2022年の映画(DVD)ベスト3

動画配信サービス、サブスク全盛の現在、映画はいまだにレンタルDVDで見ています。もう2月も末ですが、昨年見たDVDの中でもう一度見たいと思ったのは、「ファーザー」「オールド」「アナイアレイション-全滅領域-」の3作品。

「ファーザー」

「ファーザー」(2021年、イギリス・フランス・アメリカ)

認知機能が衰えていく父親と、そんな父を支えたいと願いつつ、病状の進行に戸惑う娘の葛藤が描かれる。認知症が進むと(人によっては)世界はこんなふうに見えるのかと驚くと同時に怖くなります。当人にしてみれば、家族が見知らぬ人に代わっていた、自分の家なのに別の場所だと言われる……。自分を構築していたはずのものがどんどんと崩壊していく。果たして自分は正気なのか、誰かが自分をだましているのではないかと疑心暗鬼に陥らざるを得ない。まるでミステリーのようです。

主人公の父親を演じたアンソニー・ホプキンスはアカデミー主演男優賞を受賞。イギリスのテレビドラマ「シャーロック」のホームズの兄マイクロフト役のマーク・ゲイティスが出ています(シリアスな演技が嘘っぽく見えて困る)。この作品、元々は戯曲だったそうで、そちらも見てみたいものです。

「オールド」

「オールド」(2021年、アメリカ)

南国のリゾートに招かれた複数の家族がプライベートビーチを訪れる。水際で遊んでいた子どもたちが砂浜に戻ってくると、一回り大きくなっている……。

時間の流れが早くなったり遅くなったりするのは宇宙だけかと思ったら、地球上にもあったなんて。そこでは録画番組の早送りのように、人がどんどん成長し、老いていく。一生はわずか24時間。まるでカゲロウのよう。でも宇宙の悠久の時の流れからすれば、人の一生なんて一瞬かも。

設定がユニークで描写も秀逸で、2回続けて見てしまった。SFかと思ったら、作品のジャンルはスリラーに分類されていました。

「アナイアレイション -全滅領域-」

「アナイアレイション -全滅領域-」(2018年、アメリカ・イギリス)。

アメリカの海岸地帯に突如現れた謎の領域エリアX。調査で入ったチームが帰ってこないため、新たなチームが送り込まれるが……。不思議で危険な植物や動物。「アバター」の惑星パンドラを思わせます。

それから、いつ襲われるか分からないという点では、戦場のようにも思える。先日、ウクライナ東部から車で避難する家族のドキュメンタリーを見ましたが、いつミサイルが飛んできてもおかしくないエリアがあることに戦慄を覚えます。

3作品とも異世界ものと言えるかもしれない。日常の隣には別の未知の世界があって、その境目は曖昧で地続きなのがリアルで不気味に感じます。

「デモニック」「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

他に印象的だった作品。

以前見たニール・ブロムカンプ監督の「エリジウム」が面白かったので、同監督の「デモニック」と「チャッピー」を見ました。「デモニック」は電脳世界やエクソシストなどさまざまな要素が盛り込まれたSFスリラー。どこに連れて行かれるのか分からない面白さがあります。

ジェシカ・チャステインのファンなので、「AVA/エヴァ」(2020年)と「355」(2022年)を借りました。「女神の見えざる手」(2016年)「モーリーズ・ゲーム」(2017年)の頃は美貌でスタイル抜群でアクションにもキレがあったのに、昨年見た2作はふくよかになって、優秀な暗殺者やスパイという設定がつらかった。

「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」は、007は非日常感が痛快だったのに、いつの間にかできていた娘のために自らを犠牲にするなんて、そんな手垢が付いたような話、007でやらなくてもいいのにとがっかり。これでダニエル・クレイグのボンドが見納めなんて悲しい。

「ザ・ロード」「ロケットマン」

SF好きなので、話題作はできるだけ見たいと思っています。「DUNE/デューン 砂の惑星」「マトリックス レザレクションズ」「カオス・ウォーキング」「ザ・ロード」「モーガン プロトタイプL-9」「グリーンランド 地球最後の2日間」「ヴォイジャー」「レミニセンス」。この中で一番印象的で衝撃的だったのは「ザ・ロード」。

