ペットと飼い主-2

老猫を残して

もう10年以上前になるが、漠然と引っ越しを考えていたころ、友人から、知り合いのそのまた友人の部屋が空くけど見に行かない? と声をかけられた。

マンションの部屋の持ち主は一人暮らしの60代女性。最近、乳がんのため病院で亡くなったという。その方は2匹の老猫を飼っていて、猫の行く末をずっと案じていたそうだ。そのため猫を最後まで面倒みてくれることを条件に、格安で部屋を譲るということだった。

ちょうど今くらいの時期の暑い午後だった。

友人と地下鉄の駅で待ち合わせて、マンションへ向かった。部屋はメゾネットタイプで60平米ほどだったか。亡くなった女性の親類だという30代くらいの姉妹が待っていた。

部屋は、もとの住人が入院する前と同じ状態に保たれているようだった。女性が「ただいま」と帰ってきても不思議ではないほど、その人の気配に満ちていた。彼女の息づかいが充満しているようで、息苦しかった。

猫が1匹、主のいなくなった部屋の隅から、見慣れぬ闖入者たちが勝手にものを動かしたりする様を恨みがましそうな目で見ていた。もう1匹はどこかに隠れて最後まで姿を見せなかった。

「猫は家につく」

親類の姉妹はぎこちない笑顔で言葉を継いだ。

猫は高齢なので、このままこの部屋にいさせてやりたいというのが故人の望みだった。だから猫好きな人が暮らしてくれると嬉しい。ただ新しい猫を連れて来られると困る。先住猫のストレスがたまるので。2匹が最後まで安心して暮らせるようにしてやりたい。家具や衣類は勝手に処分してもらっていい。好きなのがあれば使ってほしい。

和箪笥には古びた着物があふれんばかりにしまい込まれていた。長年開けていなかったようで、ガタガタ言わせながら引き出しを開けると、かび臭いにおいが広がった。

いたたまれなかった。もう10分だってそこにいたくなかった。

私も猫を飼っている、やっぱり一緒に暮らせないと困るからと言って、逃げるように外へ出た。梅雨の合間の青空が目にしみた。

姉妹も自分たちの言葉が勝手な言い分だと分かっていたと思う。なかなか買い手が見つからず、困っていたのだろう。その後、あの部屋と2匹の猫がどうなったのか聞いていない。

ペットをどう託すか

10年以上前は人ごとだった。私は健康で、飼い猫もまだ若かった。しかし今は自分に近い話として、よく思い出す。

私もこの先、もし乳がんの女性のように部屋に戻ることが叶わなくなったら、猫はどうなるのか。弟やその家族に、あの姉妹のような思いを味あわせたくない。そのためには、誰にどういうふうに託しておけばいいのか。

飼えなくなったペットを死ぬまで面倒みてくれる施設があると何かで読んだ。少しずつ情報を集めて、考えていきたいと思う。

2017年7月5日(水曜)

〇体重 49.5 〇BMI 18.7 〇体脂肪率 24.9

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

冷やしそうめん(ネギ、カニかまぼこ)、焼き物(ナス、エリンギ、厚揚げ。生姜醤油)、きんぴら(ゴボウ、人参、黒ごま)、サツマイモ煮

■お八つ

飴、コーヒー

■夕飯

ご飯(雑穀入り、100グラム)、味噌汁(ワカメ、シメジ、大根)、イワシの生姜煮、ゴーヤーチャンプルー(タマネギ、人参、ゴーヤー、豆腐、卵、イカ)、梅干し、海苔

※イワシは6尾煮たので、あと2尾あります。ニャーニャー攻撃(くれくれ攻撃)に負けて、半身くらいは猫の胃の中へ。今は満足したのか、ヘソ天で寝ています。

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