旅をしたくなる映画2本

「15時17分、パリ行き」

クリント・イーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」(2018年)をDVDで見ました。

アメリカの幼なじみの3人の若者が休暇でヨーロッパを旅行中、アムステルダム発パリ行きの高速鉄道の車内でテロ事件に遭遇。3人は危険を顧みず犯行を阻止、一躍ヒーローとなる。

2015年に実際に起きたイスラム過激派によるタリス銃乱射事件の映画化で、主人公の3人を本人たちが演じたことでも有名になりました。

ホントに素人? と驚くくらい達者な演技で、これじゃあ演技を何年も勉強したプロの俳優も形無し。ただ過去の経験の再現なので、演技とは言えないかもしれませんが(3人の自然な言動を引き出した監督やスタッフがすごいとも言える)。

テロリストに素手で立ち向かう

映画を見る前は、銃やナイフで武装した犯人(一人だけど)に素人が素手で立ち向かえるのかと疑問だったが、3人のうち二人は米兵でした。そのうち一人(ストーン)は衛生兵で、人命救助や柔術を学んでいたので、その知識や技術をいかんなく発揮できたというわけ。

ホントはストーンは戦場に出たかったのだが、落ちこぼれて衛生兵に。でもそのおかげでヒーローになれたわけで、人生、皮肉なものです。

一つ意外に思ったのは、3人はローマやヴェネツィア、アムステルダム、ベルリンなどの観光地を巡るのだけど(若いときののんびりした旅っていい)、現地で知り合った人々が、3人がパリに向かうというと一様に眉をひそめていた。ヨーロッパではパリは嫌われているのでしょうか。

6月の新幹線殺傷事件

さて、映画を見ている最中に思い出したのが、日本の新幹線で起きた殺傷事件。

6月9日、走行中の東海道新幹線のぞみの車内で、22歳の男が突然、周囲の女性客に切りつけた。止めに入った38歳の男性がナタで殺害されたという痛ましい事件です。

もしかしたら男性は「15時17分、パリ行き」を見ていたのかもしれないと、ふと思ったのでした。

映画の最後でフランスのオランド大統領は、

「あなたがたは勇気を持って人命を救い、困難な状況で何をすべきかという手本を示した」「テロリズムという悪を目の前にして、あなた方は人間としての善を示した」

と3人を褒めたたえ、レジオン・ドヌール勲章を授与する(実際の映像が使われています)。

自分なら何ができるか

映画は、もしあなた(観客)ならこういう危機的状況に遭遇したらどうしますかという人間性を問うような論調で、ちょっと怖かった。

ストーンには鍛え抜いた強靱な肉体と二人の仲間、そして子供の頃から持ち続けていた、誰かを救いたいという夢、信念があったから、銃を構えるテロリストに向かって、自然に身体が動いたのだと思う。

3人のうちの一人(サドラー)が「危機に瀕したときは誰もが行動すべき」と言っていて、確かに人命救助は大切だけど、素人が徒手空拳で犯人に立ち向かい、命を落とすことがあっていいはずがない。

無謀と英雄的行為は紙一重、その結果は死かヒーローか、天と地ほどに違う。どう捉えるか難しいなと思ったのでした。

「オリエント急行殺人事件」

先月末には「オリエント急行殺人事件」(ケネス・ブラナー監督・主演 2017年)を見ました。

トルコのイスタンブールからフランスのカレーへ向かう豪華列車が舞台で、エルサレム、イスタンブール、アルプスなど、紀元前からの歴史を持つ聖地、歴史的建造物が建ち並ぶ古都、活気のある港、雄大な自然などが背景を彩る。65ミリフィルムで撮影したそうで(通常は35ミリ)、ダイナミックで臨場感のある映像を見ていると旅に出たくなります。

ただ、この2作品を見たあとでは、鉄道の旅にはちょっと二の足を踏んでしまう。隣の人が刃物を隠し持っていたらと、これまで考えもしなかった心配をせずにはいられないためだ。

ところで、ポアロが車内で大笑いしながら本を読んでいたが、画面を止めて書名を確かめると「A TALE OF TWO CITIES」。ディケンズの「二都物語」。これってどちらかというと悲劇のはずなのに、何がおかしかったのか。これも不思議でありました。

2018年7月23日(月曜)

〇体重 50.7 〇BMI 19.2 〇体脂肪率 27.1

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

冷やし中華(ごまだれ。キュウリ、カニカマ、ゆで卵)、アジのカレーソテー(シイタケ、ピーマン)

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

雑穀入りご飯100グラム、ニラ玉の吸い物、炒めもの(ショウガ、タマネギ、人参、シイタケ、小松菜、イカ、厚揚げ、チクワ)、サラダ(小豆、トマト、アボカド。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)、梅干し、海苔

※暑さのせいか、炒めものが半分しか食べられず。サラダが一番、箸が進みました。

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コメント

  1. tonton より:

    「15時17分、パリ行き」では、私もパリってもはや花の都(古い)じゃないのねと思ってしまいました。W杯で優勝しパリはお祭り騒ぎと聞いて、普通なら羨ましいと思うところなのに、そんなにすごい人出でテロは大丈夫なの?と思わず思ってしまうのが悲しい。
    新幹線はとても安全性への信頼感が強かったのにとても残念です。こういう犯罪を犯す犯人に強い憎しみを覚えますが、22才と聞いてなんだかやりきれない気持ちになりました。
    そんなに人間社会に嫌気がさしてるなら、しばらく無人島で暮らすとか、ホームレスやってみるとか、環境変えて自分を見つめ直して欲しかったです。

    • クロエサト より:

      私はパリっていうだけで世界中から観光客が来るため、フランス人は歴史と伝統の上にあぐらをかいている、気取っていけ好かない、なんていうふうに、他の国の人はやっかんでいるのかと想像していました。
      確かにW杯優勝後のパリの映像は怖かったですね。喧嘩に略奪。ホントにパリ? と目を疑ってしまいました。
      新幹線の殺傷事件は、模倣犯が出ないことを祈るばかり。電車や地下鉄に乗るのが怖くなりますね。