結果を聞きに行った翌日、また母を見舞いに病院へ。お寿司、お刺身、プリン、アイスクリームを差入れ。
食欲があれば大丈夫。
弟と電話でお寺の法事の打合せ。肺がんかもしれないことを初めて打ち明ける。特にショックを受けた様子もなく、坦々とした受け答え。
過剰に心配されたり騒がれたりすると、きっと気持ちがすーっと醒めていくと思うので、私にとってはこういう対応のほうがありがたい。
マスク先生の経験不足、誠意のなさに不安を覚えると話すと、
「別の病院へ行ったら? 探しておこうか」
と頼もしい言葉。
「お母さんに、肺がんかもしれないって言った方がいいかな」
「心配するし、言わないほうがいいと思う」
「私もそう思う」
ということで、入院中の母へは話さないことで意見が一致する。
母に言うか言わないか、これは悩んだ。
娘が肺がんだと知って心配するかもしれないから、という理由だけではない。
親類が病気になったり亡くなったとき、母はそれをすぐに私には教えてくれず(弟には教えていた)、見舞いに行けなかったり、可愛がってくれていた伯母のお通夜に出られなかったことがあった。
「どうして私にだけ教えてくれないの!」となじったが、それからも同じようなことが続いたので、怒るだけ無駄だと、言うのをやめた。
「娘をわずらわせたくない」という母なりの思いやりかもしれないが、「家を出た娘に話す必要はない」と思っているのかもしれない(しかし弟も家を出ている)。私は自分だけかやの外に置かれたようで、ずっと嫌な気分を抱えることになった。
そして今回、母に私の肺がんの可能性を告げないというのは、一見、母を思いやっているように見えて、実は母をのけ者にしているのと同じことなのでは・・・と考えたためだ。
でも、親類の死はいずれ私の耳にも入ることになるが、肺がんに関しては私と弟が口にしない限り、母が知ることはない(よほど病状が重くならない限り)。
母に実害が及ぶこともないし、ということで、(もう考えるのが面倒にもなって)黙っていることにした。
弟からは2日後に電話があり、愛知県岡崎市にあるがんセンターを紹介される。
肺がん治療に力を入れているところのようだが、駅から遠くて車でしか行けそうになく、最初から候補に入れなかったところだ。
通うのは無理なので、探してくれた心遣いだけありがたく受け取って、電話を切った。
コメント
弟さんへのカミングアウトは、親に話すより、だいぶ気が楽ですよね。
肉親に知ってもらいたいという欲求もある気がします。
私も、弟には最初から話していました。(携帯のメールですが)
私の場合、たまたま撮ったお腹のCTに、たまたま写った胸部分に白く小さな影がみつかり、今回の発見にいたったのですが、最初から「ぎゃーヤバイかも!」なんて弟にのみ
報告していました。(その時は本当にガンだなんて思ってませんでしたが)
ガンとわかってからも、旦那には詳しく話してないのに、弟とは色々なことをメールで
やりとりしています。(旦那とあまり仲良くないというのもありますが 笑)
親だと深刻になりすぎてしまうので、弟という存在がいて、気持ちの上で助かっています。
弟という距離感がいいのかもしれません(まぁ普段からのつきあい方によるでしょうけど)。
1人でも経緯を分かってくれる存在がいると心強いですよね。
もちろん、弟には要らぬ心配をかけて申し訳ないという思いもあるのですが。