否認と「インフェルノ」

死への恐怖

8月23日のブログ「ネットスーパーと買い物難民」をアップした後に気が付いた。

「年を取って足腰が弱ったとき、ネットスーパーは高齢者の強い味方になると思っていた・・・」と、長生きするのを当たり前のように書いておりました。

3年前肺がんと診断されたとき、1年前リンパ節転移と告げられたとき、「死ぬんだろうか。あとどれぐらい生きられるんだろう」と、急に死が身近なものになった。

それが放射線治療が終わり経過観察の画像や数値に異常が見られなくなってくると、頭の中から死への恐怖が後退していった。喉元過ぎれば熱さを忘れる。まさにその通りだった。

誰だっていつかは死ぬが、それを常に考えて暮らしていくのはしんどい。だから人は普段、無意識に死を考えないようにしていると聞いたことがある。

本能としての「否認」

昨日読み終わったダン・ブラウン著「インフェルノ」(角川書店。越前敏弥訳)にも同じようなことが書いてあった。

主人公ラングドンと共に見えない敵から逃げ回る美人女医シエナが言う。

「人間の脳には原始的な自我防衛機制があって、脳が対処しきれないほどの多大なストレスをもたらす事実にぶつかると、決まってその事実を否定するの。精神医学では〝否認〟と呼ばれてる。」「否認は、人間の適応機制のきわめて重要な部分を占めている。これがなければ、わたしたちはみな、毎朝起きるたびに、自分の死にざまをあれこれと考えて恐怖に陥ることになる。」

これを聞いてラングドンは思い出す。

「アイビーリーグの大学生たちのウェブサイト閲覧履歴を追跡した最近の研究」で、「すぐれた知性を持つユーザーでさえ、否認を本能的におこなう傾向」があり、北極の氷の減少や動植物の絶滅といった「憂鬱な記事」は短時間で閉じてしまい、「恐怖心を追い払ってくれるくだらない内容のページ」へ移ったそうだ。

現実を直視し続けることの、いかに難しいことか。

原作と映画のラストが正反対

「インフェルノ」は2016年に映画化され、日本では2017年に公開された。「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)、「天使と悪魔」(2009年)に続くラングドン・シリーズの映画化3作目(小説は4作目)。

10年くらい前、映画の「ダ・ヴィンチ・コード」があまりに面白かったので原作を読んだところ、映画の3倍くらい面白くて夢中になった。ただ小説は情報量が多いため、映画では半分も描き切れておらず、細部もそこここで変えられていた。商業ベースで成功を収めるには仕方ないのかもしれませんが。

そして「インフェルノ」もまた、昨年見た映画(DVD)と原作では細部はもちろんのこと、ラストが正反対で驚いた。

「地球は増えすぎた人類のせいでいずれ滅亡する」と憂えた(狂信的な?)遺伝学者が、インフェルノ(ダンテの「地獄篇」)というウィルスを作り出す。それは人間の細胞の遺伝子情報を改変し、生殖を不能にしてしまう空気感染性の病原体だった。ウィルスは潜行性のため人は感染したことに気付かず、何の症状も出ない。

このウィルスが映画では拡散前に回収されてハッピーエンドで終わるのだが、小説では回収できず全世界に拡散してしまうという最悪の結果を迎える。

確かに後味が悪い。こんな結末では、映画にカタルシスを求める観客から高い評価を得ることは難しそうです。

確信犯としての「否認」が招くもの

小説では、インフェルノ・ウィルスが活性化するのは一定の割合で、生殖不能になるのは無作為に選ばれた人と設定されている。これが、近年不妊に悩む夫婦が増加しているという統計と妙に符合していて、すでにウィルスはこの世界に拡散しているのではないかと、フィクションが現実を侵食しているような不気味さを覚える。

映画製作者たちが原作の結末をくるりと反転させたのもまた、否認なのでしょう。

異常気象、食品廃棄、医療費の増大、原発、海洋汚染・・・。身近でも問題になっていることはたくさんあるのに、たまにしか目を向けず、見て見ぬふりをしてきた。

問題を先送りにしてきたツケは、いずれ近いうちに回ってくるかもしれない。いや、すでにやってきているのかも。

最近の大雨は50年に一度でも30年に一度でもない。これからきっと毎年のようにやってくる。そして他の問題でも、また。

2018年9月1日(土曜)

〇体重 50.5 〇BMI 19.1 〇体脂肪率 27.9

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ペンネ(乾麺80グラム)、カルボナーラソース(ニンニクオイル)、サラダ(レタス、タマネギ、人参、パプリカ、オクラ、小豆、チリメン、オリーブ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル、バルサミコビネガー)

■夕飯

雑穀入りご飯(100グラム)、吸い物(ワカメ、ブナピー、豆腐、卵)、チダイの煮付け(タケノコ、シメジ、ショウガ)、レンコンの煮物(人参、コンニャク、練り物)、梅干し、海苔

※魚は二尾煮ました。もう一匹は天然ダイ。明日以降いただきます。

2018年9月2日(日曜)

〇体重 50.7 〇BMI 19.2 〇体脂肪率 27.6

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

醤油ラーメン(ネギ、カマボコ、メンマ)、レンコンの煮物(人参、コンニャク、練り物)、セロリと小豆とトマト(甘酢)

■お八つ

コーヒー、飴。ホットケーキ

■夕飯

雑穀入りご飯(100グラム)、シチュー(タマネギ、人参、ジャガイモ、カボチャ、マイタケ、イカ、豆乳)、サラダ(レタス、タマネギ、人参、豆腐、カニカマ、オクラ。岩塩、黒胡椒、ゴマ油、バルサミコ酢)、レンジ卵

※サラダはオリーブオイルの代わりにゴマ油を使いました。豆腐にはこっちのほうが断然合うと思います(和風なので)。

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コメント

  1. tonton より:

    「否認」思い当たることだらけです。
    地震が特に怖いけれど、せいぜい家具の地震留めと食料の備蓄くらい。
    個人的なことでも色々思い当たります…が、とりあえず先延ばし…

    人為的なウィルスを拡散という点が「第五番 無痛Ⅱ」と同じです。
    こっちも怖いですよ〜。
    「インフェルノ」の遺伝学者の方が動機がまだマシ?です。

    • クロエサト より:

      tontonさん、家具の固定と食料品の備蓄をしているだけ立派ですよ。
      うちの母は何にも用意してないと言ってました。「誰か助けてくれる」そうです。
      そこまで楽観的になれるのは、ある意味立派。だからこそ80過ぎまで生きてこられたのかも。ちょっとうらやましかったりして。

      「無痛」が図書館にないので、続編の「第五番」は未読なんです。早く読みたいと思っているんですが。