2017年1月 経過観察-6 &CTと被ばく量

2017年1月 経過観察-6

年が明けて1月24日、名古屋市立大学病院の放射線科へ6回目の定期検診。

名前を呼ばれて診察室に入ると、担当医の笑い声が。若い医師とモニターを見ながら談笑している。

「クロエさんのばち指の写真を見ていたんですよ。最初はひどかったけど、こんなによくなったって」

ありがとうございます〜。私も先生から治療を受けることができて、本当に嬉しゅうございます。

今現在の症状としては、寒くなると息がゼーゼーすることと、手のしびれ。でも、腫瘍マーカー、CTとも異常は見つからず。CTの肺以外の部分(肝臓、骨、副腎、リンパ節)で異常がないか、また上から下まで見てもらうが、こちらも問題なし。緊張で早く打っていた鼓動がだんだん収まってくる。

かねてより気がかりだったことを質問した。

「CTの放射線被ばくが気になるんですが、大丈夫でしょうか」

すると担当医は、

「気にしなくて大丈夫。放射線を使った治療があるくらいなので。それ、僕のもう一つの研究テーマなんですよ」

そういえば本で見たような気がする。HPにもあったっけ。戻ったら見てみよう。

それともう一つ、質問というかお願い。

「肺がんのブログを書いているんですが、病院名と先生のお名前を出してもいいでしょうか」

こちらも笑顔でOKをいただいた。

CTの被ばく線量を教えてください

レントゲンやCTなどの被ばく線量はずっと気になっていたが、先送りにしていた。毎回、CTでまた影が見つかったらどうしよう、腫瘍マーカーが上がっていたらどうしようと、そっちの心配ばかりしていたせいだ。

それが先日、やっと図書館で借りてきました、近藤誠著「放射線被ばく CT検査でがんになる」(亜紀書房)と「日本は世界一の『医療被曝』大国」(集英社新書)(両方たいてい貸し出し中で、なかなか並んでいなかった)。この本を参考に、実はこの日のCT検査の前、技師さんに聞いてみた。

「この検査の被ばく線量ってどれくらいですか」

最初声をかけたのは女性だったが、分からなかったのか、男性の技師さんを呼んできてくれた。彼は早口で、

「CTDIで8ミリグレイ」

とだけ言うと、すぐに操作室のほうへきびすを返した。

CTの待合室にはベンチが四つあるが、いつも順番を待つ患者でびっしり埋まっている。CT撮影室は三つあるが、全部フル回転しても、なかなか追いつかないのだと思う。男性技師のそっけない返事は、患者の質問に答えたいのは山々だが、そんな余力はないということかも。

「日本は世界一の『医療被曝』大国」によると、放射線被ばくによる個人への影響(がん、遺伝子的影響)は「実効線量」というもので分かるらしい。で、CTの機械には、CTDI(CT線量指標)かDLP(線積分線量)が表示されるようになっており、この値に変換係数というのをかけると「実効線量」が出てくるそうだ。

CTの被ばく線量は機器(メーカー、種類等)によってずいぶん違うらしい。肺の検査で8ミリグレイはどうなんだろう。

肺がんを疑われてから受けた肺への放射線の検査、治療を記録しておきます(B病院とC病院の機器(CT)の放射線量は不明)。

■2015年

6月8日 単純CT ?ミリグレイ(B病院)

6月9日 単純CT ?ミリグレイ(C病院。下2つも)

8月4日 PET/CT ?ミリグレイ

8月6日 造影CT ?ミリグレイ

9月14日 単純CT 8ミリグレイ(以下、名市大病院)

9月18日〜10月9日 定位放射線治療(8回) 64グレイ(64000ミリグレイ)

12月8日 単純CT 8ミリグレイ

■2016年

2月9日 単純CT 8ミリグレイ

4月12日 単純CT 8ミリグレイ

7月12日 単純CT 8ミリグレイ

10月18日 単純CT 8ミリグレイ

■2017年

1月24日 単純CT 8ミリグレイ

「治療(定位放射線治療)」はピンポイントで照射したのであまり影響を考えなくていいかもしれないけど、「検査」はどうなんだろう。何度も受けた「検査」が原因で新たにがんになっても不思議じゃないってこと、あるんでしょうか。

術後CTには意味がない?

