陽子線治療科の患者に
6月15日(火)
この春、担当医が名古屋市立大学病院を定年退職し、附属病院の西部医療センターへ転勤したのに伴い、私も病院を移ることにした。
西部医療センターは名古屋で唯一、陽子線治療施設を備えている(愛知県ではここと豊橋市の2カ所だけ)。
担当医がこれまでの放射線科ではなく陽子線治療科の非常勤医師となったため、私も陽子線治療科の患者となりました。
陽子線治療センター(別館)は、西部医療センター(本館)の隣に建っている。本館で受け付けと採血をすませ、隣の別館へ行くと、何というか雰囲気が本館とまるで違う。
広い待合室は白と茶色で統一され、上質そうな床材に白い革張りのソファが並んでおり、ホテルのロビーのよう。治療費が高価な分、患者が特別感を享受できるように演出されているという印象。
待合室には陽子線治療センターの模型が置いてあった。待合室の後ろに巨大な陽子線治療装置があるのだと思うと、不思議な気がした。
腫瘍マーカーのCEAは3.0台で横ばい
初日は血液検査のみ。採血室が混んでおり検査に時間がかかったせいか、予定時間より15分遅れで診察室へ呼ばれた。場所は変わっても、担当医の柔和な顔を見るとほっとする。
CEAは前回の3.5より下がっており、3.1だった(5.0以下が基準値)。
「最近、ずっと3.0台だから、いい調子」と言われて嬉しくなる。
体調を聞かれて、「午後は疲れて横になってしまう、たまに胃腸の調子が良くない」と、いつものように答える。
以前聞いたかもしれないけれど、「新型コロナのワクチンを接種していいか」と質問すると、「もういいでしょう」とのこと。
次の定期検査は4カ月後
担当医は電子カルテを見ながら、
「これで2度目の治療から4年。CEAが安定しているので、次は少し空けますか」
2度目の放射線治療は2017年9月に終わっている。9月になれば、丸4年経過ということになる。
–お願いします。
「じゃあ4カ月後ということで。CTはどうしますか。前回のCTから9月で1年になるけど」
え? 私が決めていいの。(単純)CT検査は1年に1回は受けるものと思っていたけれど、受けなくていいなら受けたくない。低線量といえど放射線被ばくが怖い。でも、念のため聞いてみる。
–私はCEAによく反応するので、CEAが安定しているならCTは必要ないんでしょうか。
「腫瘍マーカーが安定していても、腫瘍(がん)が大きくなることはある」
–肺腺がんではどうですか。これまで先生が見てこられた中で。
「肺がんでは見たことがないなあ」
ということで、次回の定期検査では、CT検査は受けないことにする。
このまま何事も起きませんように。
→続きです。