右胸にしわを発見
4月の下旬、洗面所の鏡に上半身を映したら、右胸にちりめんのようなしわがあるのを見つけた。右鎖骨の5センチほど下に幅4センチ、長さ7センチほどの葉っぱを斜めに置いたような形で、しわが広がっている。
色は他と変わらず、触れても痛みはないが、ちょっとヒリヒリするような感触がある(ヒリヒリ感は左の胸にもある)。
これは何か。ずっと続くチクチクした胸の痛みの原因はこれだったのか。もしかしたら放射線治療の副作用だろうか。
この辺りは肺がんの時に2回、乳がんで1回、放射線を当てている。去年までは何もなかったと思うが、放射線治療も3度目となると、何かしら異常が出てくるのだろうか。そういえば乳がんの治療後、右脇腹にほくろが2つできた。でもほくろは放射線を照射した位置から遠い。単なる加齢現象なのか。
多形皮膚萎縮
5月2日、皮膚科の予約日だったので皮膚科医に聞いてみた。すると多形皮膚萎縮(たけいひふいしゅく)という初めて聞く病名を告げられた。原因は放射線治療かと聞くと、そうかもしれないし年齢のせいかもしれないと言う。
特に治療法はないようで、ちゃんと保湿を続けるようにとだけ言われた。以前から風呂上がりにオリーブオイルを塗っているが、それで間違っていないそうだ。
家に戻って調べてみると、多形皮膚萎縮はさまざまな病気に付随して起きる病気で、皮膚が薄くなる(菲薄化)などの症状が出るという。
胸は依然としてチクチクする。特に両腕を上げた時、両胸の上側と二の腕の上側(上腕二頭筋)が引っ張られる感覚がある。やっぱり乳がんが再発や転移しているのではないか。いやいや、これは皮膚や筋肉が線維化しているだけ。そう言い聞かせるが、半分信じていない自分がいる。
肺がんは寛解、乳がんは再燃の可能性も
5月27日
定期検査で西部医療センターの陽子線治療科へ。
血液検査と造影CTの結果は問題なしだった。検査前にいや増していく不安と、診察で異常なしと告げられた時の解放感の落差。毎回繰り返される儀式に我ながら疲れる。
担当医からは、左胸内側の腫瘍は塊のようなものがなくなり、まだ造影されているが前回よりかなり薄くなった。正常な組織と近くなり、通常の乳腺組織とはわずかな差だと言われた。
造影CTの画像で他の臓器も見てもらうと、リンパ節も肝臓も副腎も骨もきれいで大丈夫だそうだ。
初めて肺がんの治療を受けてから丸10年、転移からも8年経過したので寛解したと言える。ただ完治とは言えないという。
驚いたことに、乳がんも寛解していると言えるそうだ(現在問題がなく、軽快しているという意味か)。しかし再燃するかもしれないそうで、この先も不安は抱え続けていかなくてはならないのだろう。
疑問点を2つ質問してみた。
–胸のチクチク感は依然続いている。これは皮膚や筋肉が収縮しているためか。
「もう線維化は終わっているはず。理由は分からない」
–右胸に多形皮膚萎縮ができた。放射線治療と関係があるか。
担当医は胸のしわを見て「毛細血管拡張? いや違うか。がんの治療と関係があるかもしれないが、分からない。気になる?」
–以前になかったものができたとなると、やっぱり気になります。
ベテランの放射線科医でも、放射線治療で多形皮膚萎縮ができたという例は聞いたことはないようだった。となると、これは一体何か。やはり老化現象か……。
手術が嫌で放射線治療を選択
診察の途中、担当医がインタビューを受けたというYouTubeのチャンネル名を教えてもらった。
私は肺がんも乳がんも最初の医師からは手術を勧められたが、体にメスを入れるのが嫌で放射線治療を選択した。切りたくないという人は選択肢の一つとして参考にしてもらえればと思う。13:00から乳がんの話になります。
「成田記念陽子線センター 芝本雄太先生の紹介です。放射線治療の名医に最新情報を教えてもらいました!」
血液検査結果は問題なし
<血液検査結果の推移>(放射線治療は2023年11月15日〜12月18日。TS-1の服用は11月14日〜2024年2月7日)日付け後の※は豊橋の成田記念病院。それ以外は名古屋の西部医療センター。基準値は西部医療センターの数値。
血液検査の項目に乳がんの腫瘍マーカーCA15-3を頼んで追加してもらったせいか、支払金額がいつもは1万850円なのに1万1490円と上がってしまった。
検査結果自体は問題がなく一安心。
コメント
肺がんの寛解おめでとうございます。
お互い10年目ですね。
乳がんの方はやや微妙ですが、がん専門医は少しでもあやしい時は「寛解」という言葉を避けると思うので、専門家から見て見通しが明るいのだと思います。
皮膚に関しては、私も最近、顔がかゆくて、日光アレルギーだと思い、出かける時に西部劇に出てくる列車強盗みたいないでたちで自転車に乗っています。皮膚科に行くと、意外や黄砂のアレルギーと言われました。春先だけかと思いきや、今もかなり飛んでるようです。
tontonさんも私も2015年に肺がんの診断を受けてから10年ですね。長いようで短い10年間でした。
ただ私は2017年に転移していてるので、100%安心する気になれず、乳がんのほうもしばらくは心配です。気長に付き合っていきます。
〉西部劇に出てくる列車強盗みたいないでたち
そういう女性、見かけます(笑)。殺人的な紫外線を防止するためには、いかに怪しかろうともそれぐらいの重装備、必要ですよね。
顔のかゆみ、黄砂が原因ということは脂漏性皮膚炎ですか。
皮膚科医から処方されたステロイド軟膏をずっと塗っていますが、まだたまにかゆみは出ます。なかなかしつこいです。