気管支鏡検査までの9日間、肺がんについて調べまくる。
この年の春、本や衣類をたくさん処分した。ヤフオクに出品したり、ネットで売れそうにない本はブックオフへ持っていったり。
そのとき、近藤誠(何冊かあったので半分くらい)や千葉敦子の本も処分してしまった。父が亡くなってずいぶんになるし、もう、がん関連の本なんて読むこともないだろう、と思って。
その数か月後、まさかの肺がん告知(ほぼ確定)。笑うに笑えない。
どうしても再読したかった本は名古屋駅の大きな書店で同じものを見つけたり、興味を持った本はアマゾンで注文したりした。
本だけでは情報が古びているかもしれないと、ネットで近藤誠を検索すると、まぁヒットすること。批判する人も賛同する人も傍観者を決め込む人もわんさかいる。
15年前とあまり事情が変わっていないことにあぜんとする。
近藤医師は当時からがん治療医の中では異端児だったが、彼が今もなお、声高に日本のがん医療の特殊性、閉鎖性を言い募らねばならないということは、がん治療の世界はそれほど変わっていないということか。
肺がんの標準治療。名古屋の病院の肺がん治療の成績。肺がん患者さんのブログ。いろいろ調べて、読んだ。
咳が続いて受診したら、いきなりステージ4を宣告されたり、余命宣告される人もいるようだ。
もし自分がそうなったら、どうするか。
がんの治療は、手術、抗がん剤、放射線が三大療法とされるが、日本の標準治療は手術と抗がん剤が中心。がんのできる臓器によって、海外では放射線治療がメインなのに、日本だと手術が主流ということもあるようだ。
それは外科と放射線科の力関係によるものと指摘する本もあり、まさかと驚く。
しかし、医師に主導される形で手術を受けたり、抗がん剤を飲んで、後悔している人もいるらしい。
基本的なスタンスをどこに置くかを決めておかなければいけない。そうでなければ、標準治療のレールに乗せられてしまうだろう。
痛いのや苦しいのはできるだけ避けたい。治療の必要があるなら、放射線治療だけにしたい。
がんの診断を受けたら、そのスタンスで医師と話そうと決める。
コメント
あまりにも経緯が似ている名古屋在住の女性です。60代になったばかりです。1年前に何も映らなかったのに、2ヶ月前に突然のステージ4宣告。現在分子標的薬で延命中です(治療とは言わないと先生に言われました)
私の病院もNで始まる30代の小柄な女医さんです。
コメントをありがとうございました。
お名前は本名でしょうか。差しさわりがあるかもしれないので、Mさんとさせていただきました。
>1年前に何も映らなかったのに
レントゲンでは骨に隠れて小さな腫瘍が見えなかったというケースは多々あるようです。
>私の病院もNで始まる30代の小柄な女医さんです。
同じ医師(呼吸器内科医)かもしれませんね。私は会うたびに不信感が募っていったので、転院できたときはほっとしました。きっとその医師も私のことを扱いにくい患者だと思っていたと思います。
>治療とは言わないと先生に言われました
ものにはいい方がありそうなのに……。私の頃より、さらに患者に対してストレートな言い方になっているような気がします。
患者会に出ると、ステージ4でも仕事や趣味(ゴルフとかアウトドアとか)に打ち込んで生き生き過ごされている方を何人も見ます。Mさんも少しでも長くいい状態でいられますように。