がんで破産? 日本の場合-2

陽子線治療で300万円

一昨日(5月30日)、日本で医療費のために破産するのは、公的な保険で補償されない代替療法か先進医療のせいじゃないのかと書きました。

先進治療については、私も陽子線治療を2回勧められた(1回目2回目)。実費で300万弱かかるが、民間保険の先進医療特約などに入っていればカバーできるようだ。だけど私は加入していなかったし、そもそも定位放射線治療(リニアック)で十分だと思っていたので、陽子線治療は最初から選択肢に入れていなかった。

でも普通は医師から勧められたら、患者の心は揺れるはず。

もし私が受けるとすれば、名古屋陽子線治療センターになりますが、治療費は288万3000円(検査料や入院費が別途かかる)。

「そんな、いっぺんで払うのはとても無理」という人には、お金を貸してくれる制度があった。ホームページにちゃんと載ってて驚きました。もちろん利子が付く。患者支援制度だそうです。これで思うような治療結果が出ず、仕事もできなくて返済不能になったら、破産ってことになるのか。

民間だと医療ローンというのがある。そうか、こういう制度を利用して返済不能になり、破産してしまうということなんだろうか。

治療費の一括払い

定位放射線治療のときは3割負担で19万2520円だったが、それでも初回のとき、一括払いを求められた。途中で逃げられたら困るからだろう。

先日、南俊秀著「モンスターペイシェント 崩壊する医療現場」(角川SSC新書)を読んでいたら、こんな話が紹介されていた。

救急車で運ばれてきた男性が治療を受けたあと、「今、持ち合わせがない」と治療費を払わずに帰ってしまった。メモしていった住所氏名はもちろんウソ。また、一度も検査を受けていない臨月の妊婦が運び込まれて出産したものの、支払い拒否(もしくは最初からお金がない)。ひどいときは生んだばかりの赤ちゃんを置き去りにして逃げてしまうこともあるそうだ。

今はどこの病院経営は大変だと聞くし、取りっぱぐれたら大変。慎重になるのもうなずける。

でも、回収できなかった治療費は、国公立の病院なら最終的には私たち国民が負担することになるわけで、そう思うと、「病院の人たち、頑張って!」と励ましたくもなりますね。

ディーン・フジオカが取材「がんゲノム医療」

日本だと医療費で破産する前に、治療を断念する人のほうが多いのではないだろうか。

私は見ていなかったけど、先週5月27日放送の「サタデーステーション」(テレビ朝日)で、ディーン・フジオカが「がんゲノム医療」を取材、紹介していたそうだ。

(下は番組HPより)

「ディーンが取材したのは、国立がん研究センター東病院(千葉・柏市)を中心に、全国240以上の病院が参加する「スクラムジャパン」という大規模なプロジェクトです。がん細胞の遺伝子を解析して、患者ごとに適切な治療薬を選ぶ「ゲノム医療」の臨床試験を進めています。対象は進行した肺がんと消化器がん患者で、従来の抗がん剤に効果が期待できなくなった人たちです。臨床試験では、副作用もなく、がんが大幅に縮小した患者も。新たな医療の可能性について、医師から話を伺いました。」

NHKスペシャル「プレシジョン・メディシンの衝撃」

これって昨年(2016年)11月20日にオンエアされたNHKスペシャル「“がん治療革命”が始まった~プレシジョン・メディシンの衝撃」と同じですよね(番組、メモしてました)。

(今はプレシジョン・メディシンという言葉は使わないんだろうか。ゲノム医療というようになったのかしら)

(以下、自分のメモより)

プレシジョン・メディシンは精密医療のこと。がん細胞の遺伝子解析をすると、変異を起こした遺伝子が見つかることがあり、それに適した分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤で抑えるという治療法。もともとアメリカで、増大する医療費、薬剤費を抑えるために2015年より始まった政策だそうだ。

スクラムジャパンは235病院と15製薬会社が参加(半年の間に参加病院が増えていますね)。

進行がんの患者6658人のがん細胞の検査をし、700人に効果のある薬が見つかる。たとえば肺がんの抗がん剤は以前は3割の患者にしか効果(腫瘍が小さくなること)がなかったが、特定のがん細胞に適した分子標的薬ゲフィチニブを使ったところ、7割の患者に効果があった。肺がんなのに甲状腺がんの抗がん剤が効く患者もいたそうだ。

