2015年6月に肺がんの診断を受けてから2年。今さらですが、図書館で肺がんの入門書を借りてきました。なるべく最近発行された本を選んでいます。
「最先端治療 肺がん」
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院呼吸器内科編著
国がん中央病院 がん攻略シリーズ「最先端治療 肺がん」(法研)2016年1月初版
3章から成っており、第1章「肺がんの基礎知識」、第2章「肺がんに対する最新・近未来の治療法」、第3章「肺がん治療を受ける患者さんへ」で構成。ページ数は第1章44ページ、第2章60ページ、第3章18ページ。
第1章が肺がんの特徴、検査、治療方法について書かれていて、非小細胞肺がんの放射線療法については3ページが割かれている。
「根治的胸部放射線療法は、一般には手術が選択される限局がん(Ⅰ期〜ⅢA期)で、持病があるなど、何らかの理由で手術ができない、または手術を希望しない患者さんに対して検討されます。」
手術と比べて治療成績がどう異なるかについては言及なし。すごくあっさりというか、全然力が入っていない(入れていない)記述。
と思ってパラパラ見ててようやく気付きました(遅い)。この本、がんセンター中央病院呼吸器内科のガイド本だったんですね。
新しい肺がん治療薬の開発をやってるので、臨床試験・治験に参加しませんか?(2章。一番分量ある) で、うちの病院にはこういうふうにかかってね(3章)、という流れになっています。
臨床試験と治験
見ていて、あれ?と思った素朴な疑問をいくつか。
・スクラムジャパンについては見開き2ページで説明。でも、やはりプレシジョン・メディシンとかがんゲノム医療という言葉は使われていない。
・ニボルマブ(商品名オプジーボ)などの免疫チェックポイント阻害剤は、免疫療法の一つとある。免疫療法って効果も不明なのに数千万払わせるいかがわしいものかと思ってました。素人には、何か紛らわしい(私が知らなかっただけ?)。
・臨床研究の中に臨床試験があり、臨床試験の中に治験があるそうだ。で、治験は無料だけど、臨床試験は保険診療なので自己負担と書いてある。両方とも無料だと思ってました(一部の本では臨床試験もただとあった)。
何かいろいろと調べれば調べるほど、名称とか定義とかの細かな違いばかり目に付いて、重要じゃないことに気を取られてしまう。病院やさまざまな組織によって規定の仕方が異なるんでしょうか。
どれだけ投与すると安全? 危険?
新薬が認可されるためには何度も試験が行われる。人に対しては、3段階の試験(第Ⅰ〜第Ⅲ相試験)を行って有効性、安全性を確かめます。
第3章の最後に「治験・臨床試験を受けるまで」という医師のインタビューが載っているが、なかなかにスリリング。医師や編集者が言葉を苦労して選んでいる様が見て取れます。
この医師は、第Ⅰ相試験は入学試験、第Ⅱ相試験は中間試験、第Ⅲ相試験は卒業試験のようなものだとして、「この試験を無事に終えられれば、広く患者さんの臨床での使用が認められます。」と話す。あくまで主語は「治験(まだ薬という言葉は使えない)」。患者目線ではありません。
そして第Ⅰ相試験は、「がんの種類を特定せず、患者さんへの安全性を中心に少数の方々に参加してもらう段階です。徐々に投与量を増やしていって、どのくらいの量だと有効でしかも副作用が少ないかといった目安を調べます。」
これ、逆にいうと、どれだけ投与すると危険か、どんな副作用が出るかを調べるということですよね。いわゆる毒性試験? 入学試験の終わったあとには累々たる死体が見えるような気がする。そしてもし被験者が入学試験を通れたとしても、自分は中間試験には進めない。
この医師はこんなことも言っている。
「肺がんの化学療法の現状でいえば、標準的な治療を実施されたあとに、治験や臨床試験の治療により効果が得られる可能性は高くはありません。」
試せる限りの全ての抗がん剤が奏功なく、わらにもすがる思いで治験を受けたのに、ほとんど効果はないと。しかもその効果とは治癒ではない。私は以前から治験は受けたくないと思っていたが、これを読んで意を強くしました。
しかし文章は、「それでも、その可能性に希望を見いだそうとする状況の患者さんもいらっしゃいます。」と続く。
ホントに? でも私みたいな人間ばかりだったら新薬開発なんてできなくなるわけで。欧米だともう助からないといわれた人がボランティア精神で治験に参加することもあると聞く。私も余命宣告されたら、そういう気持ちになるのかもしれないけど、やっぱりそのときにならないと分からないなー。
※
それにしても、今日まで取り上げた3冊。中は2色刷りなんだけど、色が全部同じで、黒とピンク(マゼンダ)。この手の本はこの2色を使うという暗黙のルールみたいなものがあるのでしょうか。
→「肺がんの入門書-1」
→「肺がんの入門書-2」
→「肺がんの入門書-4」
→「肺がんの入門書-5」
2017年6月10日(土曜)
〇体重 49.1 〇BMI 18.6 〇体脂肪率 26.3
■朝
豆乳、野菜ジュース
■お昼
ペンネ(乾麺80グラム。ソースはカルボナーラ、ニンニクオイル)、サラダ(サニーレタス、アーリーレッド、人参、大納言小豆、ブロッコリー、アボカド。ドレッシングは岩塩、ブラックペッパー、オリーブオイル、バルサミコビネガー)
■お八つ
トウモロコシ1/2本
■夕飯
天丼(雑穀入りご飯100グラム、かき揚げ、ネギ、卵)、味噌汁(ワカメ、シメジ、大根千六本)、根菜の煮物(ゴボウ、人参、タケノコ、コンニャク、丸天、昆布)、冷や奴(ミョウガ)、セロリの浅漬け
※かき揚げは昨日余分に揚げておいたもの。たっぷりのネギと一緒に卵でとじました。