「コングレス未来学会議」の息子
昨年見た「コングレス未来学会議」(2013年)で主人公の息子を演じたコディ・スミット=マクフィーが印象的だったので、他にどんな作品に出ているのかとググったら、「モールス」(2010年)と出てきた。
「モールス」は、スウェーデンのヴァンパイア映画「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008年)をリメイクしたハリウッド映画。
「ぼくのエリ」は、このブログにコメントをくださるtontonさんが自分のブログで紹介していらして、見たいと思っていた作品です。2枚一緒にDVDをレンタルしてみました。
ミスリードする題名「ぼくのエリ 200歳の少女」
最初に見たのは「ぼくのエリ」。主人公の少年オスカーの色素の薄い肌と髪の美しさに目を見張ります。対してエリは、ちょっとオリエンタルな雰囲気と野性味を宿している。
学校で陰湿ないじめを受け、家にも居場所がないオスカーと、200年以上も12歳の少女として生きるエリ。2つの孤独な魂が共鳴し、北国の小さな街に凄惨な事件が起きる。
途中、着替えているエリをオスカーがのぞき見るシーンがある。エリの下半身にはぼかしが入るが、見ているときはあまり気にならなったけれど、後からネットで何が隠されていたかを知って驚愕。エリは女の子じゃなかった(タイトルの邦訳、観客をミスリードし過ぎ。原題は「正しき者を招き入れよ」)。それでもエリと生きていく決心をしたオスカー。
子どもの吸血鬼は、善良な市民を襲って生き血をすする悪魔でありながら、庇護を必要とする弱者である。
エリは食事=人の生き血を与えてくれる保護者と暮らすが、保護者が失敗を重ねたり、年を取って使いものにならなくなると、新たな保護者が必要となる。
エリはずっと同じことを繰り返しているらしく、今回の獲物はオスカー。40〜50年後のオスカーの末路を予想するとぞっとしますが、でも単にグロテスクだけじゃなくて、いろいろと考えされられる作品です。
「ポーの一族」と「愛に時間を」
日本で吸血鬼というと萩尾望都の「ポーの一族」を思い出しますが、14歳でバンパネラとなったエドガーは最初、ポーツネル男爵の息子として暮らしていた。成長しない子どもは目立つため、一つところにいられない。点々と居を移す必要があり、大人の庇護を必要とするのは、エリと一緒です。
また、学生時代に読んだロバート・A・ハインラインの壮大なSF小説「愛に時間を」では、やはり主人公(成人男性)は年老いないため、結婚したときは妻の老化に合わせてこっそりメイクしたり、100年近くも定期購読している科学雑誌の編集部から感謝状を送りたいという連絡が来て、購読を取りやめたというエピソードがあった(私ってば本筋とは関係のない変なことしか覚えておりません)。
エリは200歳だけど、「愛に時間を」の主人公は4000歳。思わずエリの未来を憂えてしまう。年を取らないまま長生きすることの孤独と生きづらさを。
コディ・スミット=マクフィー、アカデミー賞は取れず
「ぼくのエリ」のインパクトが強すぎて、続いて見た「モールス」は印象が薄くなってしまった。
コディ・スミット=マクフィーの、目と目が離れてちょっと昆虫を思わせる独特の顔はそのままだったけど。それとヒロインのクロエ・グレース・モレッツは小悪魔的に愛らしい分、部屋に入ることを断られ(招き入れられず)、全身から血が噴き出すシーンには戦慄を覚えました。
そうそう、コディ・スミット=マクフィーは「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(2021年)でアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされていましたが、今日の授章式では残念ながら選ばれなかった。まだ25歳。次に期待しましょう(大人になっても、特徴的な風貌と馬のような優しい目は健在でした)。
※
今年1〜3月に見たDVDをまとめて紹介しようと思いましたが、2作品だけですごく長くなってしまったので、残りはまたゆるゆるとつづりたいと思います(書いておかないとどんどん忘れてしまう)。
2022年3月27日(日曜)
〇体重 50.2 〇BMI 19.0 〇体脂肪率 27.7
■朝
豆乳、野菜ジュース
■お昼
スパゲティ・ボンゴレロッソ(乾麺70グラム)、クラムチャウダー(タマネギ、ニンジン、金時豆、シメジ、ブロッコリーの茎、ホタテ、牛乳)、サラダ(フリルレタス、ラディッシュ、ゆで卵、クルミ、オリーブ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)
卵をちょっと茹ですぎたため、硫化第一鉄が出てしまいました(灰色の部分。卵白に含まれる硫黄分と卵黄の鉄分が結びついてできる物質。食べても問題なし)
■お八つ
コーヒー、飴
■夕飯
雑穀入りご飯100グラム、味噌汁(ワカメ、切り干し大根、シメジ、ネギ)、塩鮭、カボチャの含め煮、大根の煮物(コンニャク、厚揚げ)、はっさく
カボチャの含め煮はこれで終了
2022年3月28日(月曜)
〇体重 50.4 〇BMI 19.1 〇体脂肪率 27.5
■朝
豆乳、野菜ジュース
■お昼
うどん(乾麺70グラム。干しシイタケ、ワカメ、ネギ、かまぼこ、天かす)、アヒージョ(マッシュルーム、ブロッコリー、ちりめん)、大根の煮物(コンニャク、厚揚げ)、はっさく
ブラウンマッシュルーム、埋もれてしまった
■お八つ
コーヒー、飴
■夕飯
雑穀入りご飯、味噌汁(シメジ、ネギ、油揚げ、小松菜)、ホタルイカのカルパッチョ(タマネギ、フリルレタス、ホタルイカ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)、根菜の煮物(ゴボウ、タケノコ、ニンジン、コンニャク、ゴボウ天、昆布、ゆで卵)、酢ばす、はっさく
ホタルイカは目だけ取っています
コメント
私は『モールス』を劇場で見て、ホラー苦手なので、けっこう怖かった記憶があります。『ぼくのエリ』は続けてDVDで見て、とりあえず雪で画面が白っぽいのが救いでした。『モールス』は画面が暗く、’80年代アメリカって暗い時代だったの?と思うほど、全体に雰囲気が暗かった。
(どちらも)主役の少年が現実の生活に居場所がなくて、バンパイアと共に生きる道を選ぶ。バンパイアはもちろんのこと、少年の孤独が印象に残る映画でした。
コディ・スミット=マクフィー、『ザ・ロード』のヴィゴ・モーテンセンと終末世界を旅するあの少年なんですね。もうすっかり大人になって、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』に出てるんですか?これはネトフリで見なくては!
tontonさん、今晩は。
「ザ・ロード」、知りませんでした。コディ・スミット=マクフィーがアラゴルン=ヴィゴ・モーテンセンの息子? 似ても似つかないのでは……。でも、どっちも好きなので、これは見なくちゃ(笑)。
>少年の孤独が印象に残る映画
ほんとにそうでしたね。両親は離婚していて、一緒に暮らす母親だけでなく、遠方に住む父親もどこかおかしい。学校に行けば執拗ないじめが待っている。まさしく地獄の日々。
とはいえ、吸血鬼と生きる未来は明るいとは思えないので、少年にはどこかでとっととエリ(アビー)に見切りを付けて、幸せをつかんでほしいと思いますね。