「輝ける人生」〜60歳になっても恋はできるかもしれないけれど

イギリスが舞台の映画「輝ける人生」(2018年日本公開)を見ました。ジャンルはロマンチック・コメディだけど、出演者は60代以上ばかり。当然、年相応のシリアスな面も描かれます。

高級住宅地の大きな屋敷に住む主人公(孫がいる)は、夫に浮気され、ロンドンの下町に住む姉のアパートに転がり込む。自由奔放な姉とはずっとそりが合わなかったが、姉の通うシニア対象のダンス教室に行くうち、主人公のかたくなだった心に変化が生まれる。本来の自分を取り戻すと同時に、新たなロマンスも芽生える。

姉のアパート

姉妹のアパートに転がり込むという設定で思い出すのは「ブルージャスミン」(2014年)と「欲望という名の電車」。「ブルージャスミン」はコメディという触れ込みだったが、ラストは「欲望という名の電車」に負けず劣らずの残酷な終わり方でぼうぜんとした(ジャスミンもブランチも精神を病んでいる)。

そのため「輝ける人生」で主人公が姉のアパートを訪ねるシーンで、早くも不穏な結末を予感したのですが、これはある面で当たってしまった。

そもそも、姉は片付けられない人で、主人公が室内のあまりの乱雑ぶりに業を煮やして掃除をすると、賞味期限が20世紀の缶詰なんかが出てきたりするのだ。

認知症と肺がん

作品では2人の高齢女性の死が描かれる。1人は主人公と恋に落ちるチャーリーの妻。チャーリーは認知症になった妻を施設に入れるため自宅を売却し、ボートで暮らしている。しかし妻は夫の顔を忘れ、見舞いに行っても暴言を吐いて追い返してしまう。

もう1人は主人公の姉。肺がんステージ4の診断を受けるが、抗がん剤治療を拒否。腰の痛みで異常に気付くため、骨転移が見つかって肺がん発覚という設定か。姉は大麻を吸っていたので、肺がんの原因の一つは大麻にあるかもしれない。

姉妹が参加するダンス教室がチャリティーで行った路上パフォーマンスが評価され、メンバーはローマで開催されるダンス大会に招かれる。姉はかつて恋人と過ごしたローマを懐かしむが、大会翌日の朝、妹はホテルのベッドで息絶えている姉を見つける。

人生を謳歌して、ピンピンコロリ

顔は写さなかったので穏やかな死だったかどうかは分からないが、それでもこれってピンピンコロリ、理想的な死に方じゃないでしょうか。姉は、やせ細ったり、寝付いたり、激痛にのたうちまわることもなく(腰痛はあったが)、好きなように生きて、大好きなローマで死ねたのだから。

死のシーンの後、場面はロンドンで2人が通っていた野外のプールでの葬式(遺灰をプールにまく)へと転換する。そのため、残された妹(主人公)が、異国の地でどうやって姉を荼毘に付したのか不明だが、きっと手続きなんかが大変だったろうなと現実主義の私は想像したのでした。

ついでに言うと、川をせき止めて作ったような(濁った)プールも不思議。冬でも泳いでいたが、何かの健康法みたいなものでしょうか。

60代、新たな旅

いったんは浮気した夫とよりを戻す主人公だが、チャーリーの妻が死んだことを知って、屋敷を飛び出す。そして彼のボートでフランスを目指すべく、川を走るボートに飛び乗る……。

うーん、若い。見終わったときは痛快だったけど、だんだんと現実的じゃない気がしてきた。若いうちにちゃんと恋愛をしてこなかった人たちが勢いでやりがちなことじゃない? じき、老老介護なんてことにならない? 私は現実的過ぎで興ざめ?

