がんで破産? 日本の場合-1

5月24日、アメリカでは高額な医療費のために破産する人がいるという話を書きましたが、じゃあ日本はどうなんだろう。自分の周りでは聞いたことがないけど、そういう人はいるんでしょうか。

昔は結核の特効薬のストレプトマイシンが高額で、家族が結核にかかると注射のために借金したり田畑を売ったりして破産する家もあったという。昔と言っても1950年くらいまでの話。

日本で皆保険制度ができたのは1961年だから、それ以前に大きな病気にかかると、患者と家族は治療費を捻出するため大変な苦労をしたんじゃないだろうか。

(生命保険の世帯加入率は1965年で71%(生命保険文化センター「生命保険に関する実態調査」)という調査があるが、死亡保障がメインのようなので、ここでは考えません)

現在は、公的な保険に加入して標準的な治療を受けている限りは、高額療養費制度もあるし、まぁ大丈夫と考えていいのか。

とすると、生活が脅かされそうなのは、社会保険が効かない全額実費の治療? たとえば先進医療。そして健康食品やさまざまな民間の代替療法(一緒に並べると怒られそうですが)。

免疫療法で2000万円

以前、友人の母親が大腸がんと肺がんの手術後、メシマコブを飲んでいると聞いたとき、「ふーん、そうなんだ」程度にしか思わなかったが、近藤誠著「医者に殺されない47の心得」(アスコム)を読んでいて驚いた。

「あやしいがん治療法がいっぱい!」「『免疫療法』にもご注意を」という小見出しのあと、

「どの方法も延命効果さえ証明されていないのに、けっこうなお金をとります。プロポリス、メシマコブなどは、医者の言うとおりに飲むと月に20万円以上かかるのはザラ。」

月20万? 友人のところもそんなに払ってたんだろうか。本では続いて、免疫療法について、

「最高金額では、ある国立大学教授が喧伝していた療法で『ワンクール2千万円』というのも、かつて耳にしました。」(同)

2000万? 言い値にしたって吹っかけすぎでは? しかもワンクールって。何クールやればいいの? お金が続く限りってことですかね。

人の弱みにつけ込んで途方もない金額を吹っかけてくる輩にとっては、金の切れ目が縁の切れ目。患者からもうしぼり取れないと分かった段階で放り出してしまうんだろーなー(違う? 違ったらごめんなさい)。

「高価」と「効果がある」はイコールではない

しかしブランドものと同じく、高ければ高いほど価値があると錯覚するのは人間の悲しい性。

小野寺時夫著「人は死ぬとき何を後悔するのか」(宝島社新書)では、大腸がんが肝臓に転移した70代の会社社長が、「数百万円から数千万円もする免疫療法が効かないとは考えられない」と怒る話が出てくるが(ああ、やっぱり1000万単位で治療をしているところがあるんだ)、小野寺医師は、

「『特別高価な免疫療法が効かないわけがない』と誤解している人が少なくありません。民間の代替医療も高いほど効くと誤解している人が多いのです。」

と結ぶ。

この社長のように「これ以上治療法がない」と言われたら、やっぱり私も代替医療に走りたくなるんだろうか。

でも社長のように「金は充分ある」人はいいけど、そうじゃない人はわらにもすがる思いで必死にお金をかき集め、借金まみれになり、破産へと突き進んでいくことになりそうだ。

いや、その前に(独り身で仕事の不安定な)私なんかにお金を貸してくれるところはあるんだろうか(多分ない)。

続きます。

→「がんで破産? 日本の場合-2

2017年5月30日(火曜)

〇体重 49.4 〇BMI 18.7 〇体脂肪率 26.3

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ビーフン(タマネギ、人参、シイタケ、小松菜、ちくわ、魚肉ソーセージ)、ワンタンスープ(キャベツ、シイタケ、ネギ)、豆腐(ミョウガ、ネギ)、サラダ(小豆、ブロッコリー、カボチャ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)

■お八つ

■夕飯

ピザトースト(タマネギ、チーズ)、オープンサンド(ローズレタス、イワシハンバーグ)、サラダ(ローズレタス、タマネギ、人参、大納言小豆、アボカド、ラディッシュ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル、バルサミコ酢)ポタージュスープ

※パンは8枚切りです。

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コメント

  1. 四国の片隅で より:

    クオリティーの高いブログにも出会えました。いろいろと参考になります。
    ありがとうございます。

    当方、肺がんかもしれないブログ
    というのをたちあげ
    思い付いたらかきちらしております。

    失礼します。

  2. tonton より:

    こんばんは。
    ガンは検査代だけでもバカにならないのに、保険外治療をすると破産もあるかもしれませんね。
    私は漢方薬が月2万弱かかりました。今は主治医に紹介状を書いてもらって大学病院で漢方を試そうとしているところです。初診まで3ヶ月待ちで、まだ初診に至っていませんが、保険が効くと値段が1/3位になる予想です。
    それにしても免疫療法はなぜそんな値段で成り立つのでしょうか?ちなみに千葉大学でもやっています。一回60万円弱で保険外でやっているようですが、「エビデンスが無い」=「効果が無い」ではないということなんでしょうか?
    ガンは個人差が大きいので、何でも時々劇的に効く人がいて、その辺を大げさに広告したりはありそうですね。

    • クロエサト より:

      月2万ですか、毎月となると大きいですよね。
      エッセイストの岸本葉子も手術後、漢方薬を飲んでいると書いていました。がんの治療後に漢方薬を服用している患者さんって結構いるのかもしれませんね。

      千葉大学で免疫療法をやっているとは知りませんでした。ネットで見ると、大学でやってるところってたくさんあって驚き。
      免疫療法は莫大な利益を生むので、企業が大学病院に寄附をして共同研究をしている例もあると聞きます。でもわらにもすがりたい患者がそこまで見極めて選択するのは大変かも。

      >ガンは個人差が大きいので、何でも時々劇的に効く人がいて、その辺を大げさに広告したりはありそうですね。

      本当にそうですよね! 30人に1人しか効かなくても効果ありと謳っているクスリもあるようで。患者もちゃんとデータを求めないといけないのかもしれませんが。