猫の緑内障


先月末、猫の左目がおかしくなり、動物病院へ連れて行ったと書きました。最初からの経緯です。

涙、鼻水、瞬膜の異常

9月2日(土)左目から赤茶色の涙が出始める。動物病院で目薬を処方される。以後、涙と左の鼻からの鼻水が断続的に続く。

10月17日(水)涙と鼻水が改善しないので動物病院へ。風邪かもしれないとのこと。抗生剤とステロイドの注射。飲み薬をもらって帰宅。

27日(金)左目の目頭部分の瞬膜がだらんとしている。まぶたも重そう。驚いて動物病院へ。緑内障かもしれないとの診断。緑内障の目薬を処方される。

28日(土)抗生剤とステロイドの粉薬の処方。

30日(月)さらに瞬膜が広がる。動物病院へ連れて行くと、緑内障に間違いない。左目が見えていないとのこと。

失明

眼球の中には房水という液体が常に流れて眼圧を一定に保っているが、房水の排出口が詰まって眼圧が高まる(眼球が大きくなる)のが緑内障。

緑内障は1年ぐらいかけてゆっくり進むタイプと進行の早いタイプがあるが、うちの猫は早いタイプ。3日間様子をみてと、のんびり構えていたら失明してしまった。

犬に比べて猫の緑内障は珍しく、獣医師もこの1年間に猫の緑内障は診たことがないそうだ。眼球が腫れて牛の目のようになるので、牛眼(ぎゅうかん)の別名があるという。

鼻水は、排出されなかった房水が出ていたらしい(目と鼻は副鼻腔で繋がっているため)。

緑内障の原因は不明で、結膜炎かもしれないと様子をみていたら病状が一気に進み失明というのは、よくあるケースとのこと。飼い主が気を付けていても分からないという。

「あれ、目が変だな、見にくいな、と猫が言ってくれればいいんですけどね」

獣医師はそう言ってなぐさめてくれたが、あまりのショックで間の抜けた返事しかできなかった。私は何というぼんくらなのか。一番近くにいて猫の変化に気付いてやれるのは自分しかいないのに、一体何を見ていたのだ。本当にごめん。

9月から体重減少、抜け毛も減少

私は体重や体脂肪などを毎日記録しているが、猫も週に1回体重を量っている。記録を見ると、平均して5.5キロあった体重が、9月の頭から徐々に減り始め、10月の頭には5.2キロ、11月頭には5.0キロまで落ちた。

19歳のメスで5.5キロというのは明らかに肥満なので(危険レベル)、痩せてくれてよかった、でもスピードが速いかな、程度にしか思っていなかった(前足にハンディがあるので、太っていると負担が大きいという心配もあった)。

また毎晩、猫をブラッシングするのが習慣だが、こんな老猫でも毎日結構な抜け毛(アンダーコート)が出ていた。猫の換毛期は春と秋だそうだが、室内飼いだとあまり時期は関係ないとも言われる。うちの猫は完全室内飼いのためか、一年中同じような量の抜け毛があった。

しかしその抜け毛の量が減り始めていた。やはり9月頭ぐらいからだった。

振り返れば、そのころから猫の病は徐々に進行していたのだ。19歳だし・・・とのんきに構えていた自分を悔やんでも悔やみきれない。

手術、注射、目薬

月が変わる頃、猫は目が痛いのか身体がだるいのか、一日のほとんどをドーム型のベッドで寝て過ごしていた。起きるのはご飯と水、トイレのときだけ。

粉薬は液状おやつに混ぜたら一度だけ飲んだが、次に与えたら、においを嗅いだだけで見向きもしなかった。ただ、目薬だけは以前から大人しく点眼させてくれて、これだけは助かっている(嫌がる猫は多いそうだ)。

11月2日(木)薬を飲まないので動物病院で注射。炎症を抑え、赤みや腫れを引かせる成分。

小さな動物病院なので、眼底検査くらいはしてもらえるが、眼圧を計る機器はない。目を専門に診てもらえる動物病院が近隣の長久手市にあるが、車で30〜40分かかるとのこと(車を持っていないので通院は難しい)。

ネットで調べていると、玉石混交の情報に翻弄されて不安で怖くなり疲労感でぐったりするのは、自分のがんと同じ。それでも調べずにはいられず、不安の種を獣医師にぶつける。猫の緑内障の治療法、症状が進んだら、などなど質問。