ちなみに主人公のサンドラ役のイメルダ・スタウントンは、「ハリー・ポッター」シリーズでピンクのスーツが強烈だった(サディストの)アンブリッジ先生を、チャーリー役のティモシー・スポールは「ハリー・ポッター」のねずみ男、ピーター・ペティグリューを演じていました。イギリスの俳優は層が厚い。

「マイ・ブックショップ」

「輝ける人生」は、このブログにコメントを寄せてくださるtontonさんの映画レビューに興味を持ってレンタルしたもの。同じくブログに書かれていた「マイ・ブックショップ」(2019年)も見てみました。

1959年、1軒も書店のないイギリスの小さな港町に、30代の戦争未亡人が初めて書店を開く。隠遁生活を送る本好きの老紳士(レイ・ブラッドベリの本を心待ちにしている)、店番を手伝うおしゃまな少女(「長くつ下のピッピ」みたいに賢くてキュート)とのやりとりに心温まるが、主人公を快く思わない地元有力者の妻に店をつぶされてしまう。

60年前の保守的な時代に女性が何かを始めるというのは想像以上に大変で、権力の前には個人の夢などやすやすと打ち砕かれてしまう恐ろしさを感じたのでありました。

※7月に原作を読みました。感想を書いています。→「「ブックショップ」〜本は魂に必要な糧

「アガサ・クリスティー ねじれた家」

「マイ・ブックショップ」のおしゃまで大胆なことをしでかす少女(オナー・ニーフシー)の演技が秀逸だったので、別の出演作「アガサ・クリスティー ねじれた家」(2019年)も借りてみた。クセのある女優陣の中で一服の清涼剤と言いたいところだけど、これがまったく裏切られます。物語の語り手の刑事が魅力的じゃなかったのが残念。

3作品とも期せずしてイギリスが舞台。イギリスに行ってみたくなりました。

2020年4月14日(火曜)

〇体重 51.1 〇BMI 19.4 〇体脂肪率 28.3

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

うどん(乾麺80グラム。干しシイタケ、ワカメ、かまぼこ、ネギ、天かす)、サラダ(うずら豆、ちりめん、アボカド、新ジャガイモ、ラディッシュ、アスパラガス。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)

新じゃがは切ってからレンジで加熱しています

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

ニラと卵の雑炊(梅干し)、天ぷら(シイタケ、なす、ピーマン)、卯の花(おから、タマネギ、人参、干しシイタケ、シメジ、竹輪、ネギ)、ゴボウと人参のきんぴら(白ごま)、リンゴ

※鼻水が出る、痰も出る、おなかもシクシクする。何だか風邪っぽいのでこんなメニューに。

2020年4月15日(水曜)

〇体重 51.7 〇BMI 19.6 〇体脂肪率 29.6

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

味噌ラーメン(モヤシ、シメジ、ネギ、かまぼこ)、卯の花、サラダ(うずら豆、カリフラワー、アスパラガス、ラディッシュ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)、甘夏

カリフラワー、久しぶり!

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

雑煮(切り餅2個、干しシイタケ、小松菜、かまぼこ)、天ぷら(シイタケ、なす、ピーマン、かき揚げ。ブロッコリー)、キムチ納豆(ネギ)、ゴボウと人参のきんぴら(白ごま)、ブドウ

※餅と天ぷらを一緒にオーブントースターで温めたら、天ぷらが焦げてしまった。

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コメント

  1. tonton より:

    さすが、クロエさん、私以上に現実的です(笑)
    確かに姉の死は理想的で、実際にはこんなに都合よくはいかないでしょうね。
    でもこの人の生き方は参考にしたいと思いました。肩の力が抜けてて人にも自分にも寛容というか(甘いというか)、お金がなくても楽しそうに暮らしているところなど。
    「マイ・ブックショップ」のラストは原作とは違うらしいです。原作の方がさらに救いがないらしい。
    私もイギリスには一度行ってみたいです。食べ物は期待できないようですが、イギリスの田舎=ダウントンアビーの世界を歩いてみたいです。

    • クロエサト より:

      姉の常識にとらわれない生き方、魅力的でしたね。カラフルな衣装も元気が出ます。
      主人公が白、ベージュ、グレーなんかのベーシックで品のいい色の服ばかり着ていたのが、姉に感化されて、徐々に明るい色の服が増え、最後は真っ赤なスーツで家を飛び出す。髪型もきっちりセットしていたのが、ラフなヘアスタイルに変わっていく。
      実際自分ができるかどうかは?ですが(現実的すぎて冒険できないタイプなので)、見ている分には楽しい作品でした。

      >「マイ・ブックショップ」のラストは原作とは違うらしいです。

      あんな寂しい終わり方より、さらに救いがないんですか。うーん、どんなだろ。原作を読んでみたくなりました。