臨床試験なら無料、一般患者は実費

番組では5人のがん患者が紹介されていた。4人が遺伝子解析によって効果的な薬が見つかり、そのうち3人が腫瘍縮小、1人が腫瘍は縮小するも転移。最後の1人は遺伝子解析をしたが陰性で治療を受けられず、ということだった。

遺伝子解析でがんに適した薬が見つかり、それを服用したおかげで腫瘍が小さくなったとなったら嬉しいはず。でも、その状態をキープするには薬を飲み続けなければならない。

番組ではシビアすぎる現実が描かれておりました。

患者は臨床試験なら費用がかからない。でも一般の患者だと有料。

プレシジョン・メディシンは一部の病院ではすでに一般診療で行われている。

北海道大学病院は(番組放送の)半年前から遺伝子診断を始めた。ただ、がん細胞の遺伝子解析は保険適用外のため40〜100万円かかる(検査する遺伝子の数が増えると料金が上がる。この時点でもうハードルが高い)。

さて、北大病院で子宮体がんの50代女性が遺伝子解析を受けたところ、乳がんと腎臓がん用の薬が効果ありと診断された。しかし子宮体がん用の薬ではないため保険適用とならず、薬代は実費。その額、月に90万円。

普通の家庭ではまず払い続けるのは難しいはず。効くと分かっていて治療を断念せざるを得ない現実。非情で残酷な話だ。

と思っていたが、さて、Nスペが放送されてはや半年。何か進展があっただろうか。その意味でも「サタデープロジェクト」を見たかった(ディーン様も)。

※その後、番組は本になりました。ブログで紹介してます。→「「がん治療革命の衝撃 プレシジョン・メディシンとは何か」」

2017年6月1日(木曜)

〇体重 49.1 〇BMI 18.6 〇体脂肪率 25.7

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

焼きそば(タマネギ、キャベツ、ちくわ)、味噌汁(シイタケ、油揚げ、オクラ)、サツマイモのグレープフルーツジュース煮とインゲン

※お昼、ちょっと軽めにしてみました。すると、午後、眠くならない。食べ過ぎのせいだったんでしょうか?

■お八つ

コーンフレーク(豆乳)

※でも途中でお腹が空いて空いて。

■夕飯

ご飯(雑穀入り、100グラム)、ニラと卵の吸い物、アジフライとクリームコロッケ(ローズレタス)、くず豆腐(ネギ、シメジ)、梅干し、海苔

※豆腐は大きめのものを1/3丁使用。ボリュームあります。

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コメント

  1. tonton より:

    NHKスペシャルは私も見ました。ディーン様は知りませんでした。
    別のがんの薬を使うと、自費になってしまうなんて!まさに”非情で残酷な話”ですよね。
    そもそもガン自体わかっていないことが多い病気なんだし、早く同じガンのくくりで保険を適応させて欲しいです。ガン対策は国家的なプロジェクトでもあるのですから。
    だんだん国立や公立病院でも、お金があるなしで命が選択される時代になってきたようで、シビアになったなぁと思います。
    里見清一著「医師の一分」では命の上下に抵抗感を持った私ですが、医療とお金がこうシビアになってくると、もう年齢でいいよ!って気になってきます。
    いくらお金持ちでも80すぎの人には積極的な医療はなし。代わりにどんな貧乏でも若い人なら、最先端医療まで施す。なんだかそれが一番フェアな気がしてきてます。
    私は一番中途半端な年齢ですけど。
    ところでがんセンター東病院って、ずいぶん最先端な治療をしていたのですね。築地の別館くらいに思ってた(汗)

    • クロエサト より:

      >ところでがんセンター東病院って、ずいぶん最先端な治療をしていたのですね。築地の別館くらいに思ってた(汗)

      なるほどー。地方にいると、このへんの感覚がよく分からなくて、東京の人はこんなふうに見ているんだなと一人頷いたりしています(そもそも自分の知見が狭いのが一番の原因ですけど)。

      >里見清一著「医師の一分」では命の上下に抵抗感を持った私ですが、

      私もそうです! これ、ブログに書こうと思っていました(なかなか手を付けられませんが)。

  2. 大島 安子 より:

    プレシジョンメディシンやがんゲノム医療は、その検査費用、また保険適用とならない場合の薬代は自費となるので、自由診療保険メディコムのでも入っておかないと対応できないのが現実です。

    • クロエサト より:

      大島さん、初めまして。コメントをありがとうございました。
      確かに、もしものときに先進医療を受けたい人は加入しておくべきですよね。でも私みたいにぎりぎりの生活をしていると、がん保険まで手が回らず。悩ましいところです。