肺がんの5年・10年生存率(2018年)

※2年後の2020年にも表にしています。→「肺がんの5年・10年生存率(2020年)

肺がんの5年生存率42.7%、10年生存率30.4%

2018年2月28日、国立がん研究センターから、5年生存率と10年生存率の新しいデータが発表されました。

昨日の朝刊で肺がんの10年生存率が30.4%と出ていて一瞬落ち込んだが、これは大ざっぱな数字に過ぎないと気を取り直し、元データに当たって自分で表を作ってみた。

まずはステージ別の生存率。

肺がん(気管を含む)の5年・10年生存率(%)

年代・男女別の肺がん生存率

続いて、ちょっと詳しく、年代、性別の表。

一昨年(2016年)見た週刊現代の「これが本当の「ガン10年生存率」だ〜部位別・年齢別に一覧表にまとめました」がとても分かりやすかったので、これに倣ってまとめてみた。

自分に関係するところ(50代女性)だけ色(オレンジ)を付けました。

肺がんは、女性のほうが患者が少ないせいか、全体的に男性より生存率は高め。でも50代女性2期の5年生存率は48.1%と、男性の60.4%に比べてずいぶんと少ない。3期の10年生存率も女性は13.4%で、男性19.2%より少ない。

もともとのデータ(患者数)が少ないせいで、数字にバラツキが出るんでしょうか。それとも、女性の肺がんの2期と3期の予後は良くないということでしょうか(そんなことはないと願いたいけど、理由は不明)。

肺がん(気管を含む)の5年・10年生存率 年代・男女別(%)

表では40〜70代に限っていますが、元データは15〜94歳と幅広い年代から集計されています。

※30代を追加しました(3/6)。30代女性の欄で3カ所「-」とあるのは、

「症例数が5件以下です。ご指定の項目の組み合わせでは集計できません。集計に必要な症例数が不足しているか、または項目の組み合わせが適切でない可能性があります。」とのこと。

やはり肺がんは中年以降に多く発症するようです。

データは、全国32施設で診断、治療をした中から、5年生存率は2007〜2009年の約13万3000人、10年生存率は2001〜2004年の約5万7000人の症例を集計(全てのがん)。

「肺がんの10年生存率30.4%」は大まかすぎ

何にも知らない人が「肺がんの10年生存率は30.4%」と見聞きしたら、やっぱり肺がんは死亡率が高いという印象を持ちそうだ。それは一部では正しいけど、一部では間違っている、というのが上の表を見ると分かります。

表の数字だけでも、10年生存率は2.1%(70代男性4期)から88.1%(30代女性1期)と幅がある。それなのに「肺がんの10年生存率30.4%」なんて確率を前面に出されたら、あまり悲観する必要のない人が絶望したりするのではないか。一般の人はもちろん患者やその家族も勘違いさせそうで、罪深いのではないかと思う。

腺がんや小細胞がんなら、どう違うか

データベースでは、肺がんをさらに腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん・大細胞型神経内分泌がん、大細胞がんの4種類に分けて調べることも可能。

下では自分の肺腺がんの50代男女のみ表にしました(一つひとつ数字を拾っているので手間がかかって。一覧があるのかもしれませんが辿り着けませんでした)。

上の表と比べて、思ったより差はないようです。余力があったらほかの肺がんについても数字を出してみます。

※肺がん4種、50代だけですが、追加で表にしてみました(3/10)。

女性は腺がんが多いと聞きますが、確かにその通りだと思います(ほかの3種の肺がんは症例が少なくて集計できないステージが多い)。

「-(5件以下で集計不可能)」の前後の数字は、たとえば6人だけのデータの集計かもしれないので、参考と考えておいたほうがいいかも。逆に言うと、あんまりピンポイントで数字を出すとあれやこれや心乱されそうです。

大細胞がん男性4期は、5年生存率が0%なのに10年生存率が23.4%(3期と比べても多い)。同じ患者さんをずっと追っているわけじゃないから、変な逆転現象が出てくるのでしょう。それとやはりサンプル数が多くないから。

0%というのも、集計した32施設、19万の症例(肺がんだけの症例数は不明)からの数字なので、絶対的なものではないと考えたほうがいいと思います。

肺腺がん50代の5年・10年生存率 男女別(%)

扁平上皮がん50代の5年・10年生存率 男女別(%)

小細胞がん・大細胞型神経内分泌がん50代の5年・10年生存率 男女別(%)

大細胞がん50代の5年・10年生存率 男女別(%)

ほかにも手術の術式や治療法ごとにチェックを入れて数字を出すこともできます。

とはいえ、いくら自分に近い患者(年齢、性別、がん種、進行度、治療法等)のデータが分かっても、自分がその通りになるわけではない。あくまでデータとして参考程度にしたいものです(難しいのは重々承知。自分への戒めです)。

※数字は2度チェックしましたが、写し間違いがあったらすみません。自分に関するデータは自分で調べることをお勧めします。

国立がん研究センター「全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について5年生存率、10年生存率データ更新 グラフを描画する生存率解析システムKapWebなどにて公開」

→「全がん協生存率(全がん協加盟施設の生存率共同調査)

→週刊現代(2016年)「これが本当の「ガン10年生存率」だ〜部位別・年齢別に一覧表にまとめました

→続きです。

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コメント

  1. tonton より:

    貴重なデータをありがとうございました。
    5年と10年の間で意外と差があるのが気になりました。
    ホルモン系のガンや腎臓、大腸は長期間再発の可能性があるとは聞いてましたが、肺がんも思ったよりあるな、という印象です。(肺腺がん2期の男性など特に)
    でも5年生存率と10年生存率ではデータベースが違うみたいですね。
    どちらにしても%で表される数字はあくまで確率で個々のことは分からないんですよね…

    • クロエサト より:

      >5年と10年の間で意外と差があるのが気になりました。

      5年間再発しなかったからといって安心できないということですよね。

      >でも5年生存率と10年生存率ではデータベースが違うみたいですね。

      今回は2年前の調査(週刊現代のデータベース)とも計算方法が違うようです。

      >どちらにしても%で表される数字はあくまで確率で個々のことは分からないんですよね…

      そうですよね。数字に振り回されることなく、あくまで参考程度に見ておいたほうがいいと思います。
      データは10年以上前のものなので、今なら数字は(多分)アップしていると思いますし。