久坂部羊「人間の死に方」─糖尿病が自然治癒

医師で作家の久坂部羊「人間の死に方」(幻冬舎新書)を図書館で借りました(後日、購入しました)。

副題が「医者だった父の、多くを望まない最期」。病気になっても検査、治療を拒み続けた父親の、破天荒で脅威的なエピソードが次々と繰り出されます。

医療否定主義者の父

父親は大正15年、開業医の家に誕生。医大時代は後輩に手塚治虫がいたそうだ。卒業後、麻酔科医になるが、ヘビースモーカー、甘い物好きで30代で糖尿病に。食事療法を指示されるが効果がないと勝手に中止。

異変が起きたのは30年後で、体重が20キロ減少、血糖値が700と重症の糖尿病患者になるも、自分でインシュリンを打って自然治癒。しかし数年後、足の指が壊死して真っ黒に。でも足を切断するのは嫌だとほっておいたら治ってしまう。

85歳で前立腺がんと診断。さらに圧迫骨折で寝たきりとなり、食べられなくなり、顔に死相が出てくる。死は近いと覚悟するが、父親は食欲が回復。便秘が30日続くこともあったが、それから1年以上も生き続けたそうだ(2013年、87歳で死去)。

足の壊死が治った

医療の常識をくつがえすようなエピソードばかりで驚きます。今は治療できる病気はちゃんと検査して治すべきというのが常識とされているけど、昔は足が壊死しても元に戻ったり、死相が出ていても三途の川から引き返してくる人が結構いたのかもしれません。

そうなると、現在の早期発見、早期治療とか、検査の基準値とか、治療って一体何なんだと疑問が。人体というのは意外とタフで、同じ病気でも個人差が大きいため、一律にくくってはいけないんじゃないかと思わされます。

「祝葬」の曾祖父のモデル

それから父親のキャラクター。以前ブログで紹介した「久坂部羊「祝葬」」に出てくる医療ニヒリストの曾祖父(医師)に似ています。積極的な治療に懐疑的だった曾祖父を、ひ孫たちは「治療も検査もしないほうがいい。治る病気は何もしなくても治るし、治らないものは何をしても治らないと悟っていた」と振り返っているが、久坂部の父親も医療否定主義者として描かれる。父親は言う。

「医者は症状が悪くなった患者ばっかり研究しとるやろ。けど、ボクみたいに自然にようなった患者をもっと研究すべきや。そしたら、治療せんでも治る仕組みがわかるかもしれんやろ」

確かに患者にとってはこっちのほうがありがたい。

「祝葬」の曾祖父はかなりの偏屈だったが、実際の父親はひょうひょうとして愛すべき人柄。世話をしてくれる妻や息子(久坂部)、嫁には常に感謝の言葉を口にし、ユーモアがあって周囲を笑わせ、なごませる。最後は認知症のため暴言や感情失禁、幼児返りなどの問題行動が出てくるが、最終的には望み通り自宅で死を迎えることができる。

久坂部の著作に見る医療や介護への距離の取り方は、この父親の存在があったればこそだったんですね。

足るを知り、心平らかに

父親がよく口にしていたという3つの言葉には大いに共感します。

「小欲知足(足るを知れば心は満たされる)」

「莫妄想(まくもうぞう。不安や心配は妄想だから、しなくてよい)」

「無為自然(よけいなことはせず、自然に任せるのがよい)」

小欲知足は、龍安寺の知足の蹲の「吾唯知足」だし、莫妄想は禅問答の「達磨安心」そのもの。人は昔からこういう言葉で救われ、心の安泰を得てきたのかと思われます(それだけ過分なことを望み、悩んだり苦しむ人は昔も今も多いということか)。

2019年8月5日(月曜)

〇体重 50.7 〇BMI 19.2 〇体脂肪率 27.2

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

冷やし中華(キュウリ、ニンジン、オクラ、錦糸卵、カニかまぼこ。ごまだれ)、焼きもの(タマネギ、ナス、ズッキーニ、厚揚げ、魚肉ソーセージ。生姜醤油)

■お八つ

コーヒー、飴。抹茶、クッキー

■夕飯

雑穀入りご飯100グラム。ワンタンスープ(シメジ、ニラ)、アジの南蛮漬け(アジ、タマネギ、ニンジン、ピーマン、パプリカ赤・黄)、ゴボウとニンジンのきんぴら(ごま)、ブロッコリーと金時豆(甘酢)

2019年8月6日(火曜)

〇体重 51.0 〇BMI 19.3 〇体脂肪率 27.6

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

冷やしそば(乾麺80グラム。干しシイタケ、キュウリ、オクラ、カニかまぼこ、海苔、ワサビ)、揚げもの(シイタケの天ぷら、かき揚げ(タマネギ、ニンジン、ちりめん)。ブロッコリー)、おろし納豆(ネギ)

■お八つ

コーヒー、飴。抹茶、クッキー

■夕飯

マグロの漬け丼(酢飯100グラム。カイワレ)、味噌汁(ワカメ、カボチャ、シメジ、卵)、ゴボウとニンジンのきんぴら、アボカドと金時豆

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