中国・西安へ行ってきた-4 4〜5日目 大雁塔、大明宮

12月から名古屋-西安線は運休

昨日知ったのですが、ツアーで利用した中国東方航空の中部国際空港-西安空港間は12月から運休になったそうです。帰国のスケジュールが数日ずれていたらどうなっていたことか……。

そんなことはみじんも考えていなかった西安ステイの最後2日間です。

4日目、朝一番で城壁に上がる

朝食後、南門から城壁へ上がってみました。仲良くなった同世代の女性を誘ったら、自分も行きたいという人が増えて4人で出発。南門へはホテルから歩いて10分ほど。

チケット売り場は朝8時から営業開始で、一番乗りでした。入場料は54元(約1280円)。

(11月25日の西安市の最低/最高気温 -4度/11度)

永寧門(南門)

城壁への入口。

現在の城壁は明の時代(1370年頃)に築かれたもの。建設当時の門は東西南北の4つでしたが、車社会の到来で門を増やし、現在の門は15に増えています。

櫓(箭楼)

南門は二重構造になっていて、まずは矢を射る窓のある櫓。

城楼

広場を挟んだ奥(内側)には城楼。物見櫓だそうです。

現在の城壁は周囲14キロ(南北3キロ、東西4キロ)、幅1214メートル、高さ12メートル。自転車やウォーキングで一周することもできるそう。西方向を撮りましたが、果てが見えない。

これだけでも十分広いのに、唐時代の城壁は南北9キロ、東西10キロと現在の9倍も広かったとか。

寒かったけど、空気が澄んでいて気持ちいい。西安は内陸なので、雨が降らないと空気がかすむことが多いそうです。

城壁から見下ろす。そろそろ朝のラッシュが始まる頃でしょうか。

右手が城壁と朱雀門、お堀(護城河)を挟んでビル街。古代と現代が隣り合っています。

西門

ホテルに戻って、今日のツアー開始。バスに乗り込み、まずは城壁の西門へ。見学だけで城壁の上へは上がれません。

この後、絨毯の土産物店へ。安いツアーの宿命とはいえ、時間が惜しい。

大興善寺

中国密教の発祥地。建立は隋の時代と古い。

敷地は広く、複数の寺院が点在しています。

歴史的建造物と高層マンション群。西安では、ミスマッチなこの光景が通常です。

大雁塔〜最上階からの眺めは絶景

大慈恩寺

昼食後、バスで少し移動して大慈恩寺へ。屋根の上に左右に載っている鴟尾(しび)ですが、見慣れない形をしています。明代の鴟尾のスタンダードなのだそう。

大雁塔(だいがんとう)

大慈恩寺の境内に5つ目の世界遺産、大雁塔があります。

652年、玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典や仏像などを保存するために建立された仏塔。7層、高さ64メートル。こちらは上れますが、もちろんエレベーターはなく階段を上ります。

最上階東の窓からの展望。高層ビルやマンションに囲まれています。摩天楼のよう。

こちらは西側の眺望。絶景かな。整然とした街並みです。

大慈恩寺の敷地も広く、多くの新旧寺院がありました。こちらの鴟尾は唐時代のシンプルなタイプ。東大寺大仏殿や唐招提寺と同じ形です。

楽遊原〜夕陽 無限に好し

青竜寺

だいぶ日が傾いてきました。青竜寺は遣唐使だった空海が修業をしたお寺。今回訪れてみたかった場所の一つです。

楽遊原(らくゆうげん)

青竜寺の建つ場所は市の中心部から南東方向に位置する小高い丘で、昔は楽遊原と呼ばれていました。

晩唐の詩人、李商隠(りしょういん)が「楽遊原」という詩を作っています。気分が晴れない時、気分転換に馬車で楽遊原に上ったところ、

「夕陽(せきよう)無限に好し/只だ是れ黄昏(こうこん)に近づく」

何という妖しい美しさ、何というデカダンス。ここで夕陽を見ることが夢だったので、(ちょっとまだ明るいけど)気分に浸れました。

空海記念碑

下から地、水、火、風、空を表しているそう。五輪の塔ですね。

入口近くの池のほとりで唐風のコスプレの撮影をやっていました。たまに本物のモデルさんらしき女性もいて(撮影が本格的)、楊貴妃もかくやというほどの美形のことも(実際の楊貴妃はふっくらしていたそうですが)。

と、ここまでは良かったのですが、途中でお香のにおいのきつい部屋に連れて行かれて、青竜寺は四国八十八カ所霊場の最初だからと、第0番霊場と記された御朱印帳を勧められたのにはまいった(結構高かった)。土産物店は2つのはずだったのに、ちょっと興醒めでした。

書院門

バスで城壁の内側に移動。書道用品を扱う店が軒を連ねる書院門で散策タイム。

長安 一片の月

今回の西安旅行でどうしても見たかったものが月です。

李白の「子夜呉歌(しやごか)」(長安 一片の月/万戸(ばんこ)衣を擣(う)つ声)を現地でそらんじてみたかった。

でも西安に来てから月は月齢3〜4と細い上、夕方には沈んでしまう。見るのは無理かなと諦めつつガイドさんに「月、出てますか」と聞いた所、「あそこ」と教えてくれた。気付かなかった。小さいけど確かに弓なりの細い月が見える。

