2017年7月-1 リンパ節転移

PET/CT検査で転移が見つかる

7月上旬の土曜、指定された画像診断専門のクリニックでPET/CTを撮ってもらい、検査結果のデータをもらって帰宅。

翌週、そのCD-Rを持参して、病院へ検査結果を聞きに行った。

名前を呼ばれて診察室に入ると、モニターにPET/CTの検査結果が映し出されていた。

右肺の肺門部のリンパ節が一か所、明るく光っている。

肺がんは転移(再発)しておりました。

覚悟していたつもりだけど、根っこの部分では楽観していたのだと思う。

「まさか」というにわかには現状を受け入れがたい思い気持ちと「ああ、やっぱりそうだったか」という落胆、混乱、いろんな思いがないまぜになって、医師の言葉が頭に入ってこない。

担当医からはいろいろ言われて、自分からもいろいろ質問したが、帰宅してから手帳を読み直すと肝腎なことをいくつも聞き損ねていた。また話の進行にメモが追いつかず、ICレコーダーを持っていかなかったことを激しく後悔した。

重要な検査の結果を聞くときは、質問事項のリストと録音機器を必ず持っていくべし。

通常の放射線治療を勧められる

結果と医師からの提案。

・転移は一か所。サイズは直径1センチ。画像では肺門部のリンパ節だけだが、縦隔リンパ節まで広がる可能性がある(肺がん関連のリンパ節には、肺内リンパ節、肺門リンパ節、縦隔リンパ節があるが、肺内から肺門、縦隔へと肺内転移していく)。そのため予防的に縦隔リンパ節まで放射線治療を行う。

・放射線を当てる部分が広範囲になるので(8センチ四方くらい)、以前のようなピンポイントの定位放射線治療はできない。今回は通常分割照射で33回の予定。

事前に心配していた脳に異常はなかった。このころ、咀嚼したとき左の顎の付け根や喉に違和感があって心配していたが、そこにも異変はなかった。それについては胸をなで下ろした。

ステージ3、4の可能性も

–この治療を受けるとどうなるのか。

「治るのは4割弱。半分以上はまた再発する。ほかの臓器へ転移するか、あるいは原発巣がくすぶっていて、出てくる可能性もある」

–がんが一か所転移したら、次々に転移して治らないと聞くが。

「遠隔転移だったら、ほかの臓器にも転移している」

–ステージは1Bだったが、これでいくつに上がるのか。

「この状態だと2期だと思う。ほかに転移があると3、4期。2期であることを願いましょう」

–手術や抗がん剤は受けたくない。治療を受けるなら放射線治療にしたいと思っている。でも治療自体を受けないという選択肢はないのか。

「そんなこと考えてる? 絶対やったほうがいい」

もしかしたら医師は、治療を受けられるのに受けないという選択した患者を見たことがないのかも(という話を読んだことがある)。これ、すごく知りたいのだけど、病院がそんなデータを取っているはずがないか。

ことにここは大学病院。治療しないなら(受ける気がないから)来てもらわなくて結構、ということになるのか。できれば、積極的な治療は受けないが経過観察のために通院したい、という選択肢があるといいのだけど、どうなんだろう。

治療を受けられるだけでラッキー?

頭の中をいろいろな思いが巡る。

どうしよう。即決しないといけないのだろうか。もうちょっと考えたい。人の意見を聞いたり、ネットで調べたり、本も読みたい。でもそんな悠長なこと言ってる間にほかに転移したらどうする?

放射線治療が受けられるだけで良しとすべきなのだろうか。

初発の原発巣に近い場所に転移していたら、もう放射線は当てられない(放射線は同じ場所に照射してはいけないことになっている)。今回は離れた場所だったから放射線治療ができる。

これは不幸中の幸いなのか。

いや、そもそも、がんになるのは2人に1人。→ 自分はその50%に該当。

最初に受けた定位放射線治療で完治する確率は60%台。→ 40%弱に該当。

肺がん再発のピークは治療後2年目。 → 該当。

今回の通常照射で治る確率は4割弱。 → どうなる?