「治療法としては、腫れがひどくなると、眼球を摘出して義眼を入れることがある。ただし犬が中心で、猫はほとんど聞かない」

「痛みがひどい場合は、全身麻酔をして眼球に注射をする。しかしこの子は19歳と高齢なので麻酔は負担が大きい。できれば薬だけにしたい」

「眼球が大きくなってまぶたを閉じられなくなると、目が乾いて痛くなる。そのときは専用の目薬をさす」

私も点眼と投薬だけで症状がコントロールできればと思う。

「片目が緑内障になると、もう片方もなりやすいとあったんですが」

「今考えても仕方ない。考えないほうがいいですよ」

痛み、友人の目の手術

「痛みはどうでしょう」

「動物は我慢強い。野生動物は何かあったときいちいち痛がっていたら生きていけない。人間が思っているほど痛くないかもしれません」

確かに。人と同じように想像しがちだが、人とペットは違う。痛いかもしれないし、痛くないかもしれない。結局分からない。

そういえば、猫に詳しい友人がいる。猫の緑内障について何か知っているかもしれないと電話をすると、どういう巡り合わせか、彼女自身が目の病気で来週手術するとのこと。緑内障じゃないけどそれに近い病気で(病名を聞いたけどよく分からなかった)、レーザーで片目ずつ2日かけて手術を受けるそうだ。

「猫も治療してもらえないかな」

「残念だけど無理だろうねー」

そりゃそうだ。猫の緑内障については聞いたことがないとのことだった。

進行が止まった?

11月6日(月)診察のみ。

猫は打たれすぎたボクサーのように、まぶただけでなく顔の左側全体が腫れてきた。日々、眼球が肥大している様子におののく。

「でも破裂することはないから。今がマックスかもしれない」

と獣医師。左目の瞳孔は、右目と連動して動く。一見すると失明しているように見えないのは、「その神経は切れていないのかもしれない」からとのこと。

9日(木)ダメ元で、再び液状おやつに粉薬のステロイドを混ぜたら、食べた。食べてくれた!

それ以降、ドームから出て、窓際の日当たりのいいベッドで横になっている回数が増えた。食欲も戻ってきた。ステロイドのおかげ? そんなに即効性があるものなんだろうか。

11日(土)(昨日です)診察のみ。ステロイドを6包処方してもらう。獣医師から、

「月曜のときと比べて顔つきが穏やかになった」

と嬉しい言葉が。言われてみると、確かに眼球の腫れが少し治まった気がする。

元に戻ることはない、進行するかもしれない、と言われていた。

元に戻らなくてもいいから、これ以上進行しないでほしい。そう願っていたので、光明が差した思いがした。

現在の猫

猫の形相が変わって十日ほど。最初はちょっとひるんだが、じきに慣れた。

ここ数日の様子は、伸びた瞬膜は相変わらず充血していて痛々しい。涙はよく出る。鼻水はほとんど出ないが、鼻くそがよく詰まっている。鼻呼吸がしづらそうなので取り除く。目薬なのか、目の下の毛がよく固まっているため、湿らせたティッシュで拭き取ってやる。

薬は、緑内障の点眼薬を一日2回。粉薬を一日1回、昼に液状おやつに混ぜて与えている。

しかし今日は薬を飲まなかった。においを嗅いだだけでそっぽを向かれた。と思ったら、夕方になったら食べた。

食べる食べないの基準は一体何なのだ。まだまだ悩ましい日々は続きます。

(写真は今日の昼、窓際の猫ベッドでまどろむ猫。左目の周囲が、涙や目薬のせいで茶色になっている)

2017年11月12日(日曜)

〇体重 49.1 〇BMI 18.6 〇体脂肪率 26.2

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

醤油ラーメン(ネギ、メンマ、竹輪)、里芋とイカの煮物、サバ味噌缶(レタス、玉ネギ)

■お八つ

飴、コーヒー、柿ピー

■夕飯

ご飯(雑穀入り100グラム)、酢豚(タラの天ぷら、玉ネギ、人参、ピーマン)、スープ(カボチャ、シメジ、レタス、卵)

※肉の代わりにタラの天ぷらを入れています。

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コメント

  1. tonton より:

    瞬膜って初めて知りました。
    猫ちゃんも飼い主のクロエさんも大変でしたね。

    >動物は我慢強い

    確かに動物は口もきけないし、痛いと騒ぎませんよね。
    だから余計心配なんですよね。
    30年前は飼い犬の平均寿命は4年だったそうです。
    今は寿命が延びて一緒にいる時間が長くなった分だけ、ペットは「家族」なんですね。
    どうかこのまま落ち着いて、猫ちゃん元気になることを祈っています。

    • クロエサト より:

      心配していただいてありがとうございます。
      ペットの生殺与奪の権は飼い主が握っていることを実感しました。
      積極的に治療を受けたいのか、薬も要らないのか、猫自身が選んでくれたら、その通りにしてやるのに。
      責任が全部飼い主にのしかかってくる。しんどいです。
      きっと子供の治療の選択を迫られる親もこんな気持ちなんでしょうね。