「クローズアップ現代+」〜“最先端”がん治療トラブル

6月1日よりネット医療広告が規制

昨日6月5日放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合)「“最先端”がん治療トラブル」を見ました。

まずは問題提起。患者はなぜ最先端を掲げた高額ながん治療に向かうのか。

理由は、話題の医療用語を散りばめ効果を期待させるネット広告(たとえば先端医療「がん遺伝子医療」、樹状細胞ワクチン療法、NK細胞)、そして事実と異なる医師の虚偽の説明にあるとする。

知らない情報が結構ありました。

まず、6月1日から厚生労働省の改正医療法が施行。未承認の医薬品による治療の広告、ネットで虚偽、誇大な広告が禁止されたそうだ。

ただ、ゲストの大野智医師(大阪大学医学部附属病院)によると、広告の規制は始まったが、有効性が十分に確かめられていない治療でも日本では医師の裁量権で認められており、違法ではないとのこと。NK細胞などは厚労省も実態把握できていないそうで、どこで何が行われているのかと想像すると怖い。

がん遺伝子治療1クール550万円

高額ながん治療を受けた患者と家族が2ケース紹介されている。

Aさんは夫と子供3人の5人家族。4年前、52歳の夫が舌がんステージ4の診断を受け手術するも転移、余命半年の宣告を受ける。有効な治療を求めて、中学生の息子がネットで探してきたがん遺伝子治療にかけることに。

医師に言われるまま標準治療をやめ、1クール550万円のがん抑制遺伝子を点滴投与するが、夫のがんは進行し、宣告された半年を待たずに死去。妻と息子はネット情報に頼ったことを後悔し、クリニックを提訴する(息子さん、自分を責めていないか心配になる)。

免疫療法で1000万円

Bさんは51歳で卵巣がんと診断される。医師に勧められるまま手術、抗がん剤、放射線治療を受けるも転移。医師から「もう治療法はない」と言われ、見放されたとショックを受け、免疫療法を受け始める。現在まで1000万円近くつぎ込んでいるそうだ。

患者のためを思って「治療法はない」という医師と、医師から死ねと言われたのと同然と絶望する患者。これって久坂部羊の「悪医」そのもの。こういう医師と患者のコミュニケーション不全って、きっとがん治療の現場の至るところで起こっているのだと思わされます。(→「久坂部羊「悪医」─医師と患者の埋まらない溝」)

また、高額な代替療法でだまされる患者がいると、以前から一部の医師たちが警鐘を鳴らしているのに(ひどいと2000万を払わされた人も)、こういう声が患者に届かないのはやるせない気がします。(→「がんで破産? 日本の場合-1」)

免疫療法には標準治療と代替療法がある

それでは、がん患者は何を目安に治療法を選択すればいいのか。

大野医師は、1、エビデンスが十分にあるかどうか。2、費用が高額な場合は疑うべき。3、標準治療を否定しているのは危険、と話す。

この区分、分かりやすい。まず日本では現在、遺伝子治療で標準治療とされているものはないとスパッと言ってくれます。

上(赤)が標準治療。下(青緑)が代替療法。

免疫療法は二つに分かれる。免疫チェックポイント阻害剤などは標準治療に入るが、樹状細胞ワクチン療法、NK細胞などは代替療法。以前にも書いたけど、真っ当なものと怪しいものを同じ「免疫療法」で括るのは、紛らわしい。今からでもいいので別の名前にできないでしょうか。(→「肺がんの入門書-3」)

代替療法ではがんは治らない

次に挙げられたのが、補完代替療法。

遺伝子治療、健康食品、音楽療法、マッサージ、鍼灸治療、アロマテラピー、運動療法、栄養療法、漢方薬、ヨガ、高濃度ビタミンC点滴療法など。アロマテラピーやヨガも? と驚きました。

しかし大野医師によると、これら補完代替療法でがんが治るというエビデンスはないが、がん患者のさまざまな症状を和らげるというエビデンスはあるそうだ。

ただ代替療法といっても副作用があったり、現在受けている治療に影響を及ぼすこともあるので、主治医に相談することを勧めていた。

竹原慎二も受けた代替療法

もう一人のゲスト、膀胱がんサバイバーでタレントの竹原慎二は、自らの体験談を紹介。

標準治療を受けたあと、予防のため、NK細胞や海藻エキス(1本3万円を24本飲んだそうだ)の代替療法をしたという。がんと診断されたら不安で仕方ない、効果があると言われれば信じてしまう、という言葉には悲しいけど同感。

また、心が弱っているときに医師から高圧的な言動を取られ、医師に逆らったら殺されるのではないかと思った、質問しても満足に答えてもらえず不信感でいっぱいになった、という話にも頷かされた。

代替療法と医師への不信感

卵巣がんのBさんは医師への不信感から代替療法に走ったわけで、医師がもっと適切な言葉を使っていたら、代替療法へすがるがん患者は減るのかも。

ただ、大野医師の話にも分かる部分があった。最近の医師はインフォームド・コンセントで必要以上に詳しく説明する。この抗がん剤にはこんな副作用がある、でもがんに効果があるかどうかやってみなければ分からない。患者としてはモヤモヤするが、ホントのことなので医師はこう言わざるを得ない。

