶったくらい全身汗びっしょりになるかと心配していたが、丁寧な対処のおかげで鼻の頭に汗をかいた程度だった。喉も乾かなかったので、治療室に持ち込んだお茶も飲ませてもらうことはなかった。
40分が過ぎて治療は終了。最初に塗られたゼリーを拭き取ってもらい、再びバイタルを測定して終了。
40分間、患者は同じ姿勢でじっとしていなければならないため、CDを持ってくれば好きな音楽や落語などを流してくれるそうだ。
私は看護師さんたちとのおしゃべりが楽しくて、2回目以降もわざわざ音源は持っていかなかった。
豊橋を観光
この日はお昼に時間が空くので、市電に乗って吉田城へ行き、家から持参したおにぎりを食べてきた。
普段はなかなか豊橋まで来られないが、せっかく豊橋までの定期券があるのだから、治療の合間を縫って近隣を観光しようと計画。看護師さんにお勧めの観光スポットを聞いて参考にした。
※
11月23日
祝日のため治療はなし。22日夜と23日朝のTS-1の服用はなし。在宅ワークで一日が終わる。
11月24日
放射線治療7日目。病院から帰宅後、食事を作り、レンタルDVDの「生きる LIVING」を見た後、疲れきってソファに横になったら眠ってしまった。夜中に起き出して、メールの確認、洗面、着替えてベッドイン。起きたら朝9時過ぎ。トータルで10時間以上眠ってしまった。
「生きる LIVING」は余命半年と診断されたがん患者が主人公。私はがんと診断されても、(恥ずかしながら)自分のためにしか時間を使っていない。余命宣告されたら行動が変わってくるのだろうか。
24日金曜夜から26日日曜朝まで休薬。週末の25〜26日はバイト。