2023年9月-2 乳がんについて調べる

3冊の本

帰宅してからネットで乳がんについて調べまくった。乳腺クリニックの医師からは「乳がんを最初から放射線で治療することはない」と言われたが、本当にそうなのか。

乳がんといえば日本に乳房温存手術を広めた近藤誠医師に、肺がんの時に続いてセカンドオピニオンを求めたかったが、近藤医師は2022年8月に亡くなってしまった。残念でならない(近藤誠セカンドオピニオン外来へは2015年8月に行き、記事にもしている)。

2015年8月-13 近藤誠セカンドオピニオン外来へ行く-1
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近藤誠医師、亡くなる
虚血性心不全で急死 近藤誠医師が亡くなりました。昨日の深夜、ネットのニュースで知って息が止まりそうになるほど驚いた。8

2つの図書館を回って乳がんに関する本を何冊か借りてきた。ネットの情報は偏りがちなので、別の視点から乳がんを知りたかった。が、乳がんになったら手術一択という記述ばかりで、心がくじけそうに。そんな中で印象に残った本が3冊あった。

実体験のコミック化

1冊目は藍原育子原作・内野こめこ漫画『乳がんの記事を書いてきた私が乳がんに!?』(KADOKAWA)(本は別の機会に借りたため、上の写真には入っていません)。

40歳の著者が初期の乳がんで右胸を全摘手術、同時に再建手術を受けた経緯が漫画で描かれている。

医師から乳房温存手術を勧められた著者が乳がん再建のためのミーティング(病院で開催か)に参加し、再建手術を行った乳がん経験者3人が上半身裸になって術後の患部を見せてくれる場面に驚いた。著者は再建手術を受けることを決意し、全摘手術に否定的な病院から転院する。

2020年のフジテレビのドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」で消化器外科医を演じていた木村佳乃が乳がん経験者という設定で、乳がんを告知されて取り乱す患者に、やはり服を脱いで自らの手術跡を見せるシーンがあった。こういうことって割と普通に行われているのだろうか……。

本の内容については思うところがあるが、ここでは書きません。

胸の中の2つの異物〜乳腺症と腫瘍

2冊目は、近藤誠著『近藤誠の「女性の医学」』(集英社)。実はこれ家の本棚にあったのだが、忘れて借りてきてしまった。

乳がんには浸潤がんと非浸潤がんがある。浸潤がんは、がん細胞が外に染み出している状態。非浸潤がんは、がん細胞が乳管の中に留まっている状態で乳腺症の一種。タチのいいがんもどき。

そして、自己点検をした時、「しこりが浮き上がってきても、表面がつるんとしていて、皮膚にくっついた感じがないなら良性の可能性が大です。表面がザラザラして、硬く根を張ったような感じなら、がんの疑いがあります」(P167)とある。

私の左胸のジャムの瓶の蓋のようなものは、つるんとした感触で、触るとぐにぐにと動き、皮膚にくっ付いている感じはなかった。こちらはやはり乳腺症だったのだろう。

しかしこの夏に見つけた小さなしこりは、ジャムの蓋様のものに比べて固かった。一体いつから根を張り始めていたのか。かなり進行しているのだろうか。

最初から放射線治療も可能との記述

3冊目は名古屋市立大学編『名市大ブックス「がん治療のフロンティア」』(中日新聞社 2020年12月)。名市大病院の様々な診療科の医療従事者がテーマごとに執筆しているシリーズの1冊。

目次に「切らずに治す最先端の放射線療法」という項目を見つけて手に取ったのだけど、筆者は私が肺がんでお世話になっている医師だった(本は後日購入した)。

「近年は、定位放射線治療・IMRTの技術を乳がんにも応用し、切らない治療を進めています。乳がんの標準治療は手術(全摘術または部分切除術)ですが、患者の多くにとって、乳房の全摘はもちろん、部分切除も避けたいものでしょう。通常、乳房を部分切除した後は全乳房に放射線を照射しますが、部分切除を行わずに、全乳房照射に続いてピンポイント照射またはIMRTを行い、完治させる治療が可能になりました。」(P110)

肺がん治療で通院していた病院で、乳がんにこんな治療をしていたとは知らなかった。闇の中に一条の光を見た思いだった。

ただ、このような治療法は他でも行われているのかネットで検索してみたが、調べ方が悪いのかヒットしなかった。公的保険の適用かどうかも分からなかった。

また、担当医は2021年に定年で関連病院へ移っているので、現在の名市大病院でも同じ治療をしているのか調べたが、放射線科、乳腺外科、どちらのサイトにも見つけられなかった。

そもそも一緒に借りてきた『名市大ブックス「女性の新しいライフスタイルと最新医療」』では、乳がん治療には手術としか書いていなかった気がする(すぐに返却したのでうろ覚えだが)。

※IMRTは、強度変調放射線治療のこと。

国立がん研究センターがん情報サービス「放射線治療の種類と方法

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