暮れゆく空の中央上のほう、爪の先のような小さな月が懸かっています。右下は南門。風はないけど、季節は秋で詩にぴったりだわと、一人悦に入っておりました。

火鍋の夕食後、ホテルへ帰着。その後、また一人で城壁内の中心部へ行ってみました。

ライトアップされた南門の下をくぐった時、道沿いで胡弓を演奏している人がいた。郷愁を誘う響きです。隣で路上床屋さんもやっていて、丸椅子に座った男性客の頭を理容師がカットしていた。昔テレビで見た中国の風景だけど、今もやっているのかと驚きました。

南門から伸びる南大街(通りの名前)は、メインストリートだけにさすがに交通量が多い。

自転車に乗っている人は多くて、至る所にシェアサイクルの駐輪場があります。

鐘楼は2日目の昼間にも見ましたが、ライトアップされていると雰囲気が変わります。1時間ほど歩いてホテルへ戻りました。これが最後の夜。

最終日、大明宮へ

5日目

(11月26日の西安市の最低/最高気温 0度/13度)

最終日。朝食後、城壁南側の遊歩道を、ツアーで仲良くなった人と散歩してきました。2日目の夜に歩いた遊歩道の下にある、お堀沿いの道です。

大明宮(たいめいきゅう)国家遺跡公園

ホテルのチェックアウトをすませ、バスで最後の観光地、大明宮へ。6つ目の世界遺産。入口にユネスコマークが見えます。奥はビジターセンター。

大明宮は唐の皇帝たちが生活したり執務を行ったりした場所。現在は広大な公園となっています。発掘調査のため、ここに住んでいた人は周囲に建てられたマンションに移住させられたとか。

丹鳳門(たんぽうもん)

正門である丹鳳門が復元されていました。中国は何でもスケールが大きい。巨大です。

西安空港〜帰りの搭乗客は半減

西安咸陽国際空港第5ターミナルは今年2月に運用が開始されたばかり。ターミナル内の博物館で、工事の際に出土した文化財を展示しているそうで、西安ってどれだけ遺跡が埋まっているんだと、その長い長い歴史に改めて思いを馳せました。

現地のガイドさんによると、台湾有事発言の影響か、少し前に札幌行きの飛行機が急な行き先変更で上海だったかに下りたそうです。

このツアーの飛行機は欠航も遅延もなく離陸。ただ行きと比べて乗客は半数くらい。中国政府による日本への渡航自粛勧告の影響かと思われますが、昨日(12月1日)、この西安線が12月から運休になると知って驚きました。出発が1週間ずれていたらどうなっていたんだろう。他の航空会社の西安線は減便になったそうなので、別会社の飛行機に乗り換えることになったのか……。

無事、セントレアへ到着

飛行機は予定より早く中部国際空港に到着。機内でスマホのeSIMを切り替えるとYahoo!のトップ画面が出てきて、帰ってきたと実感しました。

この5日間、自由行動の時間がなかったのはストレスだったけど、朝と夜に勝手に出歩いて自分なりにフラストレーションを発散できたと思います。

一度も雨にたたられず、天気に恵まれ、寒すぎもなく外歩きは快適で、唐詩が詠まれた場所にも行けたし、さまざまなものを見聞できて充実した時間を過ごすことができました。

行く前は、今は円安で海外は高いし、準備が面倒だし、また安くなったら考えようなんて思っていましたが、そんなこと言っていたら死ぬまで行けない、がんの経過観察も異常がなかったしと思い直し、ツアーに申し込みました。決心して良かったと思います。

ブログ村ブログパーツ
スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

フォローする

コメント

  1. tonton より:

    西安旅行、いいですね〜。
    お天気に恵まれ、古代と高層ビル群が隣り合っている写真に目を奪われました。まさにこれぞ中国って感じです
    クロエさん、漢詩にお詳しいんですね。
    私は古代中国史も漢詩も全く知りませんが、悠久の地で遠い歴史に想いを馳せる、とてもすてきな旅ですね。
    2016年東京で「始皇帝と大兵馬俑」展を見て、(今ブログ読み返したら)たった10体くらいの兵馬俑を見ていたく感動してました。これが6000体ってすごい迫力でしょうね。
    でもこの時期だけに、タイミングが遅かったら飛行機が飛ばなかったかもとか、スリリングでしたね〜。
    日中は政治的には色々ありますが、中国3千年の歴史文化を否定できる人は誰もいないはずなので、いっそ文化と政治は切り離して、こういう時だからこそコンサートとか、展覧会とかいろいろ文化交流やればいいのになぁ〜と思います。
    ところで食べ物はいかがでしたか?(すみません、食い意地が張ってるもんで気になる〜笑)

    • クロエサト より:

      tontonさん、おはようございます。
      食べ物は11月27日の「中国・西安へ行ってきた-1」でまとめて紹介しています。
      次々と出てくる大皿料理の最初のほうしか撮っていないので、全体像が分かりづらいと思いますが、全回、品数と量は多くて食べきれませんでした(もったいなかったけど)。
      でも料理の味付けは総じて辛くて油っぽいため、一番おいしかったのは日本人が協力した精進料理だったという、せっかく中国まで行ったのに、食に関しては全然堪能できていないと思います(泣)。
      兵馬俑はいっぱいあり過ぎて、逆に全然ありがたみがなかったですね(贅沢。笑)。