がんの最新レーザー治療「光線力学療法(PDT)」

6月に光線力学療法について少し書きましたが(→「「光」ががん治療のトレンドに?〜光免疫療法と光線力学療法」)、光線力学療法って以前から多くの研究者が取り組んでいたんですね。認識不足でした。

というのも、昨日(26日)の夕方テレビを付けたら「サンデーステーション」(テレビ朝日系)で、「光で「がん」が消える最新レーザー治療」を紹介していたため。途中からだけど録画しました。

再発食道がんに効果

京都大学附属病院で行われているのは、食道がんが専門の武藤学教授のグループによるレーザーを使った「光線力学療法(PDT)」。

治療の4〜6時間前に、がん細胞が集中しやすい薬を患者へ注射しておき(PET検査のブドウ糖のようなもの?)、そこへレーザーを当てると、活性酸素が発生してがん細胞を破壊。正常細胞にダメージを与えることなく、がんが死滅するそうだ。

これまで抗がん剤や放射線治療後に食道がんが残ったり再発したりした患者26人に臨床試験でPDTを行ったところ、23人でがんが完全に消滅。有効率はなんと9割。

内視鏡を使ったPDTは20年前から行われてきたが、以前は薬の副作用で光を浴びると目や皮膚に炎症を起こしたため、患者は治療後1カ月間、病院の暗室で過ごす必要があった(読書灯も禁止。本も読めないなんて!)。

武藤教授のグループは副作用の少ない薬を開発し、2015年に薬事承認される。このおかげで患者は治療後も薄明かりの中で過ごせるようになり、入院期間も短縮されたという。

肺がんも公的保険適用

番組では食道がんの80代男性が治療を受けていたが、3週間で退院していた。ちなみにレーザーを当てる時間は1カ所につき11分7秒(妙に細かい)で、治療自体はわずか1時間半で終了。

手術と違って身体への負担が少ないため、再発しても早期発見できれば何度でも治療を受けられるそうだ。

しかも健康保険が利く。PDT治療は食道がんのほか、肺がん、胃がん、子宮頸がん、悪性脳腫瘍で公的医療保険が使えるという。

ただ治療を受けるには条件がある。

食道がんの場合は、放射線治療を受けた上でほかの臓器に転移しておらず、がんの大きさが3cm以下、食道の壁の半分程度までにとどまっていること。

肺がんなら早期の扁平上皮がんに成果

番組では肺がんの条件には触れていなかったので、少しネットで調べてみた。

従来は中心型早期肺がん(腫瘍が区域気管支より中枢に位置し、気管支粘膜、粘膜下層に転移を有さない扁平上皮がん)で1㎝以下が可能だったが、今は進行肺がんで腫瘍がもっと大きくても対象となるようだ(医療機関によって少しずつ異なることが書いてある)。いずれにしろ、食道がんとはずいぶん条件が違う。

また、治療を受けられる医療機関が限られており、食道がんだと全国で約20カ所。極めて少ない。武藤教授はPDT治療が受けられる病院が増えるように講習会を開いているそうだ。

それでは肺がんだとどこで受けられるのか。愛知県では? ちょっと調べてみたが、県内だと愛知県がんセンターくらいしか分からなかった。

3年前に知っていたら

ここで振り返らないではいられなくなる。

3年前に肺がんと診断されたとき、PDTが治療の選択肢にあったら自分はどうしていただろう。私は3㎝の腫瘍が肺野部にできた腺がん(末梢型)なのでPDTの対象にはならないと思うが、もし初期の扁平上皮がんでPDT治療を受けることが可能だったとしたら?

そして、私は身体に負担の少ない治療が受けたくて放射線を選んだが、それよりさらに負担の低そうなPDTの情報にどうして辿り着けなかったのか。肺がん治療の世界では、放射線どころじゃなく虐げられている分野なのでしょうか・・・。

できる限り調べたつもりだけど、選択肢は全部揃っていたわけじゃなかった。治療を受けられないにしても、情報として知っておきたかった。素人の限界を感じます(単に調べるのが下手なだけかもしれませんが)。

2018年8月26日(日曜)

〇体重 50.7 〇BMI 19.2 〇体脂肪率 27.2

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ざるそば(乾麺80グラム。ネギ、海苔)、シイタケとちりめんのアヒージョ(ニンニクオイル)、レンコンの煮物(人参、コンニャク、練り物)

■お八つ

コーヒー、飴、クラッカー

■夕飯

雑穀入りご飯(100グラム)、ワンタンスープ(エリンギ、タケノコ、ネギ)、ゴーヤーチャンプルー(タマネギ、人参、マイタケ、タケノコ、ゴーヤー、ネギ、豆腐半丁)、タコとオクラ(セロリの葉)

2018年8月27日(月曜)

〇体重 50.4 〇BMI 19.1 〇体脂肪率 27.7

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ざるうどん(乾麺80グラム。ネギ、おろし生姜)、焼きもの(タマネギ、人参、カボチャ、マイタケ、タケノコ、厚揚げ。甘味噌)、小豆とトマトとオクラ(甘酢がけ)

■お八つ

コーヒー、飴、クラッカー

■夕飯

雑穀入りご飯(100グラム)、くず豆腐(豆腐半丁、シメジ、ネギ)、エボダイの干物(ピーマン)、だし巻き卵(卵2個)、梅干し、海苔

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コメント

  1. tonton より:

    クロエさんで調査不足を言ったら、私なんて手術以外考えもしませんでした。
    でもこれ↓読んでちょっとショックです。http://www.kameda.com/pr/pulmonary_medicine/post_24.html
    ここは千葉で有名な最新治療を揃えた病院です。
    肺がんの1cm以下で94%、1cm以上で90%で有意差を認めず。これ完全消失率ですよ!合併症や副作用もないし、低出力レーザーってそんなに高額じゃなさそうだし、ファーストチョイスとしてもっと普及しても良さそうなのに……
    もしや小説「虚栄」にあったみたいな各科の派閥争いで邪魔されてるのか?と勘ぐってしまうほどです。

    • クロエサト より:

      亀田メディカルセンターは有名ですよね。今回の記事を書くときも少し参考にしました。
      「今後は、早期末梢小型肺癌に対するPDTの多施設共同試験も予定されています。」とあるので、tontonさんのケースだったら対象になったかも。
      この治療法、もっと広く知られるべきですよね。

      >各科の派閥争いで邪魔されてるのか?

      tontonさん、思考回路が私と同じ(笑)。PDTが普及したら困る人がたくさんいるのでしょう。
      もしかしたら、こんなふうに知られていない素晴らしい治療法がもっとあるのかもしれない。
      それが医療界の覇権争いのせいで患者に届かないというのは、恐ろしい気がします。