ミュージカルも好きですが、「ディア・エヴァン・ハンセン」「キャッツ」は今一つぴんと来なかった。エルトン・ジョンの半生を歌と踊りで描いた伝記映画「ロケットマン」は良かった。

内容がすさまじく、映像が目に焼き付いているのは、「ぼくのエリ 200歳の少女」「プロミシング・ヤング・ウーマン」「ハウス・オブ・グッチ」。

テレビドラマは面白かったのに、映画化作品がいまいちだったのは、「劇場版 きのう何食べた?」。

「ダウントン・アビー」の出演者狙いで見たのは、「英国総督 最後の家」(グランサム伯爵役のヒュー・ボネヴィル)と「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」(マシュー役のダン・スティーヴンス)。

感動してもすぐ忘れる(とほほ)

評価の高かった作品も見ました。「ドライブ・マイ・カー」「スーパーノヴァ」「コーダ あいのうた」「ベルファスト」。私は涙もろいので、感動的な話を見聞きすると反射的に涙腺が緩む。でも、余韻が残らず、そのエピソードも感動したこともすぐに忘れてしまう。この4作品もそうでした。

作品に力があっても、鑑賞者(私)にその力を受け止めるだけの受容力(理解力や想像力)がなければ、せっかくの傑作も台無し。猫に小判で、作品に申し訳ない。

似たようなことですが、史実を扱った作品はその歴史背景を知らないと理解が深まらない。「オフィシャル・シークレット」「クーリエ・最高機密の運び屋」がそうでした。

これから先、自分の知見が広がるかどうか分かりませんが、もし広がったなら、また違う感想を抱くかもしれません。今はそのタイミングじゃなかったということだと思いたいものです。

2023年2月23日(木曜)

〇体重 50.7 〇BMI 19.2 〇体脂肪率 28.0

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

味噌煮込みうどん(ネギ、シイタケ、かまぼこ、油揚げ、卵)、フキの煮物(角麩、油揚げ)、キムチ納豆(ネギ)、キウイ

今日は昼と夜、土鍋が大活躍

■お八つ

コーヒー、あんこ

■夕飯

キノコの炊き込みご飯(シイタケ、マイタケ、エノキダケ、エリンギ、ツナ)、水炊き(豆腐、人参、カボチャ、シメジ、春菊、チクワ)、ゴボウとニンジンのきんぴら(ごま、クルミ)、キウイ

2023年2月24日(金曜)

〇体重 50.6 〇BMI 19.2 〇体脂肪率 28.3

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

天ぷらうどん(乾麺80グラム。干しシイタケ、ワカメ、ネギ、かまぼこ、かき揚げ)、厚揚げ(ピーマン)、カボチャの含め煮(ゆで卵)、リンゴ

今日は昼と夜、長皿が活躍

■お八つ

コーヒー、あんこ

■夕飯

雑穀入りご飯、味噌汁(シメジ、エノキダケ、切り干し大根、油揚げ)、サンマの干物、きんぴら、春菊のおひたし、リンゴ

※サンマの干物、いつも反っくり返ってしまうので、半分に切って焼いてみました

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コメント

  1. tonton より:

    映画ブログを書いてる割に、見ていない作品が多いです(汗)
    「ファーザー」は認知症患者側からの視点が新鮮でした。確かにミステリーのようでしたね。これと『認知症世界の歩き方」を読むと、似ているのに何かが違う並行世界に放り込まれたような不安が本人にはあるんだな、と思えました。
    「オールド」は見ていないのですが、この監督の作品もいつも不思議な世界に放り込まれたような感覚になります。見てみます。
    「ザ・ロード」はトラウマ映画になりましたよ。(この映画の前提はなんだったか忘れましたが)常軌を逸した指導者が核のボタンを握っている今現在、ありえなくもない世界、と一層こわいです。

    • クロエサト より:

      tontonさん、今晩は。
      認知症の人の日常がパラレルワールドだとしたら、それは混乱するでしょうね。「認知症世界の歩き方」、読みたくなりました。
      「オールド」の監督って「シックス・センス」を撮った人なんですね。確かに最後に種明かしをするところは共通しているかも。他の作品も見てみたくなりました。
      「ザ・ロード」はほんとにショッキングでした。印象に残っているけれど、また見たいとは思わないので、ベスト3には入れていません……。