2度目の放射線治療終了から5年
11月15日(火)
2回目の放射線治療が終わったのは2017年9月。それから5年と2カ月がたった。
がんは5年間、何事もなく経過すれば、寛解したと言われる。今日はその言葉が聞けるか、あるいは全く別の言葉を聞いて奈落の底へ落ちることになるのか、戦々恐々としながら病院へ向かった。
今日は2年ぶりに単純CT検査を受けることにもなっている(前回は2020年9月)。
最初に採血、次にCTを受け、診察まで時間があったので、図書室(医療情報提供コーナー)などで時間をつぶしてから、診療科の待合室へ。
名前を呼ばれて診察室へ入ると、3つのモニターを前にした担当医から、まず腫瘍マーカーのCEAが下がっていたと聞かされ、ほっとする。
前回7月は3.1、今回は2.8。1年ぶりに2.0台に戻った。
2年ぶりのCT
次にCT検査の結果。輪切りになった胸部の画像を上から下へ、下から上へスクロールしてチェックしてもらう。
肺の所々に白いかたまりや白い点々が見えてどきりとするが、かたまりは肺炎ではなく放射線治療した部分が線維化したもの、点々は血管だということで安心する。
次いで2年前のCT画像と比較。
「驚くほど変化がない」そうだ。今後も新たな腫瘍が見つかることなく、このまま変化がないことを願いたい。
胸部CTは肺の下方まで広範囲に撮られているので、そちらもチェックしてもらう。肺のリンパ節、骨盤、副腎は問題なし。
さらにCT画像は体の横からの状態も見ることができる。脊椎も確認してもらうが、こちらも問題なかった。
「寛解」の言葉は聞けなかった
担当医から寛解という言葉が聞けるかと期待したが、何も言われなかったので、こちらから「寛解したということでいいでしょうか」と聞いてみる。
すると、肺の場合、5年では安心できない、10年は見ておいたほうがいいそうだ。
担当医は、放射線治療後5年以降に再発、転移した肺がん患者を多く見てきたのかもしれない(ここ、ちゃんと聞いておくべきだったと後から思ったが、その時は頭が回らず聞きそびれた)。
私は一度転移しているので、再び転移する可能性が高いのかもしれないし、これから先、別の臓器にがんができる可能性だってある。
ということで、これからも定期検査は続く。次は4カ月後か半年後か、どちらでもいいとのことだったので、5カ月後に受けることになった。
西部医療センター外観。右奥、北側の病棟(東病棟と西病棟)は8階建て。左手前は南病棟で3階建て。4階の屋上部分は屋上庭園になっている。
屋上庭園「ひだまりの丘」から北側の病棟と屋上ヘリポートを見上げる。天気が良かったので、庭園は患者さんたちが散策していた。
4階東病棟から屋上庭園へと続く通路には、がん相談支援センターがある。のぞいてみると、スタッフが肺がんに関するさまざまなチラシやパンフレットを渡してくれた。病院独自の患者会もあるそうだが、臓器別ではなく、あらゆる種類のがんが対象だそうだ。
病院裏手(北側)にある別館の陽子線治療センター。私はここで定期検査を受けている。
病院東側に隣接する志賀公園。病院と同じくらいの面積がある。平日の午前中とあって、幼児を連れた母親や高齢者が散策していた。秋晴れの下、ところどころ紅葉した樹木の木漏れ日を浴びながら、地下鉄の駅へ向かった。
志賀公園は織田信長の家臣、平手政秀の屋敷跡を整備したもの。池泉回遊式純日本庭園の東屋(再建されたもの。右手奥)が往時をしのばせます。