4月に見た映画(DVD)

今月もレンタルDVDを4枚借りました。今月は珍しく4作品ともいいチョイスでした。

今さらですが「わたしを離さないで」

「わたしを離さないで」(2011年、イギリス・アメリカ)

カズオ・イシグロの原作を読んだ時のモヤモヤ感を思い出した。どうして提供者たちは運命にあらがわないのか、残酷な運命を強いる社会に報復しないのか。

逃げることができないようにあらかじめ設定されているというようなことが原作には数行書いてあったけれど、自分たちのむごい運命に疑問を抱きつつも反旗を翻さない主人公たちにずっと違和感があった。

これじゃあ家畜ではないか。と思うと、提供者たちは確かに搾取されるだけの家畜のようにも思えてくる。先日読んだ「クララとお日さま」に連なる世界で、自分たちが作り出したものはどう扱ってもいいという人間の傲慢さが嫌になります。

主人公の介護人キャシーは「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガン。「わたしを……」のストイックな介護人と、「プロミシング……」のゴールディ・ホーンを思わせる(年を取っても)小悪魔的なヒロインが結び付かなくて混乱しました。

キャリー・マリガンが見たくて「ワイルドライフ」

「ワイルドライフ」(2018年、アメリカ)

別のキャリー・マリガンも見たくて借りたのが、こちら。舞台はモンタナ州の田舎町。失業して自信を失う父親、生活が立ち行かなくことへの焦りから不倫に走ってしまう母親、そんな両親を不安と怯えに満ちた目で見つめる14歳の息子。

親の精神状態と生活が安定しないと、子どもは早く大人にならざるを得ない。不憫です。息子のアップが長く続きますが、心の揺れが嫌なほど伝わってきます。

息子役のエド・オクセンボールドが、俳優でもある監督のポール・ダノに雰囲気が似ていて(あごが小さいところとか)、まるで兄弟のよう。ダノは息子役に自分を投影しているのかと思ってしまった。

地平線の山で火事が発生し、何週間も山の稜線からずっと煙が立ち続ける。山火事のスケールが日本とは違うアメリカならではの光景が印象的でした。

これもモンタナが舞台「ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択」

「ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択」(2016年、アメリカ)

近しい人との気持ちのすれ違い、日常の中で感じるやるせなさを、びっくりするくらい見事に表現した作品です。モンタナ州の田舎町(「ワイルドライフ」の舞台もモンタナの田舎町だった。モンタナってそんなに田舎?)で起こる3つのエピソードが4人の女優によって描かれます。最初の2つは、女を下に見たがる男たちへの怒りとあきらめに共感しました。

3つ目のエピソードは、牧場で1人で馬の世話を続ける女性が、せっかく仲良くなれたと思った夜間学校の講師(同世代の女性)がもう町に来ないと知り落胆。勇気を振り絞って車で4時間もかけて会いに行ったのに、相手にうとんじられているのを自覚して動揺、失望する。そんな彼女のやりきれない心の変化を、彼女の表情を延々と追うことで、観客に追体験させます。過去の嫌な気持ちがよみがえります。嫌だけど、すごかった。

夜間学校の講師は「アリスのままで」のアリスの次女役のクリステン・スチュワート。品があるけどボーイッシュで現代的な風貌で、今回もとても良かった。この人の出ている別の作品もまた見てみたいと思います。

双子が愛らしい「秘密の森の、その向こう」

「秘密の森の、その向こう」(2021年、フランス)

「燃ゆる女の肖像」が印象的だったセリーヌ・シアマ監督の新作。それだけの理由で借りたので、森の中で自分(主人公)とそっくりな女の子と出会ったのに、その子もその母親も、主人公と似ていることを気にかけていない様子に釈然としないものを感じてしまった。

あとから原題が「PETITE  MAMAN」(小さいママ)と知って、秘密は最初から明かされていたのかと、苦笑いしたのですが。

森の中にはどんな秘密が隠されていたって不思議じゃない。こういうファンタジー、大好きです。これはやっぱり双子の少女2人の魅力に負うところが大きい。祖母の死や母親の失踪など暗い部分もあるのに、そうした喪失感は澱となって沈み、双子の愛らしさだけが上澄みとして記憶に残ります。

池の中のピラミッドのような大きなオブジェが印象に残りました。この下を舟でくぐったら、タイムトンネルのように別の世界へつながっているのではないかと思わせます。

2023年4月28日(金曜)

〇体重 49.4 〇BMI 18.7 〇体脂肪率 26.8

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ラーメン(生麺100グラム。ネギ、かまぼこ、メンマ)、カボチャタマネギのサラダ(キュウリ)、キムチ納豆(ネギ)、甘夏

ネギがおいしい

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

雑穀入りご飯100グラム(ゆかり)、味噌汁(ナス、エノキダケ、小松菜、油揚げ、卵)、ホタルイカのカルパッチョ(タマネギ、貝割れ菜。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)、根菜の煮物(レンコン、ニンジン、タケノコ、コンニャク、がんもどき、昆布)、甘夏

2023年4月29日(土曜)

〇体重 49.1 〇BMI 18.6 〇体脂肪率 27.0

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

焼きビーフン(タマネギ、ニンジン、シメジ、小松菜、モヤシ、チクワ、イカ)、スープ(ワカメ、エノキダケ、ニンジン、ニラ)、カボチャとタマネギのサラダ、甘夏

甘夏はひとまずこれで終了。おいしかった

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

雑穀入りご飯(ゆかり)、ニラ玉の吸い物、アブラガレイのムニエル(ズッキーニ、トマト)、根菜の煮物、リンゴ

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コメント

  1. tonton より:

    「わたしを離さないで」は原作を2回読み、映画も見ています。どちらも感動しました。
    特に原作1回目を読んだ時にすごく感動したのですが、2回目を読んだとき、初めて、主人公たちはなんでこの運命に素直に従っているのか?疑問に思いました(気づくのが遅すぎる)。
    キャリー・マリガンは好きな女優で色々見てますが、『ワイルドライフ』は未見で、・・あっジェイク・ギレンホールが出てるんですね。これは見なくては!ありがとうございます(笑)

    • クロエサト より:

      tontonさん、今晩は。
      「わたしを離さないで」も「クララとお日さま」も、すごく異常な世界なのに、それをありふれた日常のように丹念に描いて説得力を持たせ、文学へと昇華させていっているという印象でした。どちらも好きなんですけどね(笑)。
      ジェイク・ギレンホールがお好きなんですね。tontonさん、もしかしたら顔のパーツが中央に寄っている顔がお好みでしょうか(ライアン・ゴズリングもそんな感じかなと)。