「放射線被ばく CT検査でがんになる」によると、

「がんに関してCTが行われる場面を整理して、CTの必要性を検討することにします。/まず検討するのは、がん発見目的のCTではなく、手術や放射線治療が終わった後のCTです(術後CT)。術後、定期的に行われることが多く、その場合、被ばく線量がどんどん蓄積するからです。」

これ、治療後の経過観察を受けている、まさに今の私ですよね。

「術後CTの目的は、大きく二つに分かれます。一つは、がんを切除し、あるいは放射線をかけた部位(術後部位)の再発が生じていないか調べることです。肺がん、胃がんなどで術後CTがよく行われており、再発があれば(CTを施行しない場合より)早く発見できます。/しかし実際のところは、再発を早期に発見しても意味がない。最初の治療(初回治療)時に、手術や放射線で目一杯治療しているので、(術後部位への)再発は治すことができないからです。」

・・・だんだん口の中が乾いてくる。

「術後CTの別の目的は、(術後部位とは)異なる部位(つまり他臓器)への転移の有無を調べることです。CTをすれば、転移を早く見つけることができます。/たとえば肺転移は、従来は胸部X線撮影で調べるのが普通でしたが、転移が一センチ程度になってからでないと、確実には発見できなかった。これに対しCTであれば、二〜三ミリ程度の大きさで発見できます。/しかし肺転移の早期発見も、やはり意味がない。それらの癌の肺転移は、治す手段がないからです。つまり肺転移は、多数生じるのが原則で、手術や放射線で治療することはできず、といって、抗がん剤も効かないのです。」

こちらは肺転移の説明だけど、肺の原発巣から肺の別の場所へ転移することもあるし、CTに映った肺の周囲の臓器も見てもらっているので、私にも当てはまると思う。

再発を早く見つけても、他臓器への転移を見つけても、無駄? このまま漫然とCT検査は受けないほうがいいということ?

実は「放射線被ばく CT検査でがんになる」に私の担当医の研究を否定する文章があるのに気付いたのが、10日ほど前。

どうしよう。近藤医師の意見と担当医の方針が真っ向から対立している。自分で書いてて怖い。

放射線被ばくについては、もう少し調べてみたいと思います。といっても、次の経過観察は4月に迫っているんですが。

何かもう、目を閉じ、耳をふさいでいるほうが、よっぽど楽。自分から心配の種を引き寄せている気分。

→続きです。

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コメント

  1. tonton より:

    検診は病院によって頻度も内容もずいぶん違うようですね。
    国立がんセンターでは最初の半年は1ヶ月、3け月、6け月と検診がありましたが、以降はずっと半年に1回だけ。胸のレントゲンと血液検査、1年目に肝臓のエコーのみで、CTは一度もありません。
    理由は早く見つけても意味がないとしか聞いてませんが、実際は肺腺がんは再発転移したら治らないというのが定説みたいですね。すごくショックでした。
    でもどんどん新しい薬もできているので、治らなくても共存は可能では?と楽天的に考えるようにしています。
    私はお金をかけないNK細胞活性化として、爪揉みと笑うことを実践してます。

  2. クロエサト より:

    tontonさん
    驚きました。病院によって本当に違うんですね。私のかかっているのが放射線科だから、毎回CT検査をするんでしょうか。
    最初の説明のときに、再発しても再び放射線治療ができると聞きましたが、それも場所によりけりなのかも。
    とにかくがんに関しては素人なので、またいろいろ勉強です。
    情報をありがとうございました。
    クロエ