二十数年前、病室で

4人部屋

20年以上前、三叉神経痛で名古屋市内の病院に入院した。拷問のような最初の痛みが治まってから移った病室は、神経内科と血液内科の患者が混在する4人部屋だった(私は神経内科の患者)。

ほかの3人は私より年上の女性ばかりで、重症の患者がいないせいか、和気あいあいとした雰囲気だった。ただ、60代のAさんのおしゃべりには閉口した。

Aさんのもとには毎日のようにお嫁さんが訪ねてきて、家で洗ってきた洗濯物や、タッパーに詰めた手作りのおかずを持ってきた。

Aさんはお嫁さんがいる間は、「ありがとうね。いい嫁がいて、私は幸せものだわ」などとにこにこしながら言っていたが、彼女が帰るとあしざまにののしった。「こんな味の薄い煮物!」「ほんとに気が利かない!」「何? このパジャマ!」。

音符のパジャマ

お嫁さんがデパートで買ってきたというパジャマは、紫地に大きな音符があちこちに飛んでいて、私も「うわー。こんなの絶対着たくない」と思ったが、もちろん口には出さなかった。

Aさんの地声は大きく、声をひそめて話すということがなかったので、話の内容は否応なく耳に入ってくる。お嫁さんをけなしていて、たまにAさんと同年配の女性が「まぁまぁ、毎日来てくれて、いいお嫁さんじゃない」などとなだめたりすると、Aさんは話し相手ができたとばかりに、楽しそうにおしゃべりを始めるのだった。

ホジキン病

Aさんは血液内科の患者だったが、病名がなかなか特定されず、いろいろな検査を受けていた。ある日、医師との話を終えて戻ってきたAさんは、病室に入るなり晴れ晴れした顔で言い放った。

「やっと病名が分かったわ。ホジキン病だって」

私は病室に持ってきていた『家庭の医学』で、こっそりホジキン病(ホジキンリンパ腫)を調べてみた。悪性リンパ腫、がんの一種、死亡率が高い。

Aさんと顔を合わせづらかった。それまで以上に、当たり障りのないことしか話せなくなった。

ちなみに、さっきネットでホジキンキンパ腫を調べたら、生存率はとても高くなっていた。20年以上経って治療法はずいぶん進歩したようです。

病名が分かるということ

Aさんのことを思い出したのは、先日書いたブログ「発達障害って何?」のコメントの返事で、「以前は原因が分からなかった症状に名前が付くことで、救われている人はたくさんいるはず」と書いたのだけど、「救われない人もいるかもしれない。そういえば」と20年以上前の入院生活がよみがえったため。

私のほうが先に退院したので、その後Aさんがどうなったか分からないけれど、案外今も元気で、相変わらずお嫁さんの悪口を言っているかもしれない。

2018年12月5日(水曜)

〇体重 51.0 〇BMI 19.3 〇体脂肪率 27.3

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

とんこつ醤油ラーメン(ネギ、メンマ、カマボコ、ゆで卵)、サラダ(サニーレタス、タマネギ、人参、大根、サバの味噌煮の缶詰、オリーブ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)、大根と厚揚げの煮物

■お八つ

コーヒー、飴

■夕飯

カレーライス(雑穀入りご飯100グラム。ナスとトマトのレトルトカレー)、くず豆腐、シメジとチリメンのアヒージョ(マジックソルト、ガーリックオイル)、ブロッコリーとカニカマ(甘酢)、酢ばす

※くず豆腐は前日の残り。疲れていたので、器も移さず食べました。

2018年12月6日(木曜)

〇体重 51.4 〇BMI 19.5 〇体脂肪率 28.2

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

ちゃんぽん(タマネギ、人参、ブロッコリー、シメジ、小松菜、カマボコ、ホタテ)、サラダ(サニーレタス、大根、パプリカ、オリーブ。岩塩、黒胡椒、オリーブオイル)

■お八つ

コーヒー、飴、チョコレート

■夕飯

サンドイッチ(10枚切り食パン2枚。トマト、キュウリ、辛子マヨネーズ)、クリームシチュー(タマネギ、人参、エリンギ、ホタテ、豆乳)、オムレツ(サニーレタス)、大根と厚揚げの煮物

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