患者が医師から聞きたい言葉は、「大丈夫」なのだ。しかし今の医療現場で医師は口にしない。もし「大丈夫」と言って容体が急変し、訴えられることになったら堪らないからだろう。

キャンサーナビゲーション

最後に紹介されたアメリカの取り組みがよかった。

アメリカのがん拠点病院では、キャンサーナビゲーションという制度が義務付けられているそうだ。

看護師か専門の訓練を受けた人がナビゲーターとなって、二人ひと組で一人の患者を担当する。どんな治療法があるか、どんな治療を望むか、医師の説明を患者は理解しているか、その治療法に納得しているか、料金はいくらかかるかなど、医師から最適な治療を受けられるようにサポートしていく。

番組では肺がん4期で脳への転移もある男性が、ナビゲーターから不安に思っていた抗がん剤について具体的な説明を受けたり、学会のHPを教えられ、家族で見たらどうかなどと勧められる様子が紹介されていた。

この制度、すごくいい。初めてがんと診断されたときの、一人月明かりもない夜の海へ投げ出されたような恐ろしさ、寄る辺なさ。そこへ光を照らし、手を引いてくれる人がいれば、どれほど心強いだろうと思っていた。がんについて最先端の専門知識を持ち、コミュニケーションの取り方を訓練された、がん治療の水先案内人。

以前から、こんなふうに支えてくれる人がいるといいなと思っていたが、さすがアメリカ。すでに始まっていたのですね。

がん相談支援センターや緩和ケアへ相談

日本でも、がん拠点病院にがん相談支援センターがあり相談を受けられる。でも以前訪ねたとき、がっかりしたことは書きました。(→「2015年8月-21 がん拠点病院と相談支援センター」)

大野医師は、がん拠点病院にある緩和ケアチームの利用も勧めていた。緩和ケアは以前と違って終末期だけではなく、がんの診断を受けてすぐからサポートを受けられる場所へと変わってきている。

また民間で、日本がん治療学会が認定がんナビゲーターの取り組みをスタートしているそうだ。

竹原は、がん患者は孤独だが、先日マギーズ東京へ行ったら、親身に相談に乗ってくれ、アドバイスをしてくれたと満足そうだった。マギーズ東京については以前書きました。(→「がんとともに歩む力を」)

名古屋にも、いやいや、全国にそういう場所ができるといい。

2018年6月6日(水曜)

〇体重 50.9 〇BMI 19.3 〇体脂肪率 27.6

■朝

豆乳、野菜ジュース

■お昼

揚げ焼きそば(タマネギ、ニンジン、シメジ、エリンギ、ピーマン、小松菜、イカ、アサリ)、吸い物(インスタント。ネギ、かまぼこ)、ブロッコリーとパプリカの甘酢和え

※焼きそば、3玉揚げました。これであと2日間、揚げ焼きそばが食べられます。嬉しい!

■お八つ

コーヒー、飴。ピーナッツチョコ

■夕飯

雑穀入りご飯(100グラム)、ニラ玉の吸い物、塩ザケ(ブロッコリー)、根菜の煮物(ゴボウ、ニンジン、タケノコ、コンニャク、ゴボウ天、昆布)、キュウリとカニカマのマヨネーズ和え、海苔

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コメント

  1. tonton より:

    私も見ました。
    Bさんのケースはまさに「悪医」そのものじゃないか!と私も思いました。
    Aさんに訴えられた免疫療法の病院はひどかったですね。全く非を認めないくせに、ではなぜ慰謝料を払ったのか?と聞かれたら、お金払った方は早いからとか。「悪医」の免疫クリニックの医師はエビデンスがないことをきちんと説明するまともな医師でしたけれど、このAさんの病院は相当悪質な印象で、NHKもガン患者への情報として病院名を出して欲しかったです。
    樹状ワクチンは昔知り合いのガンに転移が見つかったときに、ちょうどTVで見て思わず連絡したことがあります。彼女は実際には受けませんでしたが、そのTVを見て、これは末期ガンも治るすごい新技術と思えたのです。だからマスコミ報道のあり方にも、それを見る側にも、注意が必要かもしれませんね。

    • クロエサト より:

      Aさんのかかったクリニックですが、名前を出さないことを条件に取材に応じたんでしょうね。
      Aさんに払った賠償金は、別の患者がわらにもすがる思いで貯金をはたいて支払った治療費。クリニックにとっては痛くも痒くもないことでしょう。全くもって腹に据えかねます。

      お友達、樹状細胞ワクチンを受けなくてよかったですね。じゃないとtontonさんとの友情にひびが入っていたかも。
      ネットはもちろん、テレビの情報にも眉につばを付けて見ねば。私は光免疫療法に期待しているんですが、これもどうなんでしょう。不安になってきました(笑)。