確率は下がっていくばかり。運から見放されているとしか思えない。

CEAの上昇

あらかじめ聞くつもりだった質問をする。転移が確認されたのに、今さらもいいとこで馬鹿げているけど、疑問のまま残しておきたくなかったので。

–6月のCTの炎症性腫瘤はどうなったか。

「画像で見ると問題なかった。疑いが晴れた」

–腫瘍マーカーはよく意味がないと聞くので、CEAが少しぐらい上がっても大したことはないと思っていた。

「それはない。無駄ではない」

確かにそうでした。少なくとも私の場合は、腫瘍マーカーの効果のほどを身をもって証明したことになる(前回、「CEAが上がると、8〜9割何かある」と言われたが、見事的中。豊富な経験に裏打ちされた医師の言葉は心して聞くべし)。

治療は8月から?

話は私の困惑と混乱をよそにどんどん進む。

「治療はいつからにしますか」

–7月は仕事が忙しいので、受けるなら8月に入ってからにしたいんですけど。

これ、一昨年も同じことを言っていた(そのため3つの検査が延びた)。間がいいのか悪いのか分からない。

「それなら8月のこの日に造影CT、その2日後から放射線治療に入ります」

とスケジュールが組まれ、PET/CTの検査結果の紙資料をもらって、診察は終わった。

待合室で待っていると、看護師さんから治療の同意書を渡され、この場でサインするよう言われるが、

「次に来たときでいいですか。ちょっと考えたいので」とサインは保留にさせてもらった。

それから、いくつか質問される。通院にかかる時間。もしものときの連絡先。そして前回の定位放射線治療を受けていたときの体調。身体がすごくしんどかったと話すと、入院もできるとのこと。

こちらからは治療費について質問した。定位放射線治療のときのように1回目に全額を払う必要があるなら、おおよその料金を知っておきたかった。だが治療費に関しては放射線科の受付で聞くようにとのことで、あとで聞いてみると、都度払いで、金額は(治療内容により)毎回変わるとのこと。

一口に放射線治療といっても、定位放射線と通常照射とではいろいろと違うようだ。

帰宅してからわきあがってきた疑問点。

・今回(7月)のPET/CTで光っていたのは、4月にCTで見つかった炎症性腫瘤とは別物?

・脳の検査(MRI)はしなくていいのか。

・生検はしなくていいのか。

・持ち帰った同意書の病名の欄には「右肺癌リンパ節再発」とあった。同じ臓器内でも初発とは場所が違うなら転移というのかと思っていた。再発か転移か、どちらなんだろう。

次回はちゃんと聞かなくては。

→続きです。

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コメント

  1. tonton より:

    こんばんは。
    7月の検査、どうだったのかな〜と気になっていたのですが、……そうだったのですね。
    ショックです。
    私がショック受けても仕方ないのですが、何となく大丈夫な気がしていたのです。
    ただ(素人の慰めになってしまうかもしれませんが)肺門部のリンパ1ヶ所というのは、転移というより局所再発に近いのではないでしょうか?

    最近の朝日新聞に米国の日本人研究者の最新がん治療が紹介されていましたね。
    小林久隆という人で、免疫療法と近赤外線を組み合わせる方法ですが、副作用はほぼなく、ほとんどのがんに劇的な効果があるそうです。「小林久隆」「近赤外光線免疫療法」でググるとたくさん出てきます。
    オプシーボといい、今はまさにがん治療のパラダイムシフトが起きている印象で希望が持てます。

    クロエさんは再発が見つかっても、日々の生活をきちんとされている様子が伝わります。
    私だったら布団かぶって、家事も介護も放り出しそうです。
    やはりとても強い方だと思います。

    • クロエサト より:

      tontonさん、ご心配かけてすみません。
      転移のその後の経緯については追々書いていくつもりです。今のところ食欲はあるので大丈夫かなと思っています。
      CEAの上昇で転移が発覚したことについては、動揺される方がいるのではないかと心配しています。
      でもこれも個人差があるんでしょうね。私のように異常が数値に表れる患者と、全くそうではない人と。
      オプジーボも同じで、劇的に効く人、効果が見られない人、副作用が出る人とさまざま。今週頭には重症筋無力症による呼吸困難で死者が出ているというニュースも目にしました。
      近赤外光線免疫療法は初めて知りました。読んでみます。
      全く副作用のないがん治療が本当に実現したら素晴らしい。ノーベル賞ものですよね。