8月に見た映画(DVD)〜「恋はデジャ・ヴ」に感じ入る

「恋はデジャ・ヴ」〜タイムループ映画の傑作

「恋はデジャ・ヴ」(1993年 アメリカ)

タイムループ映画の初期の傑作ということで借りました。

確かにタイムループもので、しかもコメディ作品なんだけど、私は人生の目的について考えさせられてしまった。

主人公はアメリカの小さなテレビ局の男性レポーターで、地方の小さなお祭りの取材のため、町のホテルに前泊する。朝6時にラジオの声で目覚めて取材を終えるが、気が付くと朝6時のホテルのベッドに戻っている。

何をしても朝6時にホテルで起床。主人公はそれをいいことに、有り余る時間を利用して女を口説いたり、迷惑で常識外れな行為を繰り返したりする。まさに「小人(しょうじん)閑居(かんきょ)して不善を為す」を地でいっております。しかし何をやってもそのループから逃れられない。

彼は自暴自棄に陥り、犯罪に走ったり、何度も自殺を試みたりするが、朝6時に全てがリセットされるのは変わらない。同じことを永遠に繰り返さねばならない。その徒労感。絶望。まるでシジフォスのようです。

コメディ映画で人生について考える

彼はあがくのを諦め、新たな生きがいを見いだそうと、人助けに精を出したり、一からピアノを習い始めてジャズバンドのピアノを担当するまでに。

自分本位で鼻持ちならないヤツだった主人公が、(自分も尊重するけど)自分のためより他人のために生きることで、町の人々から感謝され、尊敬され、充実した人生を手に入れる。人生の目的、幸福とはこういうものなのかもしれないと考えさせられたのでした。

一方で、人から感謝の言葉を聞くことは快感のため(脳から大量のドーパミン=快感物質が放出される)、彼はそれで心を平らかにし、タイムループワールドで生きていくことに折り合いを付けたのか……などとひねくれたことも考えてしまった。

ヒロインはアンディ・マクダウェル。困ったような八の字型の下がり眉を久々に見ました。「セックスと嘘とビデオテープ」(1989年)に出ていた頃で、キュートでチャーミングです。

「TAR/ター」〜女性指揮者の転落劇

「TAR/ター」(2022年 アメリカ)

主人公のター(ケイト・ブランシェット)はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で初の女性首席指揮者となる。

ある分野で頂点に達した人は全能感を持ってしまうものなのか。音楽の神に愛された自分は何をしても許されると傲岸不遜にも勘違いし、パワハラ、セクハラやり放題、パートナーも裏切り放題。そのしっぺ返しとして、地位も仕事も失ってしまう。

でもターが不幸だったかといえば分からない。彼女は手にした権力を維持するために膨大なエネルギーを費やし、精神的に病んでいたが、ベトナムに飛ばされ、幻聴が聞こえなくなって、むしろ安堵したようなすっきりした表情をしていたのが印象的でした。

「燃ゆる女の肖像」のノエミ・メルランを見られたのは収穫。ノエミは、ターのアシスタントをしながら副指揮者を目指していたのに、ターからその才能を疎んじられて副指揮者になるはしごを外されてしまう役どころ。

映画を見たのは、ちょうど朝ドラ「らんまん」で主人公の槙野万太郎(神木隆之介)が、自分の地位を脅かしそうな若い才能の芽をつぶそうとする田邊教授(要潤)から東大を追われた頃で、万太郎とノエミ・メルランが重なってしまった。

「ドライヴ」「エブエブ」〜良さが分からず

「ドライヴ」(2011年 アメリカ)

キャリー・マリガン目当てで鑑賞。主人公のドライバー(ライアン・ゴズリング)が、好きになった女(プラトニックな関係だけど)を守るために命をかけて敵と戦う。

主人公は車の運転が抜群にうまいが、反面ちょっとおつむが弱いような(給料を半額にされているのに文句を言わない)。「レオン」のジャン・レノを思い出してしまった。

男のロマンチストぶりが発揮された作品。私は残念ながらピンと来ませんでした。

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022年 アメリカ)

今年のアカデミー賞7部門を受賞した話題作ですが、こちらもピンと来ず。

冷やし中華の麺と具を全部ぐちゃぐちゃに混ぜ合わせたような印象で、もともとアクション映画や下ネタが好きじゃないこともあってか、いろんな要素が詰め込まれすぎて消化不良だし、展開の早さにも付いていけない(自分は馬鹿だと告白しているようなものですね)。

もうこういう作品を楽しめなくなってしまったのかと思うと、一抹のさみしさもありますが……。

映画ではマルチバース(多元宇宙)が描かれるけど、パラレルワールド(並行世界)とはどう違うのか。マルチバースは、今いる宇宙(世界)の他に存在する、複数の別の宇宙。パラレルワールドは、過去のある時点から分離し、現在と並行して存在する世界だそうです。なるほど。

2023年9月1日(金曜)

〇体重 47.6 〇BMI 18.0 〇体脂肪率 24.6

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ざるそば(乾麺80グラム。海苔、ネギ)、キムチ納豆(ネギ)、レンコンの甘酢炒め、イチジク

あ、アヒージョを作ったのに、オーブントースターから出すのを忘れていた……

■お八つ

アイスコーヒー、ビスケット

■夕飯

マグロの漬け丼(酢飯100グラム。カイワレ大根、マグロ)、味噌汁(ワカメ、エノキダケ、ツルムラサキ、油揚げ、卵)、大根の煮物(コンニャク、がんもどき)、アヒージョ(エリンギ、ちりめん。ニンニクオイル)、イチジク

※お昼のアヒージョは晩ご飯にいただきました

2023年9月2日(土曜)

〇体重 46.9 〇BMI 17.8 〇体脂肪率 24.7

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

オープンサンド(カンパーニュ2枚。レタスとトマト、レタスと卵焼き)、ポタージュ(インスタント)、サラダ(金時豆、キュウリ、パプリカ、クルミ、オリーブ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)、イチジク

トマトも好きだけど、卵焼きのサンドイッチが好き

■お八つ

アイスコーヒー、飴

■夕飯

雑穀入りご飯100グラム、味噌汁(ワカメ、ナス、エノキダケ、ツルムラサキ、油揚げ)、アジのパン粉焼き、大根の煮物、サツマイモのレモン煮、イチジク

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コメント

  1. tonton より:

    クロエさん、こんばんは。
    この中で見ているのは「TAR」と「ドライヴ」だけですが、「エブエブ」あまり評判よくないですが、アカデミー7部門はなぜなのでしょう? 見てみます。
    「TAR」人間は大なり小なり権力を手にすると、それを離すまいと必死になり疑心暗鬼になるのはどこかの大統領と同じですね。だからクロエさんもおっしゃるように、全てを失ってベトナムに飛ばされたラスト、なんだかすっきりしてましたね。側から見たら転落以外の何物でもないのですが、案外不幸とは言い切れないラストでした。
    「ドライヴ」は映像がおしゃれな反面、残酷描写が独特でかなり引きました。ライアン・ゴズリングは好きなんですけど(笑)

    • クロエサト より:

      tontonさん、こんにちは。
      「ドライヴ」はtontonさんに教えてもらって見ました。書かれていた通り、グロい描写(苦手)には目を背けました。やっぱりこういう作品には最初から手を出さないほうが無難かと思いました。
      「エブエブ」、ほんとに何でアカデミー賞7部門も取れたのでしょう。ノーベル文学賞にボブ・ディランが選ばれた時くらい、違和感がありました。
      多種多様な人種がいて差別があったり、多言語が飛び交う国の人間じゃないと、面白さが理解できないのかなとも